Saint Brieuc

Saint BrieucでのMonster project初海外公演終了.
残念ながら,ダンサーの都合で,一人今回は代役が立つことに.急拵えではあったけれど,それはそれで新たな作品にはなっていた.僕は,照明での参加.
今回の劇場「La Passerelle」では,6年くらい前だと思うが,ダムの公演をしている.でもその時の会場は大きい方の劇場だったんだが,今回はPetit Theatre.
この劇場,全体的に古くて,ダメな所もいっぱいあるんだが,小劇場を今回じっくり見てみると,かなりかわいい素敵な劇場だった.自分の作品を公演したいかと言われれば,なかなか難しいとは思うが,趣味で持っていたい骨董品みたいな場所ではある.
フランス人は,「イタリアン・シアター」と呼んでいたが,額縁舞台のオペラ劇場.でも,かなりちっちゃい.ちっちゃいんだけど,バルコニー席は3層つまり4階まであって,4階はかなり高くから舞台を見下ろす.
この4階が,歌舞伎で言う大向こうになっていて,ここだけ客席が極端に安い席料な造りになっている.でも,写真を見てもらえれば分かるが,その席はそれなりにしっかり造ってあるのだ.
今でも,「大向こうを唸らせる」とか,言葉としてのオオムコウは残っているけれど,実際にこんなにすごく特殊なサイトラインの,こういう席を持っている現役の劇場を見たのは,初めてだと思う.
これは凄い.安い席を作るために,建築が頑張ってるわけだ.そうでもしないと,劇場としての席数が確保出来なかった,という考え方もあるけれど,でもたぶんもう少し大きな規模の劇場を造る事だって出来たはずだ.どっちかというと,このかなり小さな劇場を造りたいという意思/欲望が,この大向こうに象徴されているような気もする.
何だかね,楽しいんですよ.気に入った演目なら,ここからの様子を観るために,もう一度チケットを買って(しかもたぶん結構安い),このバルコニー最上階から見直してみようか,という気にもなると思う.大げさに言えば,そういう劇場文化が,確かにあるという,その記憶みたいな劇場でした.
写真は,まず小劇場の天井に燦然と輝くシャンデリアと天井画,それにグランドレベルから見た舞台と,外の待ち合い.

CeilingStage_01Lounge

そして,バルコニーと大向こうの外側の様子,それに内部の席の様子.

BalconyOomukou_01Oomukou_02

そして大向こう席上手端から見た舞台.ここから今回の公演を観た人は,たぶんいないと思うけれど,もしかなうなら僕は一度観てみたい.

Stage_02_2

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