Bastille, Combs la ville, Angouleme

バスティーユ・オペラの「トリスタンとイゾルテ」は,凄かった.舞台上にあるのは,装置としてはベットのような四角い台だけ.後は奥を全面被っている黒いスクリーンに映される,Bill Violaの映像のみ.(黒いスクリーンと書いたが,本番では黒の幕が上下左右に開いて,その裏に白いスクリーンがあったのかもしれない.映像のチェック時は確かに黒の上に投射していたが,本番中は地の色が黒なのか白なのか,眩しくてよく分からなかった.)
横型の16(横):9(縦)と4(横):3(縦),それに縦型の16(縦):9(横)の映像を使い分けていて,映写室を覗いたらBARCOが2台あったのだけれど,縦型と横型の映像用に使い分けているのか,それとも1台は予備機で,あのプロジェクターが内蔵シャッターでどうとでも映像を切れるのか,どちらか分からなかった.
あと,たぶんアクティングエリアの床あての照明も,天井に吊ったビデオプロジェクターのようで,綺麗に4:3の大きさでエリアが切られていて,時々映像にあわせて色が変わっていた.もちろん,フロントからのフォローとか,幾つか通常照明も使ってはいたけれど...
それで,間の休憩2回を抜いても,4時間あまりたっぷりBill Violaの映像を堪能できる.端的に言えば,大きなスクリーンに無茶明るいプロジェクターで投影したビデオインスタレーションに,豪華なフルオーケストラと,上手なオペラ歌手がくっついているような物だった.
そしてオフが終わったら,怒濤の地方巡業で,パリから車で1時間半程度の町 Combs la villeへ,朝早くから出かけてセットアップ,夜中にパリに戻って翌朝またその町へ.そして公演してバラして,またパリに戻って,翌朝早くにモンパルナス駅に向かい,TGVで2時間程度のボルドーの町 Angoulemeに直行.10時過ぎに着いてセットアップ.で,翌日公演とバラシ,というスケジュール.
ところが,何とTGVが霧のため途中で止まって,1時間ほど動かない.何だかなぁ,日本を発つ時にも同じようなことが...結局,Angoulemeの劇場に着いたのは,昼を少しまわった頃.この3月にダムの公演できた時も,香港から一度日本経由で,ふらふらになりながら,他のメンバーより半日遅れで,この劇場に入ったんだった.どうして,こういうことに...
でも,列車の中から電話で指示を出していたこともあって,それほど深刻な遅れはなく,あと数時間後には今ツアー最終公演が始まる.
この劇場は,照明室からネットに繋がるので,とりあえずこのページも更新.
前にも書いたかもしれないが,古い建物の内部だけを劇場にリノベーションしたところで,非常にうまくできている.
写真は,劇場上層階側面に,新しく造られた通路.古い建物だし,内部の壁をぶち抜いて通路を一本通すより,この方が良いかも.眺めも抜群.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です