フランスは,BordeauxのAngoulemeという町から.
早くもVoyage公演2日目.今日の公演が終わったらバラして,同じくボルドーのSt Medardという町へ移動.
香港を出てから,気の遠くなるような移動だった.のんびりだらだらと旅をするのは楽しいが,今回は航空運賃のシステムが理由の移動である.だから旅というよりは「移動」だし,楽しいとは言い難いが,でも稀な体験ではある.愚痴になるといやなのだが,メモがわりに行程を書き留めておこうと思う.
3月5日夜8時前にLPHの最終公演開始.9時半頃に無事終演.お客さんがいなくなったら,さっそくバラシ開始.とにかく自分でパッキングした方が安心な機材を片っ端からまとめて,LED照明用トランクに放り込む.
夜10時半,まだ続くバラシを横目で見ながらみんなに挨拶,タクシーで空港へ向かう.
0時を越えて,3月6日0時40分,香港から韓国ソウルの仁川空港へ向けて出発.
3時間15分のフライトで,韓国時間朝5時頃に仁川国際空港着.ここで4時間55分のトランジット.
眠れそうな場所を探して落ち着く.仁川空港の椅子は肘掛けがなくて,5個くらい席が空いていると簡単に横になれるので嬉しい.
2時間ほどウトウトしたら,エアコンから冷気が吹き出し始めて寒くて起きる.外気温はマイナス2〜3度とのこと.レストランとかも開き始めたので,軽くユッケジャンなど食べてネットカフェでメールチェック.(韓国は日本と同じく,携帯電話に独自の周波数帯を使っていて,3G携帯は繋がらない.)
3月6日朝9時50分ソウル発1時間40分のフライトで,11時半関空到着.飛行機の隣の席に,アメフトの雑誌を読みふける巨大なおデブが座って,僕を圧迫する.
無事入国して宅急便を自宅に送り,ちょっと入金しようと関空内の銀行に行ったら,日曜で何も出来ない.不便さを感じつつ空港内のホテルへ.
ちなみに,関空から宅急便を送ると通常の2倍はする.ぼったくりである.地下にあるコンビニからゆうパックを使って送ると,普通の料金で送れる.
12時半にホテルにチェックイン.夕方4時半(4時間後)に起こしてと念を入れて部屋へ.バスタブにお湯をたっぷり張って入浴し,ベッドへ.
夕方5時にチェックアウトして(もったいないが,凄くリフレッシュして助かった),出発ロビーでチケットを受け取り,キャセイにチェックインして出国.
6時20分出発,再度香港へ向かう.
4時間25分のフライトで,現地時間夜21時45分香港到着.実に21時間ぶりの香港である.
何だかくらくらしてきて,ロンドン行きのゲートへ向かい2時間程度のトランジットをボーっと椅子に座って過ごす.23時55分,ロンドンヒースロー空港に向かって出発.
13時間10分のフライト.各席に液晶の付いている機体だったので,何か一本くらいは映画を観ようと決めて,日本語吹き替えだった「Ray」を見る.もし英語版で流して聞いていたら,あまり意味は掴めなかったと思うが,吹き替えで良かった.面白い映画だった.あとはずーっとウトウト.関空でバタバタして,日本語の本を仕入れなかったことを後悔する.
3月7日現地時間朝5時5分.ロンドンヒースロー空港到着.ボルドー空港へのフライトは,同じロンドンでもガトウィック空港からのフライトになるので,いったん手荷物をピックアップしてイギリス入国.イギリスのパスポートコントロールはいつも嫌な感じだが,今回はすんなり通る.
ガトウィック空港へはバス移動なので,バス停へ向かう.何とかガトウィック行きを見つけて乗ろうとするが,ポンドしか使えないと運転手がいう.空港である,しかもトランジットで手荷物ゴロゴロ.切符売り場ではユーロやカードが使えるらしいが,朝5時過ぎでまだ開いていない.バスの本数も少なくて,次のバスは30分後.それを逃すとボルドー行きフライトに間に合いそうもない.
仕方なくまた空港のメインビルまで戻って,ATMを探して20ポンド引き出す.しかしイギリスは,いつまでアメリカに尻尾振ってEU入りしないつもりなんだろう...
何とか次のバスで,ガトウィックへ.フライト1時間前にチェックイン,問題なし.
3月7日朝8時45分,ボルドー空港へ向けて飛び立つ.1時間30分のフライトで現地時間11時15分ボルドー着.飛んでる間は気絶してた.
11時半頃にフランスに入国し,僕らが来週公演する劇場のスタッフと落ち合う.いまから向かう公演先はまだここから少し離れているので,彼女に列車の駅まで送ってもらって,切符を買う手助けをしてもらう.
12時過ぎに車で駅に到着.惜しくも,目的地Angouleme行きの列車は出たばかり.次は2時間後の14時発.とにかく切符を買って,スタッフは帰り,僕は仕方がないので駅のカフェで軽く昼食...か何だか分からなくなってはいるが,とにかく食べる.フランスで飲むコーヒーは美味しい.
14時,列車は定刻に来て出発.外は寒い.
15時,Angouleme到着.そのままタクシーで劇場へ.
数分後に無事劇場到着.中ではセットアップが進んでいる.久々にダムのメンバーに会って,状況を確認.進み具合は悪くはない.今回新しく付いてくれた,英語が堪能なフランス人スタッフが,ずいぶん頼りになる感じ.
とにかくスケジュールは決まっているので,そのまま仕事開始.16時には各バトンの高さを決めて,それから照明のフォーカスにかかる.その後ここのスタッフの夕食時間を聞くと,夕方18時から20時まで2時間とって,それから24時まで働くという.へなへなと膝の力が抜けそうになって困った顔をしていると,先方が気を利かせて「休憩はとらずにこのまま20時半まで働いて,それで今晩は終わりというのはどうだ」と提案してくれる.助かったぁ!
何とか出来るだけやって,21時前には劇場を出る.それから軽くレストランで食べて,シャワーを浴びて就寝.
ああ,凄かった.
(写真は,劇場の舞台からVoyageの鏡床を舐めつつ客席を見る,と,ロビーの公演宣伝)