Fever

よく,子供はすぐに熱を出すから...という話を聞くが,本当にその通り.ウチの娘も,保育園に行っているせいか,色んなモノをもらってきては,ぴょいと高熱を出す.一昨日くらいから,少しハイテンションだなぁ,と思っていたら,昨日から今日にかけて,40度近い熱を出している.身体がまだ素直というか,すぐに外側からの影響を受けるわけだ.
素直ということでは,寝ぼけるところも面白い.普通に覚醒している時にも,何の遠慮もなく我が儘をいっているような気がするが,あれはあれでちゃんと抑制しているのだということが,寝ぼけている時の行動からよく分かる.まさに「切れ」てる様子,ちゃんと目が覚めている時には,まあ見ることの無いような我が見える.
それで発熱に関しては,早朝に,かあちゃんが病院に連れて行って,とりあえずインフルエンザでないことは確認できた.どうも,熱が下がるまで,気長に養生するしか,他に治療方法はなさそう.それくらい,発熱は子供にとって,普通の出来事らしい.
というわけで,昨日はダムの新オフィスお披露目パーティだったのだが,数時間顔を出して,そそくさと失礼する.懐かしい顔が,時間が遅くなるにしたがって増えていったのだが,残念でした.でも,この前のRCツアーのついでに,スペインのサンルーカスで買い付けてきたマンサニージャもしっかり味見したし,早い時間から来ていた人とは話もできたし,楽しいひとときでした.
4月は,フランス2カ所と,オーストリア/リンツでのダム・Voyageツアー.その図面をさっさと書き上げるのが,当面の課題.

Christian Ziegler

Christian Zieglerのレクチャー(13日)とパフォーマンス(14日)を,京都造形大で観る.
Christian Zieglerは,ForsytheのCD-ROM “Improvisation Technologies”のプログラマー/デザイナー.
レクチャーは,なかなか面白かった.この人は,「狂言」という,日本の狂言に関するアーカイヴROMやインド舞踊のアーカイヴなども制作していて,その仕事は緻密で美しい.
しかし,パフォーマンスに関しては,何処かのメッセ会場で行われている,展示会のショーイングを見せられた感じ.
音も,映像も,ダンサーの方だって悪くないけれど,技術の成果発表会だけで1時間押し通そうとしたように,僕には見えた.その先が大事だと,自分のことも含めて思うわけですわな.

Cool! Clooney

最初に「ER」の小児科医役で見た時には,何だかにやけた兄ちゃんだなぁと思ってたんだけど,いかすぞジョージ・クルーニ!
つい最近も,某友人が最新作「シリアナ」というタイトルに,やけに注目して笑わせてくれていたが,いやいやなかなか格好いいです.
詳しくは,下記参照.(このブログ,好きでよくチェックしてます.)
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/03/post_e018.html#more

Sulayman Al-Bassam Thaetre

3月19日:
Sulayman Al-Bassam Thaetreの「Kalila Wa Dimna or The Mirror for Princes」をスタジオ21で観る.
ちょうどRCスペインツアーの時に,イスラム教入門みたいな本を読んでいて,ムハンマド(マホメット)の事やアッパース革命の時代背景,それにクルアーン(コーラン)が何より詩/言葉の芸術として傑出したものである,というような予備知識があったので,ようやっとついて行けた感じ.
「言葉」が強い力を持っていた/いる,状況での話しなわけです.
久々に観た演劇で,しかも台詞は英語で日本語字幕.結構言葉が多くて,それが字幕では簡略化されている上に,速いテンポで変わっていく.それをまあ,半分以下ながら聴き取りつつ,できるだけ字幕もフォローし,舞台上も観つつ,という忙しい状況.それでも楽しめたし,何となくわかったような...
どんな優れた「何か」でも,それが権力を生み出して継承していくうちに,腐ってくるものだということかな.そしてそれは,いつも意外なところから打ち壊されていく.
それにしても,ムハンマドもキリストも,もっと言えばモーセもアブラハムも同根.世界地図の上では,小指の先ほどのところでの時間差での内輪もめ.それがこんなに世界を巻き込んで,僕らまで付き合わされるなんて,本当にバカみたいだ.つくづく無宗教で良かったと,こればかりは日本で生まれたことを,とてもありがたく思う.(でも本当は,思うばかりではなくて,その利点を生かして何かをやらなければいけないわけだ.)

sensibilia

4月2日(土)
あらま,明日で終わりやん,と気がついたのが,滋賀近代美術館で開催中の展覧会「sensibilia」.長い期間やってると思ってたのになぁ.Refined Colorsで一緒にやっている南君が参加しているsoftpadが,「演出」していると言っていいだろう展覧会.
とりあえず,仕事を置いて,バスに乗り電車に乗りまたバスに乗り美術館へ.しかし,土曜の午後の京都は,どこもかしこも人人人...それを掻き分け,滋賀へ向かう.
展覧会は,美術館側がよくsoftpadをフォローしている感じで,面白かったしその思いっきりのよさに驚きもした.
たまたま展示室に入ったタイミングだろうが,とにかく最初は部屋が真っ暗.何だか変な床だなぁ,と思いながら歩いていると,カール・アンドレの作品の上に立っていた.こりゃいかんと思いながら手探りで進むと,椅子のような物にぶつかったので腰掛けようとしたら,ソル・ルイットの作品だった.えらく大きな空調の穴が壁にあると思ったら,リチャード・セラだし,巨大な4面マルチ映像の部屋に入った時も,ちょうど暗くて,両手を前に突き出しながら恐る恐る進む始末.そのうちドナルド・ジャッドの作品の映像がずるずると伸び始めたのを感心してみていたら,真後ろに椅子があって人が座っているのに気がついた.
時間的なリミットがあって,マルチ画面の映像を一通り見られなかったのは心残りだが,softpadらしい果敢な試みで,危うく死蔵されてしまいそうな美術作品に,新たな可能性を示したと言えるだろう.滋賀県民の税金で買ってるんだよな,あれ.どれだけの県民が,自分たちがああいう作品を「持ってる」事を知っているんだろう.今回のような試みがどんどん増えればいいと思う.
でも,遠いわ滋賀近美.
人里離れた山の中に「文化」施設作ったら,人が来るようになるなんて,いったい誰が言い出して何処のお間抜けさんが信じたんだろう?
別に,信じたわけじゃなくて,綺麗な建前か...
「文化」は,人が暮らす混沌の中にしか,成立し得ないやん.

lucky !

昨日の昼の便でパリへ.
ダムのツアー,CHALONS EN CHAMPAGNE/France,NIMES/FranceとLINZ/Austriaの3カ所で公演の予定.その後,別の仕事でパリに数日滞在してから帰国.たまたまこの頃にヨーロッパにいるということで,仕事が入ったが,こういうのはとても面白い.普段と違う場所で,新しい人達と一緒に働くのも,新鮮でいいかなと思う.
それで,とにかく昨日関空に向かったが,チェックイン・カウンターで,受付のオネーサンの様子が少しおかしい.「お一人ですか?」とか質問されたり,隣の少しえらそうなオネーサンと,何やら記号で話したり.
これは,,,もしや「あれ」かも!!!と思っていたら,ビンゴ!
「今日はエコノミーが満席なので,ビジネスに移っていただきます.」とのこと.やったぁー,やったーぁ,人生で3回目くらいのラッキーである.
しかも確か全部AF(エールフランス).嬉しいなっ,と.
そのかわり,逆にAFには,フライトキャンセルを食らったこともある.ある朝,空港まで行ったら,この便は飛びませんと言われ,他の人達が大阪のホテルに返送されるのを尻目に,さんざん粘って,東京経由で,ロンドンか何処かまで飛び,それからまた乗り換えて,Toulouseに行った辛い思い出...あとは,フライトが遅れて,乗り継ぎに間に合わず,ニース郊外の周りに何にもないホテルで一泊,ということもあった.
まあ,良いことも悪いこともあると...全体的に,つまりはいい加減なわけだが,それが裏目ばかりに出るわけではない(少なくとも僕にとっては)ということ.
ビジネスは,とにかく座席を倒したら,足を思いっきり伸ばしてほぼ寝ながら飛べる.食事も,ワインも豪華.エコノミーの苦行ではなくて,ゴロゴロしながら本を読んだり映画を観る時間を,12時間ほど与えられたようなもの.
楽チンでした.
しかし,後が怖い...忘れた頃に,いきなり今度は飛ばなかったりするわけだ.願わくば,それが,あまり切迫したスケジュールの時で,ありませんように.

Kim Maeja and Keito Oono

4月7日
パリ日本文化会館で,韓国の舞踊家「金梅子(キム・メジャ)」さんと、日本の舞踏家の大野慶人さんの公演を観る.金さんの,派手なところはほとんど無いのに,ひしひしと伝わってくる動きが素晴らしい.積み重ねられた訓練なのか,時間なのか,一挙手一投足の後ろに,何か確かなモノがある.
大野さんは,その金さんをたてて,ひたすら脇というか後ろにいるように務められていた感じ.そのわりに,白塗りなので,真っ黒な飾りっ気のない舞台の中で,嫌でも形が目立つ.どうしても,何処でも,何が何でも白塗りで踊らなければいけない,ということはないと思うんだけれどなぁ.
あと,劇場の設備のことだが,もう少し良いスピーカーを揃えるべきだと思う,韓国の伝統音楽は,打楽器系のインパクトが大事だと思うが,それがどうにも頼りない音だった.それとヨーロッパは何処でもそうだけど,非常灯の明かり,何とかならないかなあ.暗転で,板付く姿が,丸見え.
4月8日
これからCDGに戻って,夕方に着くダムと合流.Chalons en champagneへ向かう.
Voyageの公演スケジュールは,以下の通り.

11 April 2006
@ La Comete
5, rue des Fripiers, 51000 Chalons en champagne, France

15 April 2006
@ Theatre de Nimes
Place de la Calade, 30000 NIMES, France

20 April 2006
@ Posthof – Big Hall
Posthofstr. 43, 4020 Linz, Austria

@Linz

フランス2カ所での公演が終わって,昨晩Linzに移動.
Posthoffという劇場のレジデンス施設に泊まっているのだが,まあ学生寮みたいなところ.しかし,さすがARS ELECTRONICAの地だけあって,ネットには快適に接続できる.でもできれば,昨日まで滞在していた,Nimes/Franceにもう数日留まっていたかった.
南仏のNimesはもう暖かくて,古い街並みと美味しい料理・ワインが揃っていて,ホテルも味わいのある豪勢な部屋で,思わず仕事を忘れたくなってしまった.まるでスペインのような気楽さも兼ね備えた街で,それだけ魅力がある証拠に,観光客もすごかった.
フランスの底力というか,有名な観光地ではあるんだろうけれど,決して大都会ではない街の劇場が,日本からカンパニーを喚んで,しかもテクニカルもきちんと対応できる人材を揃えて,そして公演をしてお客さんが600人程度は来るという状況に,改めて感心した.素晴らしい街ではあるけれど,決して大きくはない,旧市街は30分もあればひと周りできるようなところでこういう事ができるとは...日本では難しいだろうなぁ.
最初の公演地Chalonsにしても,街の規模は同じくらい.スタッフや設備も申し分なかったし,客席も満員だった.
そしてLinz.今日はイースターのお休みなので,どこもかしこも閉まっているらしい.その街に出るのも,ちょっと面倒な場所で,ネットだけは自由に通じるというのも,何やら皮肉な感じ.
写真は,ChalonsとNimesの劇場とスタッフ,そしてホテルの部屋.