6月4日にシンガポールからベトナム中部の古都Hueに移動.
ドイツとシンガポールの公演は,特別なバージョンで,Eaさんが10年以上前に作った「乾燥と雨」のVol.1と2を,再編集して合わせて公演した.このVol.1のパフォーマーは全員おばあさん.作った当時で平均70歳代,現在80歳代.(お一人はお亡くなりになっていたそうだ.)この方たちが,元気でよく動き,そしてよく喋る.何とか会話したかったのだけれど,残念ながら何度か目で挨拶を交わすのみ.とにかく一言も言葉がわからない...
その歴史が体にしみ込んだような彼女たちとは,シンガポールでお別れ,HueではVol.2のみが正規の長さで公演される.
このHueのフェス.ビエンナーレということで,それでももう5回以上つまり10年ほどは続いているらしい.
とにかく規模が大きくて,確か世界遺産のはずの王宮跡のあちこちにステージが組まれているが,それが全部野外.ほぼすべて屋根無しで,舞台にも客席にもさんさんと日が降り注ぐ.
日中の気温がだいたい38度ほどで,直射日光に当たるとそれ以上.また逆に,雨が降らない保証ももちろんなく,事実数年前は大雨で日程がずれている.日が暮れるのがだいたい7時ごろで,4時ごろからは風が出てきて少しは体を動かす気になる.
最初スケジュールを聞いたときに,日中4時くらいまでは,あまり働けないと聞かされて,何だか怠けてるんじゃないかと思ったものだが,とてもとても...とにかく午後2時くらいになると,ホテルから出て近くの食堂に行くのも命がけ,だらだら汗をかいてふらふらになってたどり着くことになる.
つまり現場は設置から照明のフォーカスやサウンドチェックまですべてを夜中にして,しかもLED機材の雨対策まで行わなくてはいけない.それでいてその機材は,日中溶けてしまいそうな日差しにも曝されることになる.
むかし,夏になるとバイトで鴨川や平安神宮などに野外ステージを組む人足に借り出されたものだけれど,今回はもっと大変でした.それとも僕が単に年を取っただけかな.
写真は,完成していくステージの様子と横から見たところ.公演中も,観客が数人横から観ていた.