明けましておめでとうございます.
Eaさんのアメリカツアー出発まで,残り一週間を切るが,さすがに元旦・2日は仕事が出来る状況でもなく,家人手作りのお節を食べ,親戚と会い,娘と遊び,雑煮を食べ,酒を飲む.日本のお正月.
しかし,今日2日には,もうアメリカから仕事のメールが届く.クリスマスが終わると,もうあまり浮かれてないのだねぇ.なかなかやるなと思いつつ,でも明日までは絶対読んでやらない.ちょっと休憩.
ということで,思い立って年賀状用のイメージを作り,そのままずぼらしてメールで送信.ここにも貼っておきます.
皆さん,旧年は本当にお世話になりました.
今年もよろしくお願いします.
Dartmouth/Moore Theater
1月7日に出発して,Eaさんのツアーでアメリカへ.東海岸のNYよりだいぶ北,Hanover周辺のDartmouth Collegeというところにいるのだが,とっても田舎.何でアメリカの大学は,何処もここも街から隔絶されたところにあるのだろう.それとも,このツアーが,そういう所ばかりを廻っているのか?
7日に飛んで日付変更線を越えて,日本を発った時とほぼ変わらぬ時刻にSan Franciscoに着くが,そこで乗り換えたBoston行きが遅れに遅れる.最初は計器の故障とかで,いったん滑走路まで出たもののもとの駐機場に戻り,スイッチのユニットを交換,それで3時間ぐらい遅れたのだが,それでもなんだかおかしかったようで,機体を変えるためいったん乗客全員が移動.新しい機体が用意できて,ぞろぞろ隣のゲートに移動し,乗り込んだまでは良かったものの,そこでもまた待ちぼうけ.
いよいよ機内がざわついてきたら,何だか怒ったような機長(女性)のアナウンス.確実に聞き取れたわけではないけれど,既にかなりの時間が経過しているので,このまま飛ぶと乗務員の労働時間が超過になって,服務規程違反でえらい罰金を払わなければいけない可能性があるので,客室乗務員を入れ替えるとか何とか...当の乗務員は乗務員で,「私達ゃまだ何にも仕事してないし...」と,降りたくもなさそう.それでなんだか仲間割れというか乗務員同士で討論していて,それに乗客も加わって...でもみんな怒るというよりかは苦笑いしながら話していて,慣れているのかな?
そうこうするうちに,ようやく入れ替えも済んで,遂に6時間遅れで機体は空へ.
西から東へ飛ぶという事は,時間が進むという事で,Boston到着は現地時間午前3時!しかも,劇場のあるDartmouth Collegeは,空港からタクシーで3時間!!!この朝9時からは仕込み開始である.なんでしょね,Eaさんが悪いわけではないけれど,アメリカがあわないのかな...僕に.それとも他の誰かに.
それでも,一番心配だった空港タクシーのドライバーさんは,午前3時でもバッゲージクレーム出口で僕たちを待っていてくれた.22時半から,空港で待機していてくれたとか.ありがとう.
そして,予定時間を30分短縮して,朝5時半にはホテルに到着.幸いにも,劇場はホテルのすぐ横,歩いて3分.
シャワーを浴びて1時間半ほど仮眠して,ちゃんと朝ご飯を食べて,仕込み初日に挑んだのでした.
写真は,ホテル周辺.いやぁ,寒いの何の...
Cold weather
Dartmouth/Moore Theaterでの仕込みと公演は,眠気との戦いながらも無事終了.2日仕込みの1日(1回)公演.何だかやっとセットして,すぐにバラシ.まあ,この規模の大学で,2回公演は集客が大変なんだろう.バルコニーをあわせて600席程度の客席は,ほぼ埋まっていた事だし.
その後2日間のオフ.居心地のいいホテルに籠もって,これからの公演地の最終図面を描いてメールで打ち合わせ.
この昨日と一昨日のオフは,良く晴れたわりと穏やかな天候だったのに,シアトルへの移動日だった今日は一転して大吹雪.昨日の夜中には,寒波到来のニュースと共に,乗るはずだったフライトがキャンセルに.そして,朝起きたらもう窓の外は真っ白.
おかげで,今日一日は飛行機は飛ばないという事で,とりあえずBostonの空港近くのホテルに移動.明日朝5時半のフライトに間に合うために,早朝3時半ロビー集合.何だかつくづく仕込み初日が大変な感じ.それも実際に,明日になってみないと,シアトルまでたどり着けるのやらどうやら...でも,少し余裕の2日間仕込みだし,詳細な図面も送ってあるので,なんとかなるでしょう.それよりも,いま手持ちで動いているLED機材が,無事に乗り換えの混乱などをくぐり抜けてシアトルにたどり着けるのやらどうやら.....
さあ,もう寝よう.
Domestic time zone
アメリカの東の端から西の端へ.しかし北方にいる事は変わらず,ここSeattleも寒い.
Seattleちゅうのは,Washington州なんですね.で,公演する劇場のあるのがWashington大学内.それで,Boston空港で荷物超過でもめつつ何とか乗り込んだ飛行機が最初に向かったのが,Washington.D.C.
アメリカの両端に,同じ名前の所があるのは,混乱を招かないのか?
しかも,落とし穴のように待っていたのが,東と西の時差3時間.
朝3時に起きて3時半にロビー集合,ホテルのシャトルをピストン運転してもらって,莫大な荷物と18人のメンバーが空港へ向かい,やっとの事で飛行機に乗り込みWashington(D.C.)へ.その時点で朝8時前だったのに,乗り換えてSeattleへ向かうにつれて,時間が逆行.WashingtonからSeattleまで5時間程かな,結構嫌になるくらい飛行機に乗って,たどり着いたらそこはまだ午前11時前.
おんなじ国で,時差3時間ってどうよ.
仕込み当日に移動になったテクニカルの自分としては,ラッキーって事なんですが,朝3時に起きたと身としてはどうだか...しかも,到着が1日遅れて作業が遅れたからか,劇場スタッフはサポート体制万々で,今日は23時まで働いていいという.いや,ありがたい事です.
で,遅れを取り戻すくらい思いっきり仕事が進んで,確かにとても助かったのですが,数えてみればもう24時間は起きてるわけですね.
20代や30代の若者じゃないんだから,もうそろそろこういうのは遠慮しないと...何だかうまく騙されて,徹夜しちゃったわけかな?明日になってもこの身が,同じように働けますように.
Seattle/Meany Hall
2ヶ所目のSeattle/Meany Hallでの3回公演を終えて,今日の朝,San Diegoに飛行機で南下.Mandeville Auditoriumという場所で明日から2日間仕込みの1日本番でバラシ.そのままLAに車で移動して,翌日1日仕込みでそれから2日間2回公演.このツアー最初のヤマ場である.
Seattleの会場は,Washington大学キャンパス内で,周りには学生や先生たちがたむろするカフェやレストランも多くて,いまだにちょっと60年代の香りがするような所でした.
でも,劇場は設備もよく若いスタッフも隅々まで行き届いた働きぶりで,非常に気持ち良く進みました.特に照明関係は,去年ディマー等の設備を,全部最新のETCのシステムに入れ替えたとかで,小さな有線のステーションを,各照明バトンなどの電源部につなぐ事で,ディマーナンバーをDMXアドレスみたいにパッチできる.そうしてそれを,メインのコンピューターが管理している.こう聞くと2度手間のような仕組みに聞こえるけれど,僕みたいに外から機材を持ち込んで,劇場のディーマー共々持ち込みの卓で動かそうとした時など,すごく便利.
公演は,あまり学生の姿は見かけず,年配の人々中心だったけれど,毎回客席の7〜8割は埋まり,寂しい思いはせずに済みました.
そして,San Diego.
Seattleから約3時間.それなりに季節は冬だけれど,ずいぶんと暖かい.海の傍のホテルに落ち着いて,少し外を歩いたら,満月で花なんかも咲いていて,昨日までとは別世界.
写真は,少し前だけれど,HannoverからBostonに移動した際の凍りついたバスと,Seattleの劇場.
SanDiego/Mandeville Auditorium
アメリカ3ヶ所目.
ホテルは海の近くですこぶる気持ちいいのだけれど,朝から晩まで劇場で仕事.まあそれは仕方がないが,劇場がまたもう,68年に建ったとかで,その当時はモダンな建物だったのだろうが,客席の傾斜はないは,バトンは一切降りないし,しかも例に漏れず大学内劇場で,今回初めてのほぼ全員学生ボランティアスタッフ.前のツアーでもひどい目に遭って,オーガナイザーに,スタッフは必ずプロを雇うようにと念を押しておいたにもかかわらず,打ち合わせをしていた雇われテクニカルの兄ちゃん以外は,初めて劇場に足を踏み入れたような大学生ばかり.まったくもう,えらいこった.
それでも,日本から一緒に来ているスタッフの頑張りで,照明のフォーカスも無事終了.何とか無事本番を迎えられそう.
これから,夜に1回公演したら,バラシてそのまま車でLAに移動.ここから2時間半ほどの距離とか.それで,明日1日仕込みで明後日から2日間2回公演.
ロスの劇場はしっかりしているという話だけれど,どうかなぁ.
写真は,公演前にようやく見つけた散歩の時間.それと劇場.
Los Angeles UCLA/Live Royce Hall
ツアー4ヶ所目,
ここは美しい劇場で,建物自体は古いのに(1928年建築とかいう話),中は趣味よく改修も重ねられ,機材もなかなか充実していて,手入れもされている.舞台の奥行きや,客席の形状など,残念な所もあるけれど,それはもう全面建て替えしか更新のしようもないようなもので,この劇場はそんな道は選ばずに,ぜひこのままの方針であと何百年も存在していて欲しい.
テクニカルも,チーフ格はおじいさんやおばあさんが多いが,今の技術にもきちっと対応していて仕事も的確で,手伝いに入っているいい加減な若者とは大違い.
いちおう今は無事仕込みも済んで,リハとその後続く本番を控えて,ダンサーのウォームアップを横目で見つつこれを書いているのだけれど,ここにたどり着くまでは,なかなかハードな日程でした.
まず,San Diegoでの1回限りの公演が終わってバラシ,その後1時間ほど劇場でLAに向かう車が来るのを待つ.今回のツアーはほぼ大学内の劇場を回っていて,その会場のほとんどが広大なキャンパスの中にある.なので,車でのピックアップを頼んだ場合,十中八九ドライバーは迷う.
特に今回は,ロスのシャトルカンパニーに,僕たちの輸送がオーダーされていたので,San Diegoに慣れていないドライバーはかなり迷ったらしい.でもまあ12時の予定が12時半には車が来て,一路ロスへ.しかし,おそらく理由はあるのだろうが,UCLA公演の宿泊先のホテルは,ロス市内ではなくてなぜだかCulver Cityという所にとられていて,ドライバーも何となくしかホテルの場所が分からない.
この移動が200キロ程度なので,例えれば京都で公演が終わったその夜中に名古屋まで車で移動,2時半頃に名古屋近郊の街についてホテルを探してひとしきりウロウロしたあと一眠り,翌朝8時過ぎにこれまた車に乗り込み,30分ほど走って劇場入りという感じ.
何だろね,こういうハードなスケジュールの時に限って,こんな離れたホテルをとるというのは,いったいいかなる配慮なのか?(きっとオーガナイザーは,僕等のスケジュール的な事は何も考えてない.)このUCLAは,仕込みが1日しかない.まあ,日本では普通だけど,このツアーは基本2日仕込みで考えているので,がんばって夜23時まで作業.その後これまたタクシーが迎えに来るのを30分ほど待って,30分走ってホテルに帰り,翌朝,また車で劇場へ.
しかし,アメリカの大学というのは大きいね.しかも,西に来てから学生の中でアジア系の占める割合が,圧倒的に増えた.そのせいか,San Diegoにはタイフードの学食があったし,ここには日本食と中華のフードコートがある.(地下にゲーセンもあったのには驚いた.大学構内に...)そんなSUSHI&SOBAレストランに座って周りを写真に撮っても,きっと誰もUCLA校内だとは信じてくれないだろう.周り中,ほぼアジア系.僕はアメリカの大学事情には全然詳しくないんだけど,みんな何を学んでいるんだろう?
写真は,劇場客席を舞台から.ホワイエ.そしてこれは初めて見た,前室ならぬ前廊下.劇場への入り口には,普通は遮光のために小さな部屋があるかカーテンで仕切られていたりするんだけど,ここはそれが廊下になっている.ちょっと感動したお洒落な造り.この写真の右側がホワイエ,左の扉が客席に開いている.