A fairy tale?

7月14日:
梅田芸術劇場で,維新派の「ナツノトビラ」を観る.
http://www.ishinha.com/index.php
屋内で観る維新派の公演は,京大西部講堂で観た,庭に大きな木がある話と,確か「流星」だったと思うが,梅田の学校の体育館跡での作品,そして数年前の新国立の公演,に続いて4度目.
さて今回は梅コマである.あまりにも普段の演目とのギャップがあって,それだけで痛快な感じがある.
ただ,どうもずっと違和感を感じていたのも事実.
単刀直入に書くと,野外でない維新派は,どうにも毒気を抜かれたように感じた.
変な例えだけど,僕にとって維新派は,「ゲゲゲの鬼太郎」みたいなイメージがあった.異形のファンタジーだが,その底には何かが深く影を落としている.「鬼太郎」でいえば,レイテ島で戦死した兵士の髑髏が,ジャングルの木々の成長と共に持ち上げられて,高い梢に野晒しになって笑ってる,みたいな,そんなような毒気が纏わりついているイメージ.
ところが,昨日観たのは「トトロ」だった...
トトロを否定するわけではない.全然ない.全くない.
事実,日本を代表するアニメだし,世界的にも受け入れられているクォリティー,昨日の舞台にしても,勇壮なセット,音の粒が際立つような音響,影と一体になった照明,独特の役者.紛れもない「維新派」の公演.
でも,いつのまにか毒気は抜けていた.(現代日本らしいヒトゴロシは表象されていたけれど,全編に漂うノスタルジーに掻き消されて,繰り返し消費されるイメージになっていた.)
もしかしたら,ずいぶん前からトトロを観ていたのかも知れない.それはそれで十分楽しめるし,また観てみたいだろう.
それに「野外」の気が,影を添えていたんじゃないのか...だとしたら,そこも松本さんのクリエーションの秘密というか手法であり,その一点で,やはり維新派は「野外」で観たいと,再確認した次第です.
ちなみに,終演後久々にUさんと,焼き鳥屋で一杯.阪急の急行終電に乗って,京都に戻る.
楽しゅうございました.

One Reply to “A fairy tale?”

  1. 小学校跡地でやったのは「青空」ね。
    「流星」はキンセイさんが観に来てた南港での野外です。
    わたしはリュブリャナの記録がまだまとまりません(涙)。
    維新派童話説賛同。宮崎駿や!と思ったこと私もあります。

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