Le Havreでの公演終了.一回だけの公演で,照明のフォーカスにちょっと手間取った事もあって,仕込み1日目・2日目そして本番で続けてバラシと,バタバタと過ぎていった感はあるが,その前に3日間も休みがあったし,何よりお客さんがかなり来てくれたので(実数はちゃんと知らないが,パッと見800人位.1200の客席の両側を,見切れで切ってました),充実した滞在でした.
天気は悪かったけど,冬に来れたのは,食べ物の美味しさからいえば正解だったかも.
劇場は,見かけの異様さも含めて,まさに「昔の未来」.結構設備もくたびれていたけれど,そんな中,ちゃんとシンクが付いていて,ソファーなんかも置いてある休憩室(グリーン・ルーム)は,なかなかお洒落で快適でした.
変な所もいっぱいあったけど,基本的な設計は,わりとちゃんとしているのだ.惜しむらくは,何だか全体的にくたびれてきている.たぶん,管理とかメンテナンスがもっと行き届いていれば,抜群に良い劇場なんだろうけれど,人も設備も新陳代謝が衰えている感じ.
そして,僕は翌日,別の公演のために一人Saint Brieucへ向かう.地図でみると,Le HavreからSaint Brieucは,海岸線をたどって行けそうなんだけど,だがしかし,送られてきた列車のチケットはパリ経由.Le HavreからSaint Brieucへの距離を仮に100とすると,80くらいの距離にあるパリまで戻り,それから,140位の距離を走ってSaint Brieucに着く.
しかもパリでは,重い荷物をゴロゴロ転がして,St LazareからMontparnasseに地下鉄で移動.前夜の打ち上げ+メンバー数名の誕生会もあって,ふらふらした足取りの僕には,かなりきつい行程.
ちなみに,ダムのメンバーの2人は同年同日の誕生日で,しかもそれがウチの娘と同じ日(正確には,ウチの娘が,同じ12月6日生まれ).
皆さん,おめでとうございます.ウチの娘さん,スマン,お祝いできなくて...そういえば,彼女が生まれた時も,パリで公演中でした.
家人にも,いろいろ無理言ってます.
で,何の話しかというと,ちょうどハブ空港の話を読んでいたのだが,別段その発想は新しいものではないんだなと,日本に居ると,まさに網の目のように張り巡らされた交通網が標準的なものに思えるけれど,フランスだと,都市設計から鉄道網まで,スター型というか自転車のスポークとそれをまとめるハブ方式.FedExがサービスを始めた時に,アメリカの何処かの空港をハブにして,画期的な物流システムを開発したみたいに宣伝していた記憶があるが,なんの事はない昔からあるシステムなんだ.
それで,パリというでっかい丸に,各スポークが刺さるように幾つも駅があって,そこからフランス各地に線路が延びている.
ということで,乗り換えも含めて,朝10時過ぎにLe Havreを出て,Saint Brieuc到着は夕方17時過ぎ.結構な長旅で,しかもほぼひと言もフランス語が解らないので,くたびれました.
前にも書いたかもしれないが,これだけ来ていても,僕の耳にはひと言もフランス語が入ってこない.これがスペイン語になると,結構するする聴き取れるのだが,どうも僕は視覚と繋げて音を聞くようで,基本的に読めない言葉は音も解らない.なので,韓国語も,何度聞いても単語がちゃんと言えないが,広東語やスペイン語はちょっとは頭に入る.
例えば,切符に書いてある指定席の「車両/〜号車」という単語を見て意味を理解しても,それをどう発音するのか分からず,結果何度見てもその単語をすぐ忘れる.何だかね,発音しないHとか,まともに言えたことのないRとか,子音が続いて並んでいたり,難しいですフランス語.結果,未だに数も数えられない...困ったなぁ.
写真は,Le Havreの港のランドマークになっている教会.結構凄いです.