2 days rest

何だか日にちが変わって,もう3月1日になってしまった.
あと2日のリハを残すのみ.
2日続けて9時から23時までの劇場入り.明日も9時入り.
現場で新作を作っている感じがもりもりして,楽しくもあるがハードでもある.

Young Friends

リハーサル最終日.
色々あったが,それは当事者だけのお楽しみ.(諍いもあれば,アクシデントもある)
とりあえず,なんとか事は進み,プロデューサーやその他諸々の人達からの,感想希望注文等耳にしながらも,とにかく,これまでの2ヶ月間作ってきた6人の意見を,集約させる方向で制作を進める.
まだまだ調整が必要なところはあるが,とにかく明日は初日.
今晩は,Open Dress Rehearsal (Young Friends)とスケジュールには書かれていて,まあ,想像はしていたのだが,中学生が50〜60人,リハーサルを只見しに来た.香港芸術祭的情操教育である.
何とも行儀良く,静かに観ていて,でも笑うべきところでは笑っていたので,ショーイングした方としては,悪い気はしなかったが,ぜひとも感想を聞いてみたかった.一般公演のようにアンケートがあるわけでもなく,終わると先生に引率されてさっさと帰ってしまったので,何の話も出来なかったのが残念.
普段,あまり中学生の観客はいないので,どんなふうに作品を観たのか,とても興味深いところなんだけどなぁ.

Puremia

初日終了.
どうにか最後まで行ったので目出度くもあり,途中困ったこともあったので目出度くもなし.
でも通って良かった!!!
何だかちょっと予想通りというか,起こったら困るなぁということが本番で起こったので,少々責任を感じている.
実はこのプロダクションの最大の弱点は音響で,Anthonyがいろいろ音を作ってくれているのだが,彼は本番のオペレートが出来ない.なぜかというと,別の仕事が既に入っていたから...
おまけに,protoolsとDegidesignのミキサーを使ってサラウンドシステムを組んでいるのだが,そのおおもとのマシンは,僕がいまこの文章を書いている僕所有のPBG4だ.
なんでも,今回音響用に借りることが出来たのがibook G3だけだったので,それよりは僕のPBG4の方がマシだろうということで,僕のマシンを使うことになった.
しかし,いろいろ仕事に使うアプリケーションやなんやかやが,このマシンには詰まっていて,とてもじゃないが安心して音響の出力には使えない.しかも,何カ所か音響と照明の同期をとっているところがあるので,音が止まると照明もそれに続く.
いやぁ,冷や冷やしました.さいわい同期しているシーンではなく,単に音が出なかっただけで,しかもJae Hyoがライヴ・ポジションにいたので,即興で演奏して何とかその場を切り抜けたが,あれが音と照明の同期しているシーンだったら,酷いことになっていた.
音が流れなければ,照明も動かない.もしその場が暗転だと,ずっと暗いままで何の音もしないということになる.もちろん,いちおういざというときのために何か照明は点けられるように別の照明卓を近くに置いているのだが,地明かりを点けるぐらいしか対処できない.コンピューターは諸刃の剣だということを,あらためて実感.
特に今回は,Anthonyの替わりに,頑張ってはくれているがあまりこういう事に詳しくないスタッフが音響のオペレートをしてくれてるので,なかなか非常時に対処しづらい.決まった操作なら,何の問題もないのだが...
それで実際今晩は,本番中にprotools(PBG4)がフリーズして音が出なくなり,何とかライヴ演奏でその場を乗り切り,その後再起動して何とか同期もうまく行ったのだが,ずっと健康に良くないくらい冷や冷やしてました.
明日はいちおう僕の照明用Liddellからも,常時2MIXの音を出力しておいて,非常時のバックアップにしようと思う.
その準備で,明日も早いこと劇場入りです.

Stack

公演2日目.何とか無事終了.
昨日よりは良い感じだった.
ただ,protoolsは昨日よりさらにスタックしまくり,結局公演中に4度の再起動.LiddellにWAVを入れて,全ての音がバックアップとして出力されるようにしておいたので何とかなったが,非常にストレスの溜まる公演だった.
まあ,お客さんの反応は上々で,昨日に比べてダンサーもずいぶん元気だった.
Pro Tools LE 6.4の操作にも慣れてきて,凍った時はまずアプリを強制終了して,G4を再起動しつつ,ミキサーのdegi 002の電源も入れ直せば,その後の一回目はだいたい動くことが分かった.なので,とにかくそう焦って切り替える操作も少ないので,ファイルを立ち上げるたびに動作チェックして,ダメなら再起動する,それで何とか最後まで行けそうな気がする.明日の最終公演で試してみよう.
明日は,公演最終日で,しかも僕と坂本君は公演が終わって数時間後の,夜中0時半のフライトで日本へ向かう.
実は僕はフランスへ行かなくては行けないのだが,2ヶ月以上香港に滞在していた僕は,一度日本に帰った方が航空運賃が格段に安いのだ.詳しい理由は知らないが...
なので,香港ーソウルー関空と飛び,関空に8時間ほどいてキャセイに乗り,今度は関空ー香港ーロンドンーボルドーと飛ぶ.何なんだかなぁ.数万円なら知ったこっちゃないが,これで十数万からもうちょっと違うとなると,考えてしまう.
どうなってるんでしょう? 航空運賃って!
とにかく,香港での書き込みはこれで最後.
フランスでこんなコトしている余裕があるかは疑問だが,出来れば続けます.
ではではまた.

Long trip

フランスは,BordeauxのAngoulemeという町から.
早くもVoyage公演2日目.今日の公演が終わったらバラして,同じくボルドーのSt Medardという町へ移動.

香港を出てから,気の遠くなるような移動だった.のんびりだらだらと旅をするのは楽しいが,今回は航空運賃のシステムが理由の移動である.だから旅というよりは「移動」だし,楽しいとは言い難いが,でも稀な体験ではある.愚痴になるといやなのだが,メモがわりに行程を書き留めておこうと思う.

3月5日夜8時前にLPHの最終公演開始.9時半頃に無事終演.お客さんがいなくなったら,さっそくバラシ開始.とにかく自分でパッキングした方が安心な機材を片っ端からまとめて,LED照明用トランクに放り込む.
夜10時半,まだ続くバラシを横目で見ながらみんなに挨拶,タクシーで空港へ向かう.
0時を越えて,3月6日0時40分,香港から韓国ソウルの仁川空港へ向けて出発.
3時間15分のフライトで,韓国時間朝5時頃に仁川国際空港着.ここで4時間55分のトランジット.
眠れそうな場所を探して落ち着く.仁川空港の椅子は肘掛けがなくて,5個くらい席が空いていると簡単に横になれるので嬉しい.
2時間ほどウトウトしたら,エアコンから冷気が吹き出し始めて寒くて起きる.外気温はマイナス2〜3度とのこと.レストランとかも開き始めたので,軽くユッケジャンなど食べてネットカフェでメールチェック.(韓国は日本と同じく,携帯電話に独自の周波数帯を使っていて,3G携帯は繋がらない.)
3月6日朝9時50分ソウル発1時間40分のフライトで,11時半関空到着.飛行機の隣の席に,アメフトの雑誌を読みふける巨大なおデブが座って,僕を圧迫する.
無事入国して宅急便を自宅に送り,ちょっと入金しようと関空内の銀行に行ったら,日曜で何も出来ない.不便さを感じつつ空港内のホテルへ.
ちなみに,関空から宅急便を送ると通常の2倍はする.ぼったくりである.地下にあるコンビニからゆうパックを使って送ると,普通の料金で送れる.
12時半にホテルにチェックイン.夕方4時半(4時間後)に起こしてと念を入れて部屋へ.バスタブにお湯をたっぷり張って入浴し,ベッドへ.
夕方5時にチェックアウトして(もったいないが,凄くリフレッシュして助かった),出発ロビーでチケットを受け取り,キャセイにチェックインして出国.
6時20分出発,再度香港へ向かう.
4時間25分のフライトで,現地時間夜21時45分香港到着.実に21時間ぶりの香港である.
何だかくらくらしてきて,ロンドン行きのゲートへ向かい2時間程度のトランジットをボーっと椅子に座って過ごす.23時55分,ロンドンヒースロー空港に向かって出発.
13時間10分のフライト.各席に液晶の付いている機体だったので,何か一本くらいは映画を観ようと決めて,日本語吹き替えだった「Ray」を見る.もし英語版で流して聞いていたら,あまり意味は掴めなかったと思うが,吹き替えで良かった.面白い映画だった.あとはずーっとウトウト.関空でバタバタして,日本語の本を仕入れなかったことを後悔する.
3月7日現地時間朝5時5分.ロンドンヒースロー空港到着.ボルドー空港へのフライトは,同じロンドンでもガトウィック空港からのフライトになるので,いったん手荷物をピックアップしてイギリス入国.イギリスのパスポートコントロールはいつも嫌な感じだが,今回はすんなり通る.
ガトウィック空港へはバス移動なので,バス停へ向かう.何とかガトウィック行きを見つけて乗ろうとするが,ポンドしか使えないと運転手がいう.空港である,しかもトランジットで手荷物ゴロゴロ.切符売り場ではユーロやカードが使えるらしいが,朝5時過ぎでまだ開いていない.バスの本数も少なくて,次のバスは30分後.それを逃すとボルドー行きフライトに間に合いそうもない.
仕方なくまた空港のメインビルまで戻って,ATMを探して20ポンド引き出す.しかしイギリスは,いつまでアメリカに尻尾振ってEU入りしないつもりなんだろう...
何とか次のバスで,ガトウィックへ.フライト1時間前にチェックイン,問題なし.
3月7日朝8時45分,ボルドー空港へ向けて飛び立つ.1時間30分のフライトで現地時間11時15分ボルドー着.飛んでる間は気絶してた.
11時半頃にフランスに入国し,僕らが来週公演する劇場のスタッフと落ち合う.いまから向かう公演先はまだここから少し離れているので,彼女に列車の駅まで送ってもらって,切符を買う手助けをしてもらう.
12時過ぎに車で駅に到着.惜しくも,目的地Angouleme行きの列車は出たばかり.次は2時間後の14時発.とにかく切符を買って,スタッフは帰り,僕は仕方がないので駅のカフェで軽く昼食...か何だか分からなくなってはいるが,とにかく食べる.フランスで飲むコーヒーは美味しい.
14時,列車は定刻に来て出発.外は寒い.
15時,Angouleme到着.そのままタクシーで劇場へ.
数分後に無事劇場到着.中ではセットアップが進んでいる.久々にダムのメンバーに会って,状況を確認.進み具合は悪くはない.今回新しく付いてくれた,英語が堪能なフランス人スタッフが,ずいぶん頼りになる感じ.
とにかくスケジュールは決まっているので,そのまま仕事開始.16時には各バトンの高さを決めて,それから照明のフォーカスにかかる.その後ここのスタッフの夕食時間を聞くと,夕方18時から20時まで2時間とって,それから24時まで働くという.へなへなと膝の力が抜けそうになって困った顔をしていると,先方が気を利かせて「休憩はとらずにこのまま20時半まで働いて,それで今晩は終わりというのはどうだ」と提案してくれる.助かったぁ!
何とか出来るだけやって,21時前には劇場を出る.それから軽くレストランで食べて,シャワーを浴びて就寝.
ああ,凄かった.
(写真は,劇場の舞台からVoyageの鏡床を舐めつつ客席を見る,と,ロビーの公演宣伝)

Angouleme>>>St Medard

St Medard Theater

昨晩,公演終了後バラシ.
今日は,Angoulemeから2番目の公演地,St Medardへ移動.ボルドーの近郊の町でAngoulemeからは,バスで2時間程度.先日TGVで来た道をバスで戻ったことになる.

Angoulemeは,なかなか美しい観光地で,ちょっと僕が疲れていて,いろいろ見て回れなかったのが残念.フランスの他の町と同じく,古い建築が並ぶが,ちゃんと表面が洗われて,手入れされているところが多かった.
劇場も外観は残して,中はお洒落にリニューアルされていて,良い小屋だった.市場やレストランでも,古くて良いものはきちんと残しつつ,それでも観光客に対しては英語でも対応してくれる.食べ物もワインも美味しい.美味しいお酒があるところは,たいてい良い土地のような印象がある.

今日着いたSt Medardは,どちらかというと主役ではなくて,ボルドーのベットタウンのような感じ.町も小さいし,公演も一回だけ.まあでも,テクニカル・ディレクターは昨日の公演を観に来てくれていて,打ち合わせも済んでいるので,気は楽.おまけに劇場の都合で,仕込み一日目と二日目の間に一日中休みがある.つまり,明日働いたら明後日は休み.気分的にずいぶんゆったりしている.
夕方から少しワインを飲んで,小さなパフォーマンスを観て,寒い中少し離れたレストランまで歩いて行って夕食.なかなか美味しくて,わざわざ行く価値はあった.
白インゲンと野菜のたっぷり入った「お百姓さんのスープ」とステーキのロックフォード・ソース,それにメドックの赤ワインで満腹.

to the sea

今日は変則的な中休み.
長年ツアーに出ているが,仕込みの1日目と2日目の間に休みがあるのは初めてである.
既にもう予定が決まっていたところに,僕らがボルドーに来ることが決まって何とか公演をねじ込んでくれたようで,どうしても今日だけは劇場が使えないという.
でも,舞台は何も仕込まないので,1日目の仕込み終了時のままで置いておいてくれればいいからというので,いったい何をするんだろうと思っていたら,映画の上演だった.
おいおい,どうしても今日しかダメな上演かい?と思ったが,まあ今日は日曜日,それなりの理由はあるんだろうし,休みがあるのはありがたい.
ただ,小さな町でしかも日曜なので,ここにいてもあまりすることがない.
なので,今回から参加のフランス人スタッフのお薦めで,海へ行くことにした.

ボルドーは,案外海が近い.それに海辺の観光地なら,日曜でもレストランが開いている.
バスで40分程度,まっすぐな水平線が広がるロングビーチは,良い気分転換になった.
海辺のレストランも,満席で対応はお世辞にも速いとはいえなかったが,料理もワインも美味しかった.
昼13時半に席について,牡蛎やその他の貝,エビ・蟹の盛り合わせの前菜をみんなでシェアーして平らげて,それから各自のメインを白ワインと共にあれこれ味見して,デザート・コーヒーと,サーヴの遅さも手伝って,食べ終わった頃にはもう17時近くだった.
いやいや,ゆったりとした食事でした.
たまには,こういうのも良いかな.

その後溜まっていたメールの返事を書いて,いまからお風呂に入ります.

Back and Go

St Medardの公演は,ちょっと変わっていたものの,無事終了.
600席程度の劇場だったんだけど,そのうち200人程度が小中学生.まあ,おおよそ8割が小学生高学年程度.
劇場が,国立だったのも関係していると思うが,ボルドーから大量に団体鑑賞で参加.
最初はどうなることかと思ったけれど,これが案外ちゃんと楽しんでくれて,こちらもオペレートしていて面白かった.
なんせ,目の前にも彼等が座っていて,大きな音が鳴ると飛び上がったりクスクス笑ったり,反応がダイレクトにわかる.
もっとも,普通の?観客はずいぶん戸惑っだろう. でもまあちょっと「シッー(静かに)」という声が聞こえたものの,それ以外は周りさえ見回さなければ,別に問題なかったと思う.
終了後は,バラしてパッキング,トラック積み込み.
その後,小さな町で深夜に開いている店はないからと,今回からツアーに参加してくれたフランス人スタッフが,わざわざ用意してくれた,ケイタリングのクスクスとワインで遅い食事と乾杯.バラシの後にまともに食事できることは珍しいので,かなり満足.
翌朝,まだワインの酔いが残っているままに,ボルドー空港へ.
僕はみんなと違うフライトなので,チェックインカウンターで別れてロンドンへ. もともと日本からの繋ぎは良くないフライトなので,ロンドン_ガトウィック空港からヒースロウ,それから香港で関空へと,各トランジットで4〜5時間待ち.行きよりはましかと,G4を開けては細々した用事を済ませつつ,24時間後くらいに日本着.
いまもまだ帰国中だけれど,とにかくほぼ全日子供の世話.
面白い.
自分の子だから,特別そう感じているのかも知れないが...
来週火曜からは,パリへ.
今度は去年作ったRefined Colorsの公演. EU初舞台.