選挙って,こんな字だっけ?
生まれて初めて,期日前投票に行った.手続きが簡素化されたということで,普通の投票とほぼ変わりない.選挙当日に投票に行けない,という宣誓書を書く手間が増えるくらいで,あとは同じ.
候補者と政党を選ぶ投票に迷いはなかったが,最高裁裁判官の信任投票は疑問.最高裁裁判官の名前だけ書いてあって,彼らが裁判官としてふさわしいかどうかと聞かれても...前回の信任投票時は,ニュース23だかステーションだかが,裁判官の主な審判をまとめて特集を組んでいた.どの判決に注目するかで,ずいぶん印象も変わるだろうが,それでも名前だけ書いてあって,何をした人か分からない人物を,最高裁裁判官に適切かどうか判断せよというより,よほどましだ.
何だかんだとやってはいたけれど,とにかく8月中はずっと京都にいた.歯医者の治療は終了.鍼灸院に通って,腰もずいぶん楽になった.毎朝毎晩,娘とも顔を合わせられたし,彼女の変化を実感できたのも嬉しい.僕のひと月は,ほぼ変わりのない毎日の連続だが,一歳九ヶ月の娘には,毎日が新しい.今日も彼女は,初めて自分の名前を,客観的に呼んだ.
さて9月,明日からはドイツ.ミュンヘンとデュッセルドルフを回る.dumb typeのVoyage公演.
そして,帰国当日,朝7時半に関空について,昼からは京都造形大学内Studio21でのRefined Colors公演の仕込みにはいる.
http://www.k-pac.org/kpac/expe/vol24/top.html
8月と比べて,緩急の差がちょっと激しすぎるが,それももちろん楽しい.
心配なのは,台風.
まあ,動きがゆっくりなので,明日朝はまだ飛ぶだろう.
Munich
9月6日に日本を発って,ミュンヘンとデュッセルドルフ2カ所の,ダム「Voyage」公演ツアー.ミュンヘンMuffathalle劇場(というか大箱のライヴハウスのようなところ)での公演は10日(土)に無事終了し,本日デュッセルドルフに移動.
Muffathalleは,元水力発電所跡を利用した場所で,川沿いの森の中に建つ,なかなか趣のある建物.95年に,古橋と一緒の「S/N」公演を,最後にした思い出深い場所だ.
3本の水平可動ブリッジの下に,グリットに組んだトラスを吊って,そこに照明も幕類も全部吊る.今回はデュッセルドルフの劇場も,同じようなトラス構造で,プランニングにミスがあると,なかなか修正が難しい一発勝負.しかも,ドイツらしく,僕たちが着く頃には,先方の機材はほとんど吊り込んである.ありがたいことだけれど,それだけに図面上にできるだけ情報を書き込んでおかないと,時々呆れるくらいの勘違いがあり,そんな場合はかえって大変だ.ありがたいことに,今回はそんなことはなく,快調に事は進んだ.
それにしても,構造上の少々の不自由はモノともせず,不平も言わずにむしろ楽しそうにセットアップに取り組んでくれる,現地スタッフは頼もしい限り.日本と違って,「管理」専門の人などいない.
そういえば,此処ドイツでも日本の選挙への関心は高かったようで,昨日今日とテレビのニュースや新聞のトップでも,コイズミの笑った顔写真が見られた.何でまた,あんないい加減な受け答えとキャッチコピーばかり繰り返して,まともなことを言わない人を日本の多くのヒトが再度選ぶのか,僕には理解できないが,結果は結果,コイズミ圧勝だったようですね.うーん...
今回は2カ所のみの公演なので,19日には帰国.その足で,京都造形大Sutudio21へRefined Colors公演の仕込みに向かう.今回は大きなシーン変更の予定もあり,ワークショップもする盛りだくさんな内容.できるだけ多くの人に観に来てもらいたいなぁ.まだまだ変わり続けている作品だけに,僕自身も楽しみです.
写真は,すっかりステージをバラしたあとのMuffathalleと,ミュンヘン市内で見つけた,見事に垂直緑化された建物(といっても夏の間だけだろうが…).写真では周りが写っていないが,かなりの繁華街の中に忽然と建っている.ひょっとしたら,ガイドブックとかに載っているくらい有名な場所かも.
Tent (Altstadtherbst kulturfestival)
Dusseldorfで催されるAltstadtherbst kulturfestivalでの,Voyage公演.
この町では,去年もVoyageを公演している.同じ町で,同じパフォーマンスを2年続けて公演するなんて,たぶん初めてのことだ.作品を作った最初と,数年間ツアーを回った最後の締めに,同じ都市でというのは,あるけれど...
そして,面白いことに同じ都市でも,公演場所はずいぶん違う.去年は,ピナバウシュ・フェスに招かれて,Schauspielhausというかなり大きな劇場での公演.今回はテント.
テントといっても千人近く入る巨大なモノ.その横にはバーラウンジや小さなステージの付いたライヴのできるテントもあり,スタッフや僕らが休憩/食事をするグリーンルームもテント.その横に,シャワー・トイレと楽屋のコンテナが置いてある.
何せテントなので,扉を開けるとすぐ外で,日光が差し込んでくる.強風でバタバタはためいて,ぎいぎい鳴る.雨が降るとザアザアいう.
何ともすごい場所だが,祝祭的な雰囲気も溢れていて,かなりのことまで許せてしまう.フェスの名前も「秋の収穫祭」的な意味らしい.働いているスタッフも,ボランティアの若者が多くて,あまり頼りにはできないが,その楽しそうな様子はこちらにも伝わってくる.
こういう物凄いラフな場所で,緻密なパフォーマンスができれば,それはそれですごく良いと思うが,どうも僕は,ついつい場所に合わせて,まあこんなもんでいいかと思う心にひきずられそうになる.
いかんなぁ.