
ついに着るものがなくなって,朝も早よからコインランドリーへ.朝7時半から開いているということだったのに,8時になってもドアが開かない.
1人で怒りながらホテルへ朝食をとりに戻ると,なんとまだ朝7時.昨日の深夜,オランダの夏が終わったらしい.こんなに寒くて暗くても,まだ夏やったんかい,と突っ込みたくもなるが,まあ1時間儲けたということで,時計を1時間戻して冬時間へ.
ハノイからクアラルンプール経由でアムステルダムまで飛び,そこから列車でGroningenにたどり着くのに,空港での待ち時間も合わせて,ほぼ24時間かかった.
さすがに着いた当日は,日本から送った荷物の確認と劇場をざっと下見するだけで,ダウン.ホテルの横のバーで,人生で一番味無いトンカツ(ウィンナー・シュニッツェルとメニューには書いてあったが,厚さ1センチのスリッパくらいの豚肉に5ミリくらいの衣を付けて,ぱさぱさになるまで揚げた代物)を食べ,ビールを飲んで,夕方5時くらいから翌朝5時まで寝ていた.
劇場は,元映画館とかで,インディペンデントでやんちゃな感じ.アートセンターぽくって面白いが,予算が少ないのか打ち合わせが出来ていないのか,集中して働いてくれるスタッフが少なくて,仕込みも結構行き当たりばったり.でもこれはどうも劇場側のせいではなく,こちら側から明確なプランが出せていないためだと思う.もちろんまだ作っている最中なので,試してみないと分からないことの方が多いが,それにしては動けるスタッフが少なすぎる.舞台・音響・照明,各1人ずつこちらのテクニカルがパリから来ているが,それだけでは当然足りない.ヨーロッパでは照明と舞台を兼ねているスタッフが多いが,此処もそうで,舞台に人手が取られると照明が進まず,また逆もあって,ちょっと大変.
でも何とか仕込み2日目夕方には,舞台の体裁が整う.
今回は初めて全てのLED灯体を,日本でいうボーダーライトのように天井バトンに吊っている.他の照明との関係で,7.5mくらいの高さまで上げなければいけないので,各明かりはずいぶん弱いが,それでも舞台全体を染める分には何とかなっている.ただ色が付くだけでは別になんということもないので,どうやってLEDの特性を生かしていくのか,これからが思案のしどころ.