Hanoverから車で1時間くらいのところにある,Wolfsburgというところに滞在中.
このWolfsburg,町というにはあまりにも奇妙な場所である.そこで行われるmovimentosというフェスティバルのセットアップに数日だけ参加.
ここは豊田市のフォルクスワーゲン版というか,元々ナチスがワーゲンの生産強化のために,何もないところに発電所から建て始めて工場を作り,そしてその労働力としての住民の町を作ったのが始まりらしい.それが車の(「車で」ではなくて「車を」買うための)お買い物を楽しみつつ滞在できるような万博もどきのテーマパークになっていて,だだっ広い敷地の中に幾つものパビリオンが点在している.
ホテルはただ一つThe Ritz Carltonしかないのでそこでお泊まり.遠くに,よくミニカーをプラケースに入れて展示してあるのを見かけるように,実車をガラスの高層ビルにぎっしり並べてあって,そこを螺旋状の通路に沿って車で動きながら,欲しい車を選んで購入できるビルが,3つくらい並んで建っているのが見える.
圧巻は,この場所の基となった発電所で,まだ現役で稼働中.並んだ超高い煙突が,ファシスティックに威圧してくる.そして,そのまだ現役の発電所の中に特設ステージが組まれていて,公演はそこで行われる.
かなりの客席数がある巨大なステージが組まれていて,お呼ばれされたおセレブな御人たちが,かなりコンサバなチョイスのショーを見ては,夜な夜なその後のパーティでご歓談なされるらしい.
舞台は仮設といっても,ドイツらしくしっかりと組まれていて,発電所の中の年季の入った広大な空間とも相まってすばらしい.
しかし,どうもこのお泊めいただいているリッツ・カールトンといい,その周りの風景といい,広大な敷地内に犬の糞どころか塵一つ落ちていない,上手にカモフラージュされた監獄みたいなところである.
写真は,部屋の窓から見える発電所(劇場でもある)とプール(昼・夜)、車のショー・パビリオン、送迎車のスピードメーター!320kmまで切ってある。