一昨日と昨日の2回,京都は吉田神社の節分祭に行く.
大晦日から新年にかけて,ウチの近所の平安神宮の参道は,数々の出店で賑わうが,吉田山の節分祭はそれ以上である.しかも参道から坂を上がって,火炉祭のあるエリアを過ぎ,上の日本各地の神社の総元締めみたいな神社に至るまでの山道は,非常に風情もあるし,夜が更けても人が繰り出していて,面白い事この上ない.
炭焼きの鰯にかぶりつきつつ日本酒でも飲めたら最高なのだが,娘を抱えつつのお参りの上,あまりの人出に,酔っぱらうのは断念.ついでに言えば,火炉に火が点く23時までウロウロするのも,同行の妻はともかく3歳の娘と70歳のお婆には無理そうだったので,おとなしく22時前に家に帰る.しかし,去年は京都にいなくてお参りすらできなかったので,それから思うと満喫しました.それに,年々少しずつ娘の成長にあわせてお参りの時間が火炉の点火の時間に近づいていくだろうから,それも楽しみである.(実際今年は土曜が火炉祭だったので,ちょっと危険を感じるほどの人出でした.)
で,翌4日の今日は,一路シンガポールへ.
タイトルの14-26は,京都とここの最高気温.しかし,覚悟していたほどには暑くない.むしろ初夏の気持ち良さが先に立つ.
今回は,3月末の公演の為のワークショップ.
この「ワークショップ」という言葉は,英語の便利な言葉で,いろいろ使われすぎていて意味がとりづらいが,今回は製作メンバーの顔合わせとミーティング.一週間強の滞在でいったん日本に帰り,次は3月に本製作と公演に来る.
宿泊は,この公演のオーガナイザーであるTheatreWorks所有のアパートメント.公演は,彼らのスタジオである「72-13」.
日本には,公共の劇場はいっぱい建って,良いカンパニーだっていっぱいあるかもしれないけれど,そのどれひとつとして,こういう制作環境は持ててないよなぁ.平等に,薄ーく,広ーく,サポートします,という日本の現状との差を感じるなぁ.
写真は,今居るアパート.
This life
もう10年以上も前になるが,初めてこの街/国を訪れた時は,なんて小奇麗で面白味のない所なんだろう,と思っていた.まだリー・クワンユーががんばっていて,やれ長髪だとパスポート・コントロールで追い返されただの,道に唾を吐いたら罰金とられるだの,いろいろ聞いていたうえに,他アジア諸国と比べて少々物価も高かった.
でもそれは,どちらかというと,僕の経験と知識が,足りなかったせいかもしれない.もしくは,ここ10年で,ものすごーく,シンガポールが変わったか.いずれにせよ,どんな街にも悪場所はあるものだ.完璧に管理された綺麗な街なんてあるはずがない.(あれだけいろいろ厳しくやっていたクワンユーの息子が現国家元首で,事情はよく知らないが世襲制にも見える胡散臭さがあるのも,また面白い.)
その点,いまのシンガポールは,なかなか良いバランスをとっているような感じ.相変わらず買い物天国がウリに見えるが,ちゃんと文化も,中身が積み重なっているようにみえる.えらそうな言い方になってしまったけど,人々がそれほど仕事や何か競争に追われ続けてへとへとになっているわけでなく,自分たちで楽しみながら生きてる感じ.生活が辛くなさそうに見える.
そう見えるのは,街が変わったのか,僕が変わったのか.
日本の方が,自分の人生を放り出しちゃいたい人が多そうで,欲望がねじくれて影に潜り始末に悪い.
シンガポール滞在,なかなか楽しいです.単にここの景気がかなり良いからかもしれないけど...
写真は,アラブストリートと,そこで水パイプをたしなむ怪しいひと.ものすごい色彩の食堂.近代的なアーケード.一心に願うおっちゃん.
Massage
明日は今回のワークショップのプレゼンがあるので10時入りだが,今日までの日々のスケジュールは,午後2時入り夜10時終わり.
なかなか余裕のある心得たスケジュールで,昨日までは午前中にちょっと観光兼買い物に出かけたり,洗濯したり,やる事がいろいろあったのだが,今日は満を持してというか遂に来たかというか,アジアなら当然というべきか,マッサージ屋へ.
ネットの検索に引っかかった所が,偶然にも現場のすぐ近くで,一も二もなく直行.
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http://amet.livedoor.biz/archives/cat_10005364.html
マッサージ『L.C Fu Li Hua Foot Reflexology Centre』 6339-0787
リャンコートの明治屋と同じフロアー(B1)にあるマッサージ屋だ。
店内は狭いので、週末などは予約していくほうがいい。
スペシャルパッケージ 足裏40分&肩首背中30分 43シンガポールドル(約3千円)
マッサージは強烈だ。膝下まで、入念に指圧してくれる。強めが好きな人にお薦めだ。
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43シンガポールドルは,今日のレートだと3500円くらいだが,もう十分納得の70分.
揉み返しが怖い事は怖いが,もともと,おっちゃんが全体重/全存在をかけてぐいぐいもみ込んでくれるような按摩が好きです私.というワタシにはぴったしの,力技のしかしツボは押さえたマッサージでした.(ただ,足裏の強烈さでは,数年前にバンコクで通った足裏治療院の勝ち.)
たぶん,帰るまでにもう一度行くかな...
Local journey?
シンガポールでの,コラボレーションのためのワークショップは終了.
3月末に実際に公演する現場での制作だったから,照明や舞台デザイン的には非常にありがたかった.
内容は,まだまだこれから詰めて行かなくてはいけないが,参加者がどういう事がやりたいのか,どういう事ができるのか,各自のスキルも含めて見当がついたし,有効な時間だった.
土曜日に,10名程度の関係者や機材スポンサーを招いて15分ほどのショーイングを行い,日曜は事務的な事も含めての打ち合わせと撤収.
その土曜のショーイングが終わってからみんなでご飯を食べ,それから面白い所へ行った.
イベントの名前はロジャーというのだけれど,悲しいかなスペルがわからない...
何でも毎回場所を変えつつ,古き良き近代(モダン)建築を会場にして,そこにアーティストやデザイナーが集まって,各自の仕事をプレゼンテーションする催し.
今回は,チャイナタウンの近くの高台に立つ丸ビル最上階.この丸ビル,4枚目の写真の場所から見ると円柱形だが実はC字型で,たぶん南にだと思うが口が開いていて,中はずんっと空洞.最初の写真みたいに,内側の窓から眺めると向かいの部屋の玄関が見える.
37階の会場は,オーナーが建築家さんだそうで,中に事務所や広大な応接室,ベットルームや書斎や何だかんだと,いや広い広い.玄関は37階だが,中に入ると上にもう一階,下にももう一階フロアーがある.
全てのユニットがこういうように入れ子構造になっているのかどうかは不明だが,まるで一軒家にいるよう.しかも窓からは,絶景の夜景!そこここにおかれた大きな鉢植えの効果もあって,まるでBaliかどこかのリゾートに迷い込んだような感覚.そういえば,応接室から繋がるバルコニーは,窓というか仕切りがなかったような...とにかく,解放感のあるおしゃれなお住まい.
こんな所が仕事場兼生活の場というのは,心底羨ましい.良いもの見せて頂きました.
折しも,旧正月(Chinese Newyear)まで後一週間あまり.チャイナタウン周辺は,既に毎日毎夜繰り出す人で溢れてきている.これから17日18日の週末にかけて,まだどんどん人が増えてくるのだそうだ.
そんな喧騒を静かに見下ろすように,あの37階の主は暮らしているのだろうか.
Spring Festival
前にも書いたが,今年の旧正月/春節は2月18日.17日(土)が大晦日みたいなもんかな.
香港の旧正月を過ごした事があるけど,シンガポールはまた違った賑わい方.香港は,当然街中が春節一色になるが,シンガポールではチャイナタウンが賑わう.まあ,当たり前だが...でも,行ってみてわかるのだが,空間的に限定されている分,その中の賑わいは密度が高い.まだ一週間先なのに,街は春節一色.年越しのお菓子やらご馳走やら,派手な飾りやら果物やらを買うために,平日の昼間から人が繰り出している.
会社によっては,今週から2週間の休みに入る所もあるらしい.先日会った人の中には,一週間ほど北海道にスキーに行く!?という人もいた.シンガポールからわざわざ???という気もするが,雪には大きな憧れがあるみたい.僕はシンガポールでごろごろしている方が,よっぽど良いように思うが,でも,アジアからのリゾート先が日本の北海道というのは,なかなか北海道がんばってるなというか,「東京」や「寿司・芸者」や「デジタル・ハイテク」以外にもアピールしている部分があるというのは,素直に嬉しい.
そんな,新年に備えて賑わうシンガポールから,残念ながら帰国.次回は,本格的な滞在制作公演になるが,それは来月の事.
Oh..
13日にシンガポールから帰って,15日にバンコク在住のシンガポーリアンTan Fu Kuen氏と京都で再会.彼は東京で開かれていたアジアダンス会議のために来日.連日の過密スケジュールでへとへとだといっていたが,相変わらず面白い話を聞かせてくれた.特に,韓国版国際交流基金(コリアン・ファウンデーションというのかな?)の台頭や,その次は確実に中国という,当たり前ではあるが現場を知っている言葉は重い.
で,16日はアジア続きで,大阪のDANCE BOX & Art Theater dBへ OSAKA-Asia Contemporary Dance Festival2007を観に行く.4日前にシンガポールで別れた,ダンサーのRizman氏がソロで参戦中.彼は,3月にシンガポール/TheratreWorksの72-13で本制作と公演をするDrift Netのメインダンサー.http://www.72-13.com/
他にも面白いところとしては,日本からは山下残,そしてインドネシアからJecko Siompoが参加.
残君は,振付家というよりメタ振付家.他が例えば,恰好良い振り付けとか面白い動きとかを考えている間に,「そも振り付けとはなんじゃろか?」というような事をずっと考えてる感じ.(いや,別に本人に聞いた事はないけれど...)
そしてJecko Siompoは,初めて観たのだがいまだ全容が見えない感じ.今回は1人で来日公演したが,どうも何人かで作品を作っているよう.映像も使っているが,今回の作品のためというより,独立した映像作品をちょっとはめ込んだよう.すごく面白そうなのだけど,今回のプレゼンでは(あえてプレゼンといおう)その片鱗しか窺えなかった.フルバージョンの作品が来ればいいのに.
それと逆に,オーストラリアからわざわざ中道具や小道具まで持ち込んできた舞踏の二人組は,身体の形が面白いだけ.残念ながら衣装やなんやかやをアレンジしただけで,やってる事は昔の舞踏.日本に持ってくる意味は?
17日は,娘の保育園の生活発表会.18日は,何故だか同じ保育園に,沖縄は西表から「まーちゃんバンド」という沖縄民謡バンドが来てコンサート.娘がたぶん覚えているであろう,初めてのコンサートか?
19日は造形大Studio21で,山海塾・舞踏手の岩下徹とトチアキタイヨウによる即興ダンス公演 with Pan sonicのMika Vainioと渋谷慶一郎.
音も踊りも即興で,しかもノイズやサイン波といった物語性やドラマのない音だから,動きはそのバリエーションと繋ぎのうまさに比重がかかる.つまり踊りは,これまでの研鑽と引き出しの多さでみせるようなものになっていて,その点では圧倒的に岩下さんが面白かった.
ただ,例えば武術の型なら,その後ろに戦うための理論がそびえていて,各フォームからそれが垣間見えるようでみていて飽きないのだが,舞踏の型のバックグラウンドは,僕には全然わからない.なので,面白い動きや意味深な形は散見されるし,それを音に乗せていく作業も興味深いが,1時間も続くとただただ踊り続けている事自体に関心が行って,中身からは興味が削がれてしまった.
20日は,続いてStudio21でPan sonic,Goem,渋谷慶一郎とevalaの音楽と映像をリンクさせたコンサート.
これは,Pan sonicの圧倒的な一人勝ち.音の組み立ても何もかも,シンプルでしかも強力.特に音とシンクロした映像は,他の人たちが手を変え品を替え「もたしている」のに対して,ひとつのソースの変化のバリエーションだけで,十分に面白いものを作り出している.彼らはこの映像のインターフェイスでも,十分遊んでいろいろ試している感じ.すごいなぁ.
ちなみに,渋谷さんは,せめて使っている映像のリソースがわかるような部分は,きちんと見せるか消し切った方が良いと思う.Channel4やたぶんスペインの放送局のニュース番組から録画した映像を加工して使っているみたいだけど,何だか扱いが中途半端.
22日は,家族3人で神戸の王子動物園にパンダに会いに行く.娘との長年の約束.しかもこの日を逃すと,次は5月頃まで3人の予定が合わないかもしれない.暖かな良い天気だった事とも相まって,広くて気持ちのいい動物園でした.京都の動物園は,狭くて動物がかわいそう.同じ閉じこめられるのなら,王子動物園の方がずいぶんとマシだろう.パンダもコアラもカバも犀も白熊もヤマアラシも猿も大型猫類も満喫.
25日は,アイホールにdotsの新作を観に行く予定.
ああ,確定申告が...
ああ,東京芸術見本市が...
ああ,Refined Colors WorkShop@森下スタジオが...
http://dance-media.com/tech-workshop/index.htm
ああ,Drift Net@TheatreWorks/シンガポールが...
http://www.72-13.com/
あわわわわ