今年も,京都造形大空間デザイン学科/椿組_三回生の,京都ブライトンホテルでのX’masデコレーションのお手伝い.
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/hotelevent/event/2006_12/illumination/index.html?F=XM
今年は,去年にも増してLEDとLiddellをフューチャー.そして,Jazz.
朝6時から夜中1時まで繰り返される,たった6曲のジャズの選曲まで含めて,評価は分かれるだろうが,こういう「パブリックな」と言っていいスペースで,20日間以上の長期展示を授業として行えるのは,単純に凄いと思う.
これは,大学のやる気と言うより,椿さんの熱意かな.
お時間に余裕のある方,ホテルでお茶がてら,どんなことになってるか見に行ってみて下さい.
An artist from Lebanon
今年7月の,ヒズボラによるイスラエル兵士二名拉致から始まる,イスラエルのレバノン侵攻の記憶も新しいかの地から,レバノンのアーティストが来日,東京で講演会の予定.
以下に案内を貼っておくので,チャンスのある方は是非!
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■東京国際芸術祭2007プレ企画
ラビア・ムルエ(レバノン)来日講演会
▼ 日時:2006年12月20日 (水) 19時〜21時
▼ 会場 :にしすがも創造舎特設劇場
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⇒ラビア・ムルエ(レバノン)来日講演会 詳細&お申込み
【 http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html】
演劇から映像、美術、音楽まで軽やかにジャンルを横断し、
世界のアート界に旋風を巻き起こすレバノンの鬼才、ラビア・ムルエ。
2007年3月に行われる東京国際芸術祭での新作・世界初演に先駆けて来日、
新作に向けた抱負を語ります。
内戦というトラウマがしみ込んだ国、宗教的な共同体によって定義される
社会において、芸術に残された可能性とは何か? 個人が果たすべき役割
とは何か? 2006年夏のイスラエル軍によるレバノン攻撃や相次ぐ暗殺事件
によって内戦の再発が危惧されている現在のレバノン。その現実に生きる
アーティストが今、レバノンで表現を続けることの意味を鋭く問いかけます。
■ラビア・ムルエ プロフィール■
1967年レバノン・ベイルート生まれ。現在もベイルートを拠点に活動、
世界の主要な芸術祭や劇場、美術館で精力的に作品を発表し、
世界的な話題を呼んでいる。日本でも東京国際芸術祭の招きで2004年
『ビオハラフィア』を上演、好評を博した。内戦を経てなお揺れ動く
レバノン社会の傷と矛盾を執拗に表象し、解体するパフォーマンスや
映像作品は、検閲すれすれの挑発と絶妙のユーモアに溢れ、
メディアや共同体が作り出す虚構と現実の境界を激しく揺さぶる。
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■開催概要
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▼日 時:2006年12月20日 (水) 19時〜21時
▼会 場:
にしすがも創造舎 特設劇場
〒170-0001 豊島区西巣鴨4-9-1 旧朝日中学校
地図はこちら http://tif.anj.or.jp/contact/index.html
▼入場料:1000円
▼申込方法:
お申込み方法:
1: HPから予約 http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html
2: 電話で予約 03-5961-5202
*定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにご予約下さい。
また、ご予約なしで当日いらっしゃるお客様にはお席をご案内できない
場合がございますので、必ず事前にご予約いただきますようお願い致します。
▼お問合せ:
東京国際芸術祭
tif@anj.or.jp
Tel 03-5961-5202 Fax 03-5961-5207
主催:NPO法人アートネットワーク・ジャパン
共催:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
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REAL VOICE OF LEBANON Conference by Rabih Mroue(from Beirut)
– Special Event for Tokyo International Arts Festival 2007 –
Date: Wednesday, December 20, 2006 19:00 – 21:00
Language: English (with Japanese translation)
Venue: Nishi-sugamo Arts Factory (4-9-1, Nishi-sugamo,Toshima-ku,Tokyo)
Fee: 1,000 yen (including tax) (Payment by cash at the venue.)
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Rabih Mroue is a Lebanese prodigy who works ubiquitously across
the borders of theater, visual art, fine art and music and triggers
a storm in the global art community. Prior to the new production
(world premiere) at Tokyo International Arts Festival in March 2007,
Rabih visits Japan to express his aspiration for the new production.
What potential remains in arts in a country deeply traumatized by
the civil war and in a society defined by a religious community?
What the role of individuals? In Lebanon, there is a growing concern
of reoccurrence of civil war after Israel’s attack in the summer of
2006 and a series of assassination. An artist working in Beirut
questions the meaning of continuing art expression in Lebanon.
(in English with Japanese translation)
Rabih Mroue:
Born in Beirut, Lebanon in 1967. Rabih works based in Beirut and actively
performs at major arts festivals, theaters and museums over the world,
attracting increasing attention globally. He performed “Biokhraphia” at
Tokyo International Arts Festival 2004 to win rave reviews.
A provocative multimedia performance almost to the limit of censorship,
and exquisite humor relentlessly represents and destructs the faults and
contradictions of Lebanese society that he belongs to and fiercely
criticizes its fictitiousness made up by media and communities.
Reservation:
from websie: http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html
or Call: 03-5961-5202
Venue : Nishi-sugamo Arts Factory
address 4-9-1, Nishi-sugamo,Toshima-ku,Tokyo
MAP http://tif.anj.or.jp/contact/index.html
For further information please contact us at:
Tokyo International Arts Festival
tif@anj.or.jp
Tel: 03-5961-5202
Fax: 03-5961-5207
Her birthday
A public office
役人は,どうもコソコソしている,間違いを認めない,狡いというイメージがありますなぁ.
マイミクのこ〜にょさんが,mixy内の日記で役所とのもめ事を書いているのに触発されて,僕もちょっと最近の出来事を...もっとも,マイミクさんほどシリアスな話ではないですが.
先日,左京区役所へ行きました.11月末で僕の保険証の期限が切れたのに,新しいのが届いていなかったからです.もう12月を1週間は過ぎた頃です.
で,窓口で尋ねると,まるでパートで働いているような気楽さのおばさん(でも当然公務員)が,ああそうですかという感じで奥へ行き,僕の新しい保険証を持って来ました.何でも,11月15日に書き留めで配達に行ったが,留守だったので持って帰り,そのまま郵便局での預かり期限が切れたので,区役所に戻っていたとの事.
役所に戻ってきてその辺に保管され,前の保険証の期限が切れれば,その持ち主が困るのは当たり前,「保険証が届けられずに戻ってきてますよ.」というようなお知らせは送らないのですか?と聞くと,窓口のおばさんは「上司に聞いてきます.」と席を外す.で,「配達に伺った15日に,その旨を書いた文書を投函しているはずです.」という.
それはそうかもしれませんが,その頃僕は仕事で海外に出ていて,帰った時にはそのお知らせは,山のような郵便物に埋もれてしまって,目に留まらなかったのかもしれません.もしかしたら,何かの間違いでお知らせ自体がポストに入っていなかったという事もありますよね,と言うと,窓口の人は「配達時に,お知らせをポストに入れているはずです.」と繰り返す.
いやそうじゃなくて,新しい保険証が配達されずに戻ってきて,古いものの期限が切れたら,その持ち主は困るでしょう.その時に,新しいのが役所に戻ってきてますよ,というお知らせは送らないのですか?と尋ねると,「配達時に,お知らせをポストに入れているはずです.」と繰り返す.
何度か,いやそうじゃなくて,知らぬ間に保険証の期限が切れて,新しいのが届かなくて,その理由がわからなくて,なかなか役所に来る時間がとれない人は困るでしょう.と説明を繰り返すが,おばさんは,「配達時のお知らせがその書類です」と「上司に聞いてきます」を繰り返す.
2〜3回繰り返して,僕の根負け.時間の無駄だと思って,捨て台詞を残して退散した.
ここまでは,たぶんよくある話.
吃驚したのは,その2日後に,ペラペラのわら半紙に刷ったお知らせが入った封筒が,役所から届いた.
内容は,「あなたの保険証が,受け取り人不在で役所に戻ってきています.」というもの.
これは,一般的なものなんだろうか?
たまたま,このタイミングで送られてきた?
あの窓口のおばさんが,「そんなもの,ありません.」と言っていたに等しいお知らせだが,実際は存在したんだろうか?
すごくややこしい人に思われて,これ以上面倒にならないように,急きょ作られた?
役所にどう思われようと,知ったこっちゃないが,もし向こうがこっちを気にしているとなると,ちょっと気になる.
役所って,当たり前の話だけど,こっちの個人情報をかなり握ってるわけで,そこで働くスタッフが全員,滅私奉公で公に奉仕する善人なんていう事は,今どき誰も信じちゃいないだろう.
でも,実際に役所がこっちに向かって目を向けたかもと感じるのは,ちょっと気持ちの悪いものである.
Water of the house project
12月15日(金):
京都芸術センターで,モノクロームサーカスの「水の家」 projectを観る.
もちろん,一緒にRefined Colorsをやっているからという贔屓目はあると思うが,かなり良かった.
モノクロームサーカス(以下MCと表記)の作品は,実はそんなにたくさん観ていない,記憶に残っている限りでは,「収穫祭」を黒谷でやっているのに遊びに行った事があって,次は芸術センターでの「大収穫祭」,そしてRefined Colorsの最初の打ち合わせに行った,カフェ・アンデパンダンでの公演くらいだと思う.
それから思うと今回の作品群は,良い意味で,ずいぶんと様変わりしたダンス作品になっている.
もともと,なぜRefined Colorsを,MCのディレクターである坂本君と作ろうと思ったかというと,「大収穫祭」を観た時に,彼の作品に対する柔軟性とでもいうべきものに,魅かれたからである.
僕の勝手な印象で書くと,ダンスの人は,「してはいけない/できない」とでも言うべき事を結構抱え込んでいて,その「いけない」を,わざわざ自分で設定しておきながら,再度自分で壊そうとしているような所がある.でもそれは,自分で勝手に,「してはいけない」と思い込んだモノなのだ.
モノクロームサーカス/坂本氏には,そういう自己規制が,あまり無いように見えた.なので,ずいぶんテクニカル寄りな,僕の発想から始まる作品の構想にも,答えてくれるんじゃないかと思ったわけです.
今日観た,「水の家」 projectのどこが良かったかというと,時間に関しても,その自己規制を取り払った自由さがあって,「好きなように作って,出来た時間が作品の時間」という,まあ当たり前といえばそうなのだが,その確信の上に実在する事になった,「凛々しさ」を感じる作品群だった.
必要な時間だけ切り取って編集されたようなダンスは,ある種のストイシズムに溢れていて,それがこのプロジェクトの魅力に繋がっている.
もし,明日時間のある人は,ぜひ行って観てみて下さい.
■日時
12月
15日(金) 19:30 (A)
16日(土) 14:00 (B) 18:00 (A)
17日(日) 14:00 (B)
■会場 京都芸術センター・フリースペース
■出演者
「水の家」
演出・振付:坂本公成, 振付・ダンス:森裕子+森川弘和
「怪物」
演出・振付:坂本公成, 振付・ダンス:佐伯有香, 音響:真鍋大度
「最後の微笑」
演出・振付:坂本公成+ディディエ・テロン, 音響:真鍋大度
振付・ダンス:
森裕子+佐伯有香+荻野ちよ+森川弘和(A)
森裕子+佐伯有香+荻野ちよ+合田有紀(B)
Fever again
娘が熱を出したので,忘年会は軒並みキャンセル.
折しも,王子動物園に大熊猫を見に行こうと約束していた,その前日の事.
娘は保育園では,チューリップ組のパンダさんである.
なんじゃそりゃ?と初めて聞いた時には思ったものだが,子供と一緒に暮らしてみて初めて納得,乳児・幼児は字が読めない.「そんなこと当たり前じゃん」と思う向きもあろうが,理屈ではわかっていても,これは案外大変なんである.保育園には,当然うじゃうじゃと同じ年頃の子供達がいて,彼/彼女等はおんなじような服や寝巻きやタオルやその他持ち物を持っている.保母・保父さんは名前が読めるが,子供達には類似品の中から自分の物を見つけ出す「タグ」が必要なんである.
その為の動物マークは,親が任意で早い者勝ちで選ぶわけだが,娘の場合はそれがパンダ.
そんなどうでもいいようなアイコンだが,人の幼児期の刷り込みの強さは何だか凄くて,娘はパンダに目がない.とにかく,無条件のパンダ・ファン.熊も好きだがパンダは特別.象も好きだがパンダは特別.キリンも好きだが...
そんなにパンダが好きになって,将来の生活に支障はないのかと,少し心配になる...(嘘)
子供が産まれると,自分の過去を追体験できる.
まったくもって記憶の底に埋もれていたような事柄が,時系列に関わりなくポッカリと浮かび上がってくる.
全裸のような剥き出しの悔しさや,底抜けの喜びが,その時の強力な印象と共に浮かび上がる.
どうして忘れていたのだろう,と思うような強い感情が,後々の日々の雑事に埋もれているのだ.
彼女の毎日は,何故?の連続である.
写真は,熱でぼぅとしている彼女.
ちなみに,娘は大の写真嫌いである.知人に,このブログに載せている写真の彼女は,いつも難しい顔をしているといわれたが,別に娘が笑わないわけではない,カメラを向けられるのが,恥ずかしいんだか,嬉しくないんだか,何だかそういう感情があるのだ.
The brain
年の瀬で,ようやく溜まっていた雑事も一段落,日本の社会的にも休暇ムードが高まって,メールの数も激減.この機会に,机まわりの大掃除に着手し,あわせて平積みになっていた未読の本を読み始める.
そして,Michael S. Gazzaniga著「脳のなかの倫理—脳倫理学序説」と,中田力著「脳の中の水分子」を,ようやく読み終えた.
カタカナ表記ではガザニガさんと書かれているGazzanigaは,2001年にアメリカ合衆国の大統領生命倫理評議会のメンバーに選ばれた,古参の脳機能研究の専門家.ブッシュの評議会のメンバーかいと思いきや,とても現実的に「科学」の立場から倫理学にアプローチした,好感の持てる内容.
特に,人間の「信念」が如何にさしたる根拠もなく形成されるかと,直感的な道徳的判断(例えば,他人をむやみに殺してはいけないとか)は人類にほぼ共通するものだが、その解釈や理由付けが文化や個人によって異なるのだというくだりは,当たり前の事なんだけど,こういうポジションの人の発言としては秀逸.
まあ,その意見が自分の思うように現実に反映されてれば,本なんか書かないんだろうが,読むほうとしては分かりやすく現在の状況が,医学的専門家の視点で整理されている好著.
一方の中田力さんは,日本の文部省学術審議会により,中核的研究拠点のプロジェクトリーダー(何のこっちゃか,分からなさ過ぎ)に選ばれた,新潟大学統合脳機能研究センターの設立者.また,MRIやその進化系のfMRIという,今では当たり前になった,生体の状況をその本体を傷める事なしに観察できるようにした装置の開発者として,その筋では有名な専門家.
この人の心のお師匠さんというべき人が,ライナス・ポーリング博士という,ノーベル賞を2つも(化学賞と平和賞)もらった凄い人で,そのついに直接会う事の無かったポーリング博士の仮説との出会いが,中田さんの思考のエンジンとなって,如何に「脳と心/(意識)」の研究に発展していったかという話し.
これがまあ,探偵小説でも読むかのように,スリリングで面白い.
ある種の天才,とまでは言わないまでも達人には,人間的な余裕があって,自分のまわりの状況を苦境も含めて全て楽しんでいるように見受けられる事がある.まあこれは,回想として語られるからそうなのかもしれないが,そのあらゆる状況を楽しみつつ次へと向かうポジティブな思考の発展が,少々小難しい理論のパートも読み進めさせてくれる.
これがこの中田さんの最新刊なのだが,読み終えたらもうすぐに既刊の全二冊,「脳の方程式いち・たす・いち」と「脳の方程式 ぷらす・あるふぁ」が読みたくなってしまった.