ようやく実時間に追いついたと思ったら,明日から東京.
打ち合わせを入れつつ,にしすがも創造舎でヤスミン・ゴーデル,さいたまでフォーサイスを観る予定.
(まだ連絡していない人ゴメンナサイ.暇だったらメール下さい.できるだけ,時間のある限りお返事します.3日間ほどいるので,会えれば嬉しいです)
今日はあいにくの雨だったので,家族で京都市美術館に,造形大の制作展を観に行く.といっても,まあウチから徒歩10分.
椿さんひきいる空間デザイン学科は,展示室に新たな壁と天井を作って,まさしく展示空間をデザインしていた.
ずいぶん前に,同じ市美術館の大陳列室でダムのpHという作品の公演をしたことがあり,あそこの使いにくさを知っているだけに,感心する.
もともと,絵画か彫刻を展示することしか,考えられていない場所なのだ.おそらく,十分な電力も,情報ラインも,パーティションも,未だに確保されていないのではないか?
ヨーロッパの美術館なんか,100年前の建物でも,内部はリノベして新しくなっているところがあるから,やる気で予算さえ確保できれば,市美術館だってもっと使いやすい情報発信地になると思うのだが,今のままではただのお荷物.
そこを,短期間の搬入時間で,あそこまで作り込んだんだから,よくやったモノだと思う.
他にも,駆け足で展示室を回っただけだが,面白い作品があった.(2歳3ヶ月の娘が,きゃあきゃあ走り回るので,ちゃんと見て回ったわけではないが)
みんな,達者だなぁ.うかうかしてられない.
Birthday
えー今日は,もうかれこれ10年も一緒に暮らしておる,妻さんの誕生日でした.「奥さん」「パートナー」「同居人」と,いろいろ呼び方はありますが,どれもそれぞれ理由があって好きではなく,まあ「妻」さんが呼びやすいかなと.一番しっくり来るのは「かあちゃん」ですがね.
それでまあ,娘と一緒にお祝いいたしました.
東京で見たフォーサイスとヤスミン・ゴーデルは,共に面白かったし,またずいぶんと考えさせられました.
ヤスミン・ゴーデルの「ストロベリーと火薬」に関しては,期待が大きすぎたとの声が多かった.彼女らが生活している現実の方が,表現よりよほど切羽詰まっているということだろう.
でも僕は,とにかくその現実に向かい合おうという,その姿勢を評価します.ただ,幾らシビアな現実でも,その悲惨さだけを強調しても,それは何処にも繋がらないとも思いました.たぶん,酷い現実であればあるほど,その当事者には何かユーモアのようなモノ,シビアな現実を乗り越える/迂回する別の回路が必要になるのではないかと...
ただ,それを,もし僕がその現実を受けとめる当事者になっても,言えるかどうか?
フォーサイスは,ただただ圧倒されるばかり.特に最初に観た最新作は,振付ではあるだろうけれど,人の所作を自在に編集したような,誰もが日常の動きを何の気なしにコンピューター上で弄くれるようになった現実があってこそ,初めて可能になった作品のような気がした.
しかも,このところずっと気になっている,人の脳はいかに動きを分析し認識するのか,という疑問に何だか答えてくれた.もちろんこれは,言葉ではちょっと説明しがたいが...
あとの2作品も,2000年の作品だが,いまでも十分すごい.まずは,そのダンサー達のテクニックに圧倒されるが,観ているうちにそれが現実にリンクしてくる.そこに,より現実に対抗できる力を感じた次第です.
Fever
よく,子供はすぐに熱を出すから...という話を聞くが,本当にその通り.ウチの娘も,保育園に行っているせいか,色んなモノをもらってきては,ぴょいと高熱を出す.一昨日くらいから,少しハイテンションだなぁ,と思っていたら,昨日から今日にかけて,40度近い熱を出している.身体がまだ素直というか,すぐに外側からの影響を受けるわけだ.
素直ということでは,寝ぼけるところも面白い.普通に覚醒している時にも,何の遠慮もなく我が儘をいっているような気がするが,あれはあれでちゃんと抑制しているのだということが,寝ぼけている時の行動からよく分かる.まさに「切れ」てる様子,ちゃんと目が覚めている時には,まあ見ることの無いような我が見える.
それで発熱に関しては,早朝に,かあちゃんが病院に連れて行って,とりあえずインフルエンザでないことは確認できた.どうも,熱が下がるまで,気長に養生するしか,他に治療方法はなさそう.それくらい,発熱は子供にとって,普通の出来事らしい.
というわけで,昨日はダムの新オフィスお披露目パーティだったのだが,数時間顔を出して,そそくさと失礼する.懐かしい顔が,時間が遅くなるにしたがって増えていったのだが,残念でした.でも,この前のRCツアーのついでに,スペインのサンルーカスで買い付けてきたマンサニージャもしっかり味見したし,早い時間から来ていた人とは話もできたし,楽しいひとときでした.
4月は,フランス2カ所と,オーストリア/リンツでのダム・Voyageツアー.その図面をさっさと書き上げるのが,当面の課題.
Christian Ziegler
Christian Zieglerのレクチャー(13日)とパフォーマンス(14日)を,京都造形大で観る.
Christian Zieglerは,ForsytheのCD-ROM “Improvisation Technologies”のプログラマー/デザイナー.
レクチャーは,なかなか面白かった.この人は,「狂言」という,日本の狂言に関するアーカイヴROMやインド舞踊のアーカイヴなども制作していて,その仕事は緻密で美しい.
しかし,パフォーマンスに関しては,何処かのメッセ会場で行われている,展示会のショーイングを見せられた感じ.
音も,映像も,ダンサーの方だって悪くないけれど,技術の成果発表会だけで1時間押し通そうとしたように,僕には見えた.その先が大事だと,自分のことも含めて思うわけですわな.
Cool! Clooney
最初に「ER」の小児科医役で見た時には,何だかにやけた兄ちゃんだなぁと思ってたんだけど,いかすぞジョージ・クルーニ!
つい最近も,某友人が最新作「シリアナ」というタイトルに,やけに注目して笑わせてくれていたが,いやいやなかなか格好いいです.
詳しくは,下記参照.(このブログ,好きでよくチェックしてます.)
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/03/post_e018.html#more
Sulayman Al-Bassam Thaetre
3月19日:
Sulayman Al-Bassam Thaetreの「Kalila Wa Dimna or The Mirror for Princes」をスタジオ21で観る.
ちょうどRCスペインツアーの時に,イスラム教入門みたいな本を読んでいて,ムハンマド(マホメット)の事やアッパース革命の時代背景,それにクルアーン(コーラン)が何より詩/言葉の芸術として傑出したものである,というような予備知識があったので,ようやっとついて行けた感じ.
「言葉」が強い力を持っていた/いる,状況での話しなわけです.
久々に観た演劇で,しかも台詞は英語で日本語字幕.結構言葉が多くて,それが字幕では簡略化されている上に,速いテンポで変わっていく.それをまあ,半分以下ながら聴き取りつつ,できるだけ字幕もフォローし,舞台上も観つつ,という忙しい状況.それでも楽しめたし,何となくわかったような...
どんな優れた「何か」でも,それが権力を生み出して継承していくうちに,腐ってくるものだということかな.そしてそれは,いつも意外なところから打ち壊されていく.
それにしても,ムハンマドもキリストも,もっと言えばモーセもアブラハムも同根.世界地図の上では,小指の先ほどのところでの時間差での内輪もめ.それがこんなに世界を巻き込んで,僕らまで付き合わされるなんて,本当にバカみたいだ.つくづく無宗教で良かったと,こればかりは日本で生まれたことを,とてもありがたく思う.(でも本当は,思うばかりではなくて,その利点を生かして何かをやらなければいけないわけだ.)