Summer to Spring

CreditEntrance_1Stage_8Asa
3日ほど前に帰国.
不覚にも,深夜のフライトだったのに,「エラゴン」「ロッキー・ファイナル」「ホリディ」(途中まで)と見続けてしまい,一睡もせず関空着.JALだったので,全部日本語吹き替えが付いていて,なーんにも考えずに,何も考えなくていい映画を見ていたのが敗因かと.しかしロッキー,酷過ぎ.都合のいい夢しか見ないアメリカ人が,自分の事だけ考えていいように作った話.ホリディは,面白そうだったのに,主人公二人が家を交換して,1日が過ぎた頃に,飛行機が関空に向かって降下...
シンガポールでの制作/公演は,楽しかった.
Eaさんとの制作は,どちらかというと彼女のイメージを具現化する作業だったけれど,今回は自分のイメージを作品に嵌め込んでいくような作業だった.しかも,まったくゼロからの新作制作は久々.全体的な構成には疑問もあるけれど,それはディレクターのKa faiとの方法論の違いか.でもとにかく,出発点としては良いモノができたと思う.問題は,他の場所で,同じシステムが再現できるのかどうか.たぶん,ダウンサイジングしないとダメだろうなぁ.
京都は,桜満開.しかも花冷え,寒の戻り.
とても京都らしい時期だけれど,シンガポールの気候に3週間ほども馴致された身体には,かなり辛いです.せっかくの,満開の桜なのに,寒くて夜に散歩する気にもならない.
早く暖かくなって欲しいです.
写真は,
・Drift Net会場/TheatreWorks のクレジット.
・あくまでもお洒落な会場,TheatreWorksのエントランス.
・舞台と,パフォーマーのRizman氏.
・けっこう毎朝お世話になったカフェの,ココナッツミルク風味のご飯と甘いコーヒーしめて240円くらい.

“lost” creation

Sosui
めずらしく京都で制作中.そして,なかなかに規則正しい生活.
短いパフォーマンス作品を,Monochrome Circusの二人と創っているのだが,まだ公演予定はない.こういう作り方も初めてなのだが,とにかく彼らも僕も4月中に時間があって,練習場所も確保されており,少し暖めていたイメージも持っていたので,何処でいつ公演するかというのは創ってから探すことにして,基本的な構造を組み立てはじめた.
おかげで,午前中は自宅で事務仕事や図面作業をして,午後は京都芸術センターへ通う毎日.しかも土日は作業は休みで,彼らはワークショップ・フェスティバル,僕は土曜は別の作業で日曜は子供の世話.
いやいや,先だってのシンガポールのように,通常はどこかで滞在制作というのが多いので,制作となると2週間なり3週間なり,ほぼスタジオ/劇場に籠もって集中するということになる.それは,どちらかというと非日常の時間なのだけれど,今回はその時間が日常の中に流れ込んできて,気がつけばそれは大学生の頃の生活のようでもある.午前中が一般教養で,午後は制作みたいな...
ちなみに,それじゃあいつもは京都にいる時は何をしているのかというと,こちらも制作には違いないのだけれど,図面や企画書制作,メールでの打ち合わせなどと,ひたすらコンピューターの前に座っているのだった.
作品のタイトルは,まだ仮題だけど「lost」.12灯のLED照明と,中古を譲ってもらったスタジオモニター用スピーカー1セット,それにダンサー独りの作品.5m四方以上の踊れる空間があれば,あとは家庭用の壁コン1個から取れる電力だけでOK.ギャラリーなんかでまわりが白い空間ならかなり強力な公演ができると思うが,別に床も壁も白くなくても上演可能な作品になってきている.
ところで写真は,近くの疎水を観光シーズンだけ運行している十石舟に乗った時のもの.桜の季節とも相まって,なかなか侮りがたい.花筏も美しく,普段とは違う目線で見たご近所の風景は,とても新鮮に映った.
端的に言えば子供へのサービスの一環として,観光客に交じって乗った訳だが,改めて普段何百何千回と見ている景色の中に,どれほど見えていないものがあるかを実感.なかなかのお勧め.できれば一人ではなく,誰かと一緒に乗るのが楽しかろうと思います.

Mt. Daimonji

Daimonji_2Daimonji_1
あまり連休とか祭日に縁のない生活をしているが,たまたま今日は家族三人休みだったので,出かけることに.娘3歳半にして初登山.大文字山の山頂を目指す.
正確に言うとてっぺんではなくて,頂上近くの「大」の字の広がっているフィールドである.
銀閣寺の横から歩き始めて,どれくらいかかっただろうか?まわりは終始,人がいる.大文字山,えらいこと人気のスポットらしい.平日の方が人が少ないのかというと,それはそれで幼稚園や小学生の遠足で,ごった返しているという話もある.
中には,スカートを履いて登っている人もいるぐらい,なめられている山だが,いやいやなかなか変化に富んで面白い道.今までの人生で2〜3度登ったことはあるが,途中の道はあまり覚えていない.登り切った時に広がる京都の町の風景しか記憶になかったが,緩急のある坂に階段に,急に広がる広い空間もあって,新緑の登山道は楽しかった.
好天に恵まれたせいもあるのか,娘はほとんど自力で上まで登り切った.
本当によく聞く弁ではあるが,いやホント,あっという間に大きくなるもんだ.

A long holiday

DaimonjiGuruguru_die
まあ,長いタイトルほど,あまり書くことが無いようなのだが...
連休は,保育園が休みで,僕は続けて娘と日を過ごす.まあとにかく,日ごろとは違う行動パターンになるので,いろいろ発見も多い.近所の散策だって,娘が産まれなければ,これほど歩き回らなかっただろう.視線は常にもっと遠いところに向いていたようなので,京都の良さを再認識させてくれたのは,彼女の存在だといえる.
前に書いた大文字山も,毎日自宅から眺めていたとはいえ,わざわざ登りに行くなんて,前は考えもしなかった.でも,改めて登って見ると,なかなか面白かったりして...
そんな連休のさなかのある朝,ウチの金魚が死んでいた.
今年の初めに飼い始めた,ぐるぐるという名の赤い金魚らしい金魚だったのだけれど,世話が足りなかったのか,レトロな水槽に水草のみという環境が悪かったのか,徐々に弱ってきたのは気になっていたのだけれど,遂に逝ってしまった.
僕の世代ですら,死は身近でなく,あまり亡き骸を見ることは多くない.昆虫類はともかく(ゴキブリを叩きつぶしたりもするので),もっと大型の生命体の生きている様が,死骸に変わるのを見ることは稀だ.
亡き骸を見て,改めて実感したのだが,生きているものと死んだものの間には,宝石とそこらの川石くらいの違いがある.何というか,生きてる時には当たり前すぎてわからないのだが,金魚の死骸といえども,何だか内から光り輝いている感じが無くなるのだ.
「魂」という概念を,当たり前に多くの文化が持っている理由を実感できる.
まだ3歳半の娘が,完全に死を理解したとは思えないが,彼女もぐるぐるん死を悼んでいる.去年,祖父が二人とも逝ってしまったのも,現実としてちゃんと理解しているようなので(つまり,もう会えないということ),それよりももっと身近なぐるぐるの死は,彼女にとってものすごく大きな出来事かも知れない.
それが恐怖にならないように,できるだけちゃんとケアーしたいと思う.
写真は,自宅から望む大文字山と,手製のお棺に入ったぐるぐる(冥福を祈る).

A long holiday 2

京都に生まれて,このところ年々京都が好きになってきたと,ずいぶん前に書いたが,連休の京都はいささか話が違う.
何処に行っても人ヒトひと.
来て頂いてありがとう,と言いたいところだが,どうも僕個人的にはあの溢れ返る人とは,関係ない所にいる気がする.実は,目を家族や親族に広げれば,観光客の人々にけっこうお世話になっているのですが...
なので,まあ出来るだけ人混みにあわないように,あまり人の来なさそうな所に的を絞って,この3日間娘と散歩に出かけた.
5月3日は,逝ってしまった金魚のぐるぐるを埋葬する為に,疎水の横を沿って行って鴨川へ.冷泉通りが鴨街道に突き当たる所に小さな児童公園があって,そこの桜の樹の下にぐるぐるを埋める.
4日は,吉田山の頂上近くにある公園へ.ここには,道さえ知っていれば自転車で来れる.黒谷から真如堂経由で,なかなかに良い道.途中,時代劇を撮れそうな所もある.公園の近くには,茂庵さんというなかなかに優れもののカフェもあり,存在を知らずにたどり着いたら,相当嬉しいだろうなと思うような,隠れ家的(でもきっと雑誌とかで有名な),場所である.今回は,娘と二人だけだったので,茂庵さんには寄らず公園でお弁当を食べて帰宅.
家人は観光地の仕事場で働いているので,こういう時期ほど書き入れ時なのだが,忙しい合間を縫ってピクニック用のサンドイッチ・ランチを作ってくれていたので,それを娘とほおばって帰ってきた.いやぁ,ご馳走さんでした.
5日は,蹴上のインクラインの線路を登って,上がり切った所の児童公園へ.途中,蹴上の浄水場のツツジ祭りの様子を右手に見つつ,あちらとは打って変わって人の少ない道を歩く.そして公園で遊んだあと,水楼閣へ.この,蹴上の水力発電所から南禅寺の水楼閣へ抜ける道は,派手さはないがちょっとスリリングな散歩コースで,歩いているのが人造の水路とそれに付随する歩道だと思うと,その建造に要した労力に感心する.
水楼閣に出ると,そこはすごい人で,改めて観光地に住んでいることを実感.
別に不平不満は言いません.きっと,いくばくかは,この人出が僕の生活にも関係しているんだろう.
願わくば,そのいくばくかのお金でも岡崎の動物園にまわっていって,もっともっと動物にとっても面白そうな施設に変わることを望む.

esquisse quartetto

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久々に,コンサートの照明をします.
といっても,「インスタレーションとコンサートの間くらいで...」というお話で,挑戦させてもらっている.
esquisse quartettoは,京都をベースに活動しているmamamilkというバンドの,生駒さんと清水さんが中心となった新ユニット.手廻しオルゴールを中心にトイピアノや、リコーダー、ヴォイスの織りなす詩的な世界.
僕が参加するのは,東京公演のみだが,下記をご参照の上,タイミングのあう方はぜひどうぞ.
http://www.windbell.info/evnt_esqquart.html

Asakusa

Sanjya
5月19日
明日にある,esquisse quartettoの公演の為に浅草入り.街はちょうど三社祭.しかし,京都の祇園祭みたいな賑わいを想像していたので,ちょっと肩透かしをくらった感じ.あんなに,身動きも出来ないくらいに,観光客が押し寄せてきているわけではない.でも,まあそれは僕の勝手な思い込み.それなりの人出だし,神輿を担ぐ男衆のみならず粋なオネーサンやちびっ子まで,鯔背な格好で街を闊歩している.今でもまだちゃんと,この街の人たちのお祭りなのだ.
何だか嬉しくなって,一人でそぞろ歩いたら,アジアの屋台街みたいに道にまで床几が溢れ出した一角にでる.どこもメインは牛筋煮込みだけれど,他にも店によっておでんやら焼き鳥やらお好み焼きやら...いやあ,浅草,いいなぁ.
昨日は,伊丹に白井剛+アルディッティ弦楽四重奏団の「アパートメントハウス1776」公演を観に行った.観に行くまでは,白井君のダンスを観るという気持ちが強かったのだけれど,始まったらぐんぐんアルディッティ・クアルテットの演奏にも引き込まれる.あの手のレコーディングされた音を聞いていると,たいてい眠くなるのだが,ライヴは音の振動というか空気の震える感じが押し寄せてきて,全然眠くなるようなものじゃなかった.
もちろん,白井君のパフォーマンスと映像も,とても面白かった.非常に抑制された照明も恰好良い.でもなにより,舞台上の中年のおっちゃん4人が,当然ながらどんな舞台装置もかなわないものすごい存在感を放射している,
そして今日は,浅草に来る途中に,横浜に寄って去年亡くなられた吟遊詩人故ハムザ・エルディーンさんの追悼イベント「ハムザ・デイズ」に寄り道.
今日の夕方のライヴは,劉宏軍(バーウ、笛)・常味裕司(ウード)・おおたか静流(ヴォーカル)・クリストファーハーディ(タール、レク、ダルブッカ)という構成で,会場にはおおたかさん目当てのちびっ子も多くて,なかなかの盛り上がり.明日も,違うメンバーでライヴがあるようです.
http://www.yamaboshi.com/hamza/liveschedule.html
こちらも,明日18時からesquisse quartettoの東京/浅草公演.僕が照明で参加するのは,明日が初めてなので,僕にとってはワールドプレミア.うー,緊張する.皆さん,観に来て下さい.
http://www.p3.org/aas/

A regrettable feeling

Bu
アートスクエアーでのesquisse quartettoコンサートは,楽しく終了.LED12灯だけ,仕込みからオペレーションからバラシまで,一人でできる範囲の仕事としては,それなりにうまくいったと思う.これもLEDの特性を活かしたといっていいかな.
帰りに,長年良いデザインのモノを探していた,ブタの蚊遣りに遭遇.速攻で購入.今は,ウチに鎮座ましましている.なかなか可愛い.
6月1日は,とある照明のシンポジウムに参加するが,これが非常に残念な感じのもの.
会場は大学で,産学協同何ちゃらとうたっているが,まがりなりにも劇場舞台関係のメーカーが主催して,それなりのゲストや世界初お目見えの新機材のデモなんかあったわりには,舞監もMCもいない.自分が参加しておいて,悪口を言うのもダメな話だと思うが,いい加減なことをしていては,「こんなもんで良いのか」と学生は世間をなめるし,お金を出してる企業も報われない.まあ,企業は自業自得だが...しかし,そこのお客は舞台やテレビの業者さんつまりその手のプロが多いわけで,そんなことは百も承知のはずなのに,あんなイベントの仕切り方をしてしまうのは,ヤバすぎるんじゃないかなぁ.
学生と業界のプロの両方を,ちゃんと満足させるための補助線にアートを使う,というのは良い考えだと思うけれど,それ相応の覚悟で取り組まないと,どちらからも突き放されてしまう.その辺りがわからない,舞台関係のメーカーって???
まあ僕としては,かなり好きな会社であるHigh End Sysyem社のCEOやテクニカルの方といろいろ話せたし,それぞれに活躍中の皆さんの仕事も垣間見れたので,収穫はあったんですけどね.