lost

Philadelphiaでの反省をいまだ書かないうちに,次の事が起こってしまう...
詰め込み過ぎだと,無理を言って付き合ってもらっている友人にいわれながらも,次から次に転がっていく.
でもね,こんなことはそうそう続くものではないので,続く限りは行けるとこまで...と,覚悟を決めたここ最近です.
次はきっと,Philadelphiaでの失敗談を書きませう.
その前に,お時間のある方は,6日(土)の19時から,ここに繋いでみて下さい.
http://www2.chinoshi.net/shiminkan/index.html
Monochrome Circusとの最新作「lost」というダンスパフォーマンスの,世界初演生中継が配信されます.
どんなふうにみえるのかは,ちょっと分かりませんが,30分ほどの作品なので,どうぞおつきあい下さい.
Lost_invitation_chino_3

プレゼンテーション“lost”
会  場=茅野市民館内 茅野市美術館
日  時=:2007年10月6 日(土) 開演19:00
演出/照明デザイン=藤本隆行(dumb type)
演出/振付=坂本公成(Monochrome Circus)
振付/ダンス=森 裕子(Monochrome Circus)

Refined Colors@Tokyo

Rc_tokyo
公演のお知らせです.
今週末の20日(土)・21日(日)と,東京のスパイラルホールでRefined Colorsというダンス公演を行います.
http://www.refinedcolors.com/rc.html
これは,ご存知のように出演者はMonochrome Circusという京都のダンスカンパニーのメンバーで,テクニカルは今夏にYCAMで作った新作trueのテクニカルチームの中核と同じ,
ディレクション・照明:藤本隆行(Dumb Type) 
音響・ビジュアルデザイン:南琢也(softpad)
音響・プログラミング:真鍋大度
という面子です.
つまり,このRefined Colorsは,trueの基盤といえるような作品です.
製作から3年以上のアップデートを繰り返し,世界15ヶ所以上での公演を続けてきたその結果を,できることなら見とどけて下さい.東京で公演するのは,これがたぶん最後の機会になると思います.
そして新作trueも,この12月に行う金沢と横浜公演に向けて,いよいよ動きだしました.
請うご期待.
僕は,かなり疲れていたようですが,やっと訪れた秋の涼しさと共に,かなり回復したと思います.このブログも,がんばって再開しましょう.
それでは,よろしくお願いします.
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
04年山口YCAMでの初演から、国内外15都市でのツアーを続け、世界的な評価も高い本作品。東京・スパイラルホールでの公演です。ぜひお見逃しなく!
日時:2007年10月
20日(土) 開演15:00 /20:00
21日(日) 開演14:00
会場:スパイラルホール
料金:全席自由 前売り2,500円 当日2,700円
ディレクション/照明=藤本隆行(dumb type)
演出/振付/出演=坂本公成(Monochrome Circus)
振付/出演=森川弘和・佐伯有香(Monochrome Circus)
振付=森裕子(Monochrome Circus)
音響/ビジュアル・デザイン=南琢也(Softpad)
音響/プログラム=真鍋大度
http://www.refinedcolors.com/
[光との旅]
Monochrome Circusが,旅と人との出会いを作品化していくシリーズを続ける中で,この作品に出会ったのが’04年。ツアー先各地の、光と音をサンプリングしながらシーンを更新していく中で、私達は様々な「光景」に出会った。東南アジアの極彩色の市場から、フランスの冷たい空気感や、東欧のやや陰鬱な光景、、、。
超ストイックな空間の中で、如何に空間に奥行きを与え、出会った「光景」のニュアンスを身体から滲んでいかせることができるか? 佐伯有香、森川弘和、2人のダンサーと共に腐心してきたのがこの作品だ。当たり前の事だが、光はダンサーに当たって反射し,観客に色として認識されるので,ダンサーは色が見えない、見えないものを触知しようとしてきたプロセスがこの作品でもある。
Monochrome Circus 坂本公成
[チケット取扱]
スパイラル4Fオフィス Tel/03-3498-1171(代表)
アンクリエイティブ Tel/03-5458-0548
[インターネットでの取扱]
Monochrome Circus Web申し込み: http://www1.neweb.ne.jp/wb/hot-summer/mc/
JCDNダンスリザーブ: http://dance.jcdn.org/
[お問い合わせ]
アンクリエイティブ Tel/03-5458-0548 
E-mail:office@ancreative.net
スパイラルホール
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口前もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 
Tel:03-3498-5936(会場直通・当日のみ)
web: http://www.spiral.co.jp/about_spiral/
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Refined Colors Performance
Refined Colors makes good use of the LED (light emitting diode) lights which generate about 16.7 million color variations with R(ed), G(reen), and B(lue) light emitting diodes. A feature of the LED, i.e., no requirement of large quantity of electricity and light mixing equipment, helps to make the Refined Color performance tour team full of mobility. The team needs only a notebook PC for all the operations necessary to create a variety of sound and lighting effects. It takes the advantages of the digital technology for incorporating the lights and sounds of various cities into its performing stage, and keeps updating its travel/work by connecting the different sights of cities one after another.
Date/Time: Sat 20 Oct. 15:00 / 20:00, Sun 21 Oct. 14:00
Venue: Spiral Hall Tokyo
Admission: 2500yen. (2700yen at the door)
Organizer: Monochrome Circus
Support: Color Kinetics Japan Incorporated, Wacoal Art Center,
the Agency for Cultural Affairs Government of Japan in the fiscal 2007
Cooperation: TamaTechLab, Kyoto Art Center
Co-production: Yamaguchi Center for Arts and Media(YCAM)
Tokyo present manage: An Creative Inc.
Direction/Lighting design =Takayuki Fujimoto (dumb type)
Direction/Choreograph/Dance = Kosei Sakamoto (Monochrome Circus)
Choreograph/Dance = Hirokazu Morikawa, Yuka Saeki (Monochrome Circus)
Choreograph = Yuko Mori (Monochrome Circus)
Sound/Visual Design = Takuya Minami (Softpad)
Sound/Program = Daito Manabe
http://www.refinedcolors.com/
[Travel with light]
It was in 2004 when Monochrome Circus came across with this piece of dance in a series of its effort to materialize travels and encounters with people into its works. We saw a spectrum of sights in the process of sampling lights and sounds and updating the scenes of our works in many destinations of our dance tours: vividly-colored markets of South-East Asia; cool and distant air of France; somewhat dark and depressive sights of Eastern Europe How can we transude the nuances of the sights we encountered from out of our body? How can we render a depth to the ultra-stoic dancing space available? Monochrome Circus fretted over these challenges together with two dancers: Yuka Saeki and Hirokazu Morikawa, and arrived at this piece. Needless to say, the dancers cannot see the colors; the light strikes at the dancers, reflects back, and is recognized as the colors by the audience. The process to feel and recognize what cannot be seen is nothing but this piece of work.
Kosei Sakamoto (Monochrome Circus)
[Only 28 lights]
Can only 28 lights do all the work,?
The LED lighting has a potential to transform the run-down warehouses and the deteriorated building floors into a venue for performing arts by using the digital lighting without requiring additional electricity nor light mixer, etc.
This Refined Colors is a piece of dance which keeps being updated. It has been performed at so many different places such as Asia and Eastern Europe as a sample of experiment to see to what extent we can expand the possibilities of expression with help of only a minimum machine and equipment. The lighting equipment used during the performance are 20 lights on the floor and 8 LED light suspended from the ceiling only. Those lights as well as the sounds are all synchronously operated from one notebook PC.
Takayuki Fujimoto (dumb type)
[Ticket]
spiral office: Tel/03-3498-1171
An Creative Inc: Tel/03-5458-0548
[Ticket by Internet]
Monochrome Circus Web: http://www1.neweb.ne.jp/wb/hot-summer/mc/
JCDN dance reserve: http://dance.jcdn.org/
[Inquiry]
An Creative Inc.: Tel/03-5458-0548
E-mail: office@ancreative.net
Spiral Hall
Omotesando subway Station (Ginza line, Chiyoda line, Hanzomon line) B1, B3 Exit
address: 5-6-23 Minamiaoyama Minato-ku Tokyo, 107-0062 Japan
tel: 03-3498-5936 (direct line only connect on the performance day)
web: http://www.spiral.co.jp/about_spiral/

Reconsideration

日記をつけなくなって久しいが,どうも咽に引っ掛かった小骨のようになっていたのがこれ,悪夢のPhiladelphia.
あれからどうも,いつまでたっても完全には疲れが抜けず,それが原因でか怒りっぽい.いかんなぁ.
Philadelphiaでおかしくなったのは,LED照明.疲れてくると,何がいけないといって根気がなくなる.あの時は,一見最初はうまく行きそうだったのが,余計問題を大きくした.
公演する劇場は,それなりに小奇麗だったのだが,見かけよりは古い所で,実は照明機材の電源ディマーなどが,一昔も二昔も古いものだった.それがわかったのは仕込み初日の昼頃で,現場スタッフが僕の持ち込んだ照明卓で劇場のディマーを動かすのに四苦八苦しだした.
Eaさんの公演では,僕は1台のPC照明ソフトで,劇場ディマーとLED照明の両方を,一緒にコントロールしている.この一緒にというのが曲者で,今まではなかったのだがトラブルの元になりそうな感じはいつもしていた.それで,スプリッターで信号を最初に分けて,LEDヘは直接ケーブルを引いて信号を送るようにしていたのだが,あの時はそれが確実にできているか確認しなかった.口では現場のスタッフに言ったし,彼らはOKだといったのだが,それは劇場既存の設備を使っているいわばブラックボックスの中の事で,僕は彼らの出来ている(はずだ)という言葉を鵜呑みにして,そのままほっておいてしまった.
いやぁ,「できてる」というのを検証して,少しでも怪しいと全部やり直してもらうというのは,機材や時間的に可能でもなかなかオーダーする方にも気力が必要なんです.
加えて,電源もディーマーを通っていない直電源をリクエストしているのだが,確かにそうかどうかを確認しなかった.
それで,点いたんですよLED,最初はなんとか.ちょっとおかしな事はあったんだけど,公演に支障があるほどでもなく,調整すれば何とかできるでしょうという感じで.
その後まず最初の問題が持ち上がったのだが,それはLEDじゃなくて,僕のプランニングミス.
ある照明機材が,その劇場にはいっぱいあって,僕の使いたい機材はあまりなかった.普段なら,当然欲しい機材を借りてもらうのだが,ちょうどそのプランニングを数カ月前にしていた時に,それと並行して,床に敷くダンスマットの交渉も行っていた.それでその時フェイスティバル側が,結構無理をして新しいダンスマットをこの公演のために買ってくれたんですよ.それでね,つい弱気になった僕は,劇場がいっぱい持っている照明機材でも,ちょっと工夫すれば,何とか使えるんじゃないかなぁと,思ってしまったのでした.それで,少しはフェスの予算も助かるし,あとは僕がちょっと時間をかければ何とか調整できるんじゃないかと...
それがまあ,大失敗.どうにもこうにも,一番よく使う地明かりがきれいに作れない.その調整に時間がかかり,なおかつ久々の公演なので少しきっかけを忘れていて,しかも予算の問題かこの公演からダンサーが3人減っていて,もともとあったきっかけがちょくちょく変更されている.
なので,もうリハが始まる前からバタバタで,そんな中,もともとあまり調子の良くなかった機材が異常を起こす.
その機材,自分がフルフル点滅し出すと,その影響がアドレスの近い他の機材にも及ぶ,かなり深刻な問題を抱えていた.でも,何台か予備を持っていて,調子が悪くなると別の機材に差し替えてこれまで使ってきて,何とかその場をしのいできていた.それに,問題が起こる頻度も,ごく少ないものだったし...
今から思うと,その時にまずデーターにノイズが乗っている可能性を疑うべきだったんだけど,僕は短絡的に,また調子の悪い機材が問題を起こしたと,決めつけてしまった.
それで,やむなくその機材をカットして,何とかその公演を終わる.
翌日,照明のフォーカスなどは既に済んでいて,とにかく一度公演もできているし,きっかけも思い出したしで,本番の数時間前に劇場にはいる.電源を入れて,点灯チェックも済まして,PC上のキューの整理などしている時に,突如4台のLEDが繋がっているデータトランスが動かなくなる.つまりその4台は消えてしまって,うんともすんとも動かなくなる.機材を降ろして見ても,何もわからない.仕方がないので,何とか残りのトランスにその4台のうち2台を繋げるように配線をし直して,両端の2台をカット.
おそらくいつもなら,この時点で僕はシグナルケーブルを直接引き直し,電源も取り直していると思うのだが,フェスティバル中の公演2日目で,他の仕込みにとられてほとんどスタッフがいず,開演も近いという事でその指示を出すのを躊躇う.
そうこうするうちに,今度は別のバトンに吊ったLEDのデータトランスも壊れて,かなり僕はパニック状態.
何とか配線を変えて,前後のバトン各2台ずつLEDをカットして,15分ほど開場を遅らせてそのまま公演になだれ込む.
そして何とか終了.それが,土曜日だったのですね.
つまり,LEDの代理店を探して,代替え機材を借りようにも,何処とも連絡が取れない.翌日の日曜日にできる事といったら,電源の引き回しを変える事ぐらい.機材の追加も人の追加もそれからでは難しく,公演は翌日の最終公演を残すのみ.
そこで僕は折れてしまって,Eaさんの,「今日と同じできなら何とかお客さんに見せられる,大丈夫」という言葉を受けて,現状維持で公演する事にしてしまった.もうこれ以上は,悪くはならないだろうと,ある種の希望を持って.
そして最終日.
いちおう早い目に劇場入りして,LEDのチェックをするが,ちゃんと点灯する.ただ,あまり長く点けていると,何だか機材が弱りそうで,怖くてそれほど念入りなチェックができない.なにせあと,本公演の1時間強もってくれれば,とにかく今はOKなのだ.それで,まずは電源を引き直して,あとは時々チェックをするだけで,本番に臨む.
でも,今から思うと,LEDの点灯チェックはしたが,劇場ディマーと併用してのキューのチェックはしていない.とにかく,何かあっても公演を中止にする以外に手は無く,何といってもいまは点灯はするのだ.
そして始まった最終公演.LED照明と並行して劇場ディマーが動き出すと,いきなり全てのLEDが制御不能になって点滅しだした.とにかく最初から,いっきなり.
その日電源を引き直したのには,2つの目的があって,まずきれいな直電源にして問題を回避しようという目的と,あと最終手段として,何かおかしくなったら,舞台袖でLEDの電源を直接切れるようにしておいて,最悪の事態に備えるという考え.
そして,その公演の間中,袖にいる舞監が,僕の指示でLEDのON/OFFを繰り返しました.劇場の照明は何とか動くし,LEDも色の変化などは制御できる.ただ,全体に激しく点滅し安定する事がない.なので,できるだけ通常照明でしのぎ,LEDしか使っていない場面は,真っ暗にするわけにはいかないので,いきなりビカビカ光るLEDが点灯し,それらしいきっかけでカットアウトの繰り返し.
いやもう,寿命が縮んだ縮んだ.
しかし,観客はそれでも拍手するのですね.まあ初めて観てしかも一回しか観ないんだから,何かがおかしいかどうかは,よほどの事がないとわからない.
しかし,こちらとしては,とんでもないものを見せてしまったと...まず何よりも,Eaさんとダンサーたちに申し訳ない.
そして,半べそかきながら撤去.
その後,日本に持ち帰った機材は全てメーカーでチェックしてもらったのだが,結果メーカでは異常なく動いている.こういうのが一番怖くて,たぶん何かが弱っていて,例えば通常100のノイズに耐えられるものが,10程度でもうおかしくなるとしても,ノイズの無い綺麗な環境ではわからない.でも,安心して使えないから,極めて精神衛生上悪い.何だか,疲れがまたどっと...
でも,さいわいメーカーがとても協力的で理解が有るので,何とかいま予定されている公演に支障が無いようには
機材を貸してくれそう.
あと,泣きっ面に蜂というか,帰ってしばらくしたら,Philadelphiaの宿泊費の請求が僕のカードに来た.チェックアウトの時は,フェスが払うから精算はないと,受け付けのスタッフが言って,僕は支払いのサインも何もしていないのにである.いい加減過ぎるぞ,Sheraton Hotels Philadelphia.アメリカ側に文句を言ったら,フェスがホテルにクレームを付けて何とかしたとの事だが,何だかフェス側にも非がありそうな...しかもその金額はいったん引き落とされて,いまだ戻ってこないし,もうトホホな状態である.
しかし,そんなこと言っていても時間は進む.
茅野市でのlost初演と,Refined Colors公演とワークショップを楽しく終えて,スパイラルでの公演も無事終了.
観に来て頂いた皆さん,本当にありがとうございました.
機材もまあ何とかなった事だし,次はtrueの機材をYCAMでパッキング.夏以来,やり逃げ状態ですいません.次に向けて,いよいよ本格始動.
そしてそして,11月初めは松本市でのRefined Colors公演とワークショップ.その後続いて,ベトナムのハノイとタイのチェンマイで公演.
そして帰って,12月には金沢と横浜でtrueの公演が待っていて,その後1月初めからは,Eaさんのアメリカ長期一ヶ月7ヶ所ツアー!
がんばるぞ!ガンバリマスよ.続けていられるだけでも,幸運なのだ.
29日の月曜は悌二の命日.11年経ったよ.いまだにこうやって舞台関係の仕事が出来て,自分で作品も創れるという事に,文句なんていってられない.