5月16日17日と,何でこんなにどこもホテルがとれないんだろうと思っていたら,サッカー・ユーロカップの決勝戦だかなんだかが,パリで開催されていた.マドリッドとバルセロナの対戦.スペインでやれ!そんなのスペインで!
おかげでパリは,どこに行ってもむさいおっさんが群れをなして大声で歌いわめき騒ぎ,酔っぱらい,地下鉄のドア越しに罵り合い,暑苦しいことこの上ない.ホテルは,星付きからバックパッカー御用達まで何処も満員で,知らずにパリにたどり着いた旅人たちは,ねぐらを探してうろうろしている.
僕は,前述の友人が紹介してくれた,ピガール辺りの小さな宿で部屋を確保,おかげさまで快適に過ごすことが出来た.
この宿,パリにしてはすごく安いが,部屋はきれい.トイレは廊下だがシャワーは部屋に付いている,という自慢気な宿の親父の言通り,確かに写真のようにシャワー箱が部屋に付属.箱としか言いようのないようなものだが,これでも立派に温水は出るし,おもしろがって茶化して紹介はするが,宿としてもかなり良いところです.特に,周りの界隈が,コジャレなブティックからSEX SHOP,高級食材から中華のテイクアウトまで,何でも揃ってしかもカフェなどは夜中でも賑わいを見せている.とても楽しい地区でした.
Eaさんの公演のための照明引き継ぎは,Carlosと旧知のインディペンデント・ディレクター氏の自宅で作業.はじめは劇場の片隅でも借りようとしていたのだが,色々あって個人の自宅をお借りすることに.
この家が,またすごく居心地が良い.独り身だという,50過ぎくらいに見えるディレクター氏が,自分の居心地が良いように造っていった自宅.もうたぶん一生行くことはないだろうし,とにかく車で連れて行かれたパリの東の外れで,未だにどこだかわからない.でもとても良い家だったので,とりあえず写真を1枚.
当のディレクター氏には,初日に笑って握手をした後はついに会えず,結局名前もわからない.
17日夜には,パリ郊外でやっていた,Preljocajの1989年の作品「Noces」の再演を観に行く.いかにもヌーベル・ダンスというかヌーベル・バレエ.良くできた振り付けで,なかなかよかったです.椅子というかベンチ使ってました.これはヌーベル・ダンスのお約束なのかな?
そして,18日早朝に友人を訪ねてウィーンへ向かう.ここからは短いながらも休暇モード.3日間は,打ち合わせも何もなし.早朝の便だったので,朝6時前にパリ北駅へ.駅に入ると,そこはさながら野戦病院のような状況.
ホームレスならぬホテルレスの人たちが,若者のみならずいい歳をしたおっさんまで,駅の床でごろ寝.その横を早朝出勤の人たちが平然と歩いていたりして,異様な風景.でも,パリではよくあることなのか,寝ている方も通り過ぎる方も平然としている.僕も,これが昨日大騒ぎしていた群れかと思うと,あきれるばかり.こんなにまでして応援に駆けつけるその情熱の大きさよ...
そして,無事ウィーンの友人宅に着く.