Road is not for human use

TroyからMontclairに移動して数日.
昨日は,NYのJapan Societyに下見兼打ち合わせに行ったし,今日はMontclair UniversityのAlexander Kasser Theaterへ打ち合わせにも行った.
なので,別に閉じこめられているわけではないのだが,何でしょねこの閉塞感.
NYは,鉄道で1時間程度と,京都から大阪に行くような感じで,余裕で日帰りも可能.宿から徒歩圏内に,アメリカンな巨大スーパーマーケットもある.
しかし,とにかく,道を人が歩くようには出来ていない.山ほど走っている車の運転手も,どうも道を人が歩いてる事なんて,まあ有り得ないと思って運転している気がする.
なので,のんびり散歩気分でホテル周辺を歩くなんていうのは,危なっかしくて出来ない.いつ曲がり角から,車が全速で現れるか分からない.
それに,ホテルから劇場やNY行き鉄道駅,ショッピングセンターなんかに行くには,ホテルのシャトルのお世話になるしかない.無料サービスで,頼めば来るけれど,場合によっては15分や30分は,ぼーっとシャトルが来るのを,駅や劇場の前で待つ事になる.どうにも他力本願というか,何だか手も足も出ない感じ.
昨日,NYに行って,ヒトが一杯歩き回っていて,自分の足で到達できる範囲にいろいろな店や駅があるのが,どんなに新鮮だった事か!
ダムのメンバーの一人が言ってたけど,「ルームランナー」がなぜこの広大なアメリカで売り出されたのか,腑に落ちた.なんてケタクソ悪い環境でしょう.
とにかく車がないと,ここではヒトは消耗して死んでいくばかりだという気がする.
今年の1月に,Eaさんのツアーでまわった時もそうだったけれど,大学キャンパス内は,それはそれでけっこう美しく完結している.学食やカフェ,歴史ありそうな建築に溢れる木々と芝生.その中で生息する分には,必要十分な気もするが,どうもひどく胡散臭い.一歩外に出れば,まったくもってぜんぜん違う世界が広がっているのだ.そんな所で後生大事に知識を貯め込んで,そのギャップに疑問も抱かなかったとしたら,外に出た時に何か勘違いしないか?
ひょっとしたら,この合州国自体が,世界に対してそういう勘違いな場所なんじゃないか?

Montclair Holiday Inn

Montclairでのダムの公演も,あと2日.
この写真は,ここ10数日を過ごした,ホリディインの自室からの風景.

Holiday_in_1

一階の部屋で,ホテルエントランスを左手に見る,駐車場の真ん前.
さすがに,いつもは紗幕みたいなカーテンを閉めていて,開け放した事はない.
カーテンを閉めるとこんな感じで,

Holiday_in_2

外からだと,日中はまったく中は見えない.

Holiday_in_3

夜は,分厚い遮光カーテンを閉める.
たぶん,ホテルに言えば部屋は替えてくれるだろうし,誰が悪いわけでもないが,こんなホテルを設計した建築家は,頭がおかしいと思う.
僕はまあ,単にいったん荷物を広げたのに,わざわざ引っ越しするのが邪魔臭くてここにいたわけだが,でもまあ毎日部屋から見える空はずっと快晴で,こういう景色の部屋で暮らしてみるのも,それなりに面白かった.駐車場観察日記でも,付けてみようかと思ったくらいだ.
ダムの公演は4日間で4回.ちょうど良いサイズの劇場で,うまくセットも収まって,良い出来の公演だと思うのだけれど,いかんせんお客さんが少ない.なかなかNY市民は,ここまで足を伸ばさないようだ.せめて今日・明日(土日)と,沢山来てくれる事を願おう.

DAF Tokyo 2008

NY ニューアーク空港からDetroit経由で成田に.
赤坂に一泊して,翌日アメリカ大使館で次のNY「true」公演のヴィザ申請をして,その足で有明へ.
しかし,いち申請あたり120ドルも取るアメリカヴィザの発行は,もう立派な商売だと思うのだが(僕は今回初めて東京で申請したのだが,その日だけでも100人以上は申請に来ていた.1日100万強,10日で1千万のあがり...),何であんなに上から目線の対応かな?
今回の滞在は,会場の有明パナソニックセンター/スタジオのすぐ近くのホテル.ニュージャージーの地べたの部屋から一転して,地上14階.しかし,見えるのは相も変わらず人工的な景色.下手な建築模型の中で暮らしてるみたい.

Ariake

まあ,海が見えるだけまし.
今日金曜と明日土曜に,lostを公演します.
http://www.daf-tokyo.jp/pana2.html
一度にいろんなパフォーマンスが観れてしかも無料.多彩な共演者に,圧倒されてます.
中でもバチグンのお勧め,「ドラびでお」恐るべし!今回は,主催が主催なので,お上品バージョンとの事ですが,それでもグルーヴ感バッチシ,昨日の10分程度のショーイングでも,観客のハートを鷲掴み.
今夜のパフォーマンスも楽しみです.
よかったら,皆さんどうぞ.

@NY

昨日から「true」公演のためにNY入り.
折しも今日は,大統領選投票日.今こちらは夜23時過ぎで,TVをつけると,聞こえてくるのはOBAMA,OBAMAと,どうもオバマの勝利は確実みたい.McCAINの勝っている州もあるのに,アナウンサーの口からは,McCAINの名前はほとんど出てこない.
でも,NYの街中にいる限り,そんなに熱狂的な,例えばサッカーのワールドカップの時のような,大騒ぎは見受けられない.TVをつけると,何処かに物凄い人数が集まって,開票結果を固唾を呑んで見守っているのが映るのだけど,ホテルの窓から見る限り街は普段と変わりない.
でもまあ,そうは言っても,今日のセットアップは,選挙結果が気になるから早く帰りたい,という事で20時過ぎには終わったから,やっぱりみんな関心があるのは間違いない.何たって,国民が直接投票して選ぶんだからなぁ.
しかし,史上初のアフロ・アメリカンの大統領,もしくは初の有色人種の米大統領というのは,めでたいとは思うけれど,こんな莫大な負の遺産をブッシュ政権から譲り受けて,何とかなるんだろうか?
忘れっぽい民衆の記憶の中で,いつの間にか「やっぱ黒人の大統領なんてダメじゃん」と,全ての責任を押し付けられて,一期で消えていかない事を祈るばかりだ.大統領になった後で,「俺の政策がうまく行かないのは,みんな前ブッシュのバカのせいだ」なんて言っても,誰も納得はしないだろうし...
「true」@NY公演は,舞台の天井高4mという,今まで経験した事のないような条件下での公演.でも,現場での10日間の準備期間をもらい,リクエストどおりの音響システムも長期間借りてもらい,しかも舞台装置の建築足場は,天井高が低くて入らないからと,普通はレンタルするものをわざわざ購入して足を切ってもらうという,なかなか恵まれた公演でもある.契約はずいぶん前だとはいえ,こんなに経済が悪化している時に,きちんと対応してもらえるのは,ありがたい話だ.
舞台は,組み上げてみると,それなりの格好はついてきている.もちろん,オリジナルの舞台とは,見た目も受ける印象もずいぶんと違ったものになるだろうが,きっとこれはこれで面白いモノになるという確信じみたものはある.何より,普段のJapanSocietyの舞台を知っている人が見に来たら,その変わりようだけでも楽しめる事だろう.
さて,仕込みは明日まで.明後日からは,久々に腰を落ち着けて「true」のアップデート.ニュージャージーでのダム公演から東京に戻りDAF2008,その後京都での休憩を経て,山口でYCAM開館5周年をお祝いして,とってかえしたNY.楽しんでいきましょう.

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true in NYC 081108

trueのクリエーション/アップデートが続くが,みんな時差ボケに悩んでいる.
僕はどちらかというと,日本に居た10日間の方が時差ボケがひどくて,こちらに来てからだんだんと回復している様子なのだけれど,二徹や三徹夜くらい何ともないはずの他のみんなが,夜19時を過ぎるともう眠くてたまらない様子.
でも,とりあえず,今回一番の懸案だった「社会」のシーンは,そうそうにかなり再編集された音が出来てきて,振り付けが進んでいる.
音も照明も,一度データを変えればそれは定着するけれど,人体はそうはいかない.それに,明確に出来る事と出来ない事がわかるテクニカルに比べて,身体の動きはやってみないと当事者にも分からない,という事がパフォーマーにはある.ほとんどの事が,コンピューターを介してプログラマブルにできるようになった今,それでも人体を介したパフォーマンスが面白いのは,コンピューターを使う「ヒト」自体が,一番制御し難いモノだからと思う.
(でも,その人体の文字通り「顔」である顔面の表情筋をコントロールして見せている,true_音響・振動・システムデザイン・プログラミング担当のM鍋氏のYouTube動画は,ただいまホットに物凄いアクセスを記録している.http://jp.youtube.com/watch?v=YxdlYFCp5Ic
まあ,だからといって,今のところ本人にすごく良い事があったというわけでは無いようなので,誰か彼に幸せを運んであげて下さい...大きなお世話かもしれないけれど...)
明日の日曜は,今回唯一のオフ.もともとは休みじゃなかったんだけれど,NYC滞在という事で,そんなにぎちぎちに詰めればいいというものでもなさそうなので,休みになりました.この機会に面白いものを観れて,次にいかせればいいのだけれど...いまのNYCが,そんなにわくわくするほど面白いのかどうか,僕には分からない.ホテルと劇場以外,何処にも行っていないんだから,分からなくて当たり前か.
で,それでもやはり眠らないNYCというのは健在らしく,時差ボケで眼が明いた夜明け前5時過ぎでも,ホテルの向かいのビル群の明かりは煌々と灯っている.まあ,点けっ放しで帰るんだろうけど,朝7時頃にカーテンを開けると,もう向かいには人影が見えたりするから,本当に忙しい街なのだ.車のクラクションも,気にしだせばずっと響いてるし...

Nyc_night

そんな中,水曜の午前中は,Japan Society向かいの公園には,市が立っていた.たぶんニュージャージーからの,新鮮な野菜や果物,蜂蜜やオーガニックフードの屋台が出ていて,思わず買い求めた,しっとりとしたアップルケーキが,とても美味しかった.
あと,たぶんカリフラワー/ブロッコリーの亜種だと思うが,見慣れない野菜があって驚いた.何処かアジアの小国だとか,南アメリカなんかもそうだけど,市に行けば必ず見た事も無い野菜と出会うが,NYのど真ん中でも知らないものはあるのだ.
Strange_vegetable_01Strange_vegetable_02

そして,trueの進行状況.
なんだか,わざわざトリミングしたみたいに,映像が横長で上下切れてます.実際もこんな感じなのですが,でもそれで,作品の何処がマイナスなのかというと,照明灯体が目に入って眩しいという以外,さしたる違いは有りません.
こんなtrueが観れるのは,たぶん今回のみなので,皆さんお誘いあわせの上,是非おいで下さい.
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お待ちしています.

Various places

NYでのtrue公演は,無事に終了.
10日間のアップデート期間があったが故に,かえってパフォーマーには,ぎりぎりまでの変更で,過度な負担を本番でかけてしまったと思うけれど,公演自体はよくできたと思う.
経済は大変な状況で,しかもオバマ氏の大統領選出など,劇場に足を運んでるどころじゃないようなエキサイティングな時期だったのに,回を重ねる毎に(といってもたった3回だけれど),お客さんも増えていって,やっていて嬉しかった.
写真を見ると,やはり小さな空間だなあと思うけれど,たぶん始めて観るお客さんは,無理やりセットを空間に押し込めたような印象は持たなかったんじゃないかと思う.それだけまあ,空間にあわせてカスタマイズできたと...ひとえに,無理なオーダーをきいていただいた,JapanSocietyのおかげです.
また,何人か,古い友人にも会えたし,何よりNYの街自体に,すごく久しぶりに滞在したので,とても懐かしくもあった.ダムの最初の国外公演は,まさにこのNYのPS122という小劇場で,僕はまだ見習いみたいな立場でそのツアーに付いて行って,公演が終わってからもしばらく残って,ウロウロしていたのでした.もう20年も前の話だ...
そして,いったん帰国.3日ほど京都で休んでから,「lost」公演の為に山口湯田温泉へ.
「lost」は,ポータブルさが売り物だけに,今までにかなり変な公演歴をたどっている.
茅野市民館内の美術館>ハノイのオーケストラ練習場>別府温泉の商店街>有明パナソニックスタジオでのDAF東京>山口湯田温泉でのYCAM企画美術展オープニング,という流れだ.
今回は,この寒いのに何と野外!中原中也館前庭横の駐車場での特設ステージ.庭にはUVAのLEDポールのインスタレーションが立ち並んでいて,その点灯式が展覧会のオープニングセレモニーで,その後続いて「lost」を観てもらう.
市の関係者の人などが多くて,何といっても11月末の夜の野外,27分の作品といえども,寒くてどのくらいの人が最後まで観てくれるのかと心配したけれど,意外に?というのもおかしいけれど,皆さん最後まで楽しんでいただいた様子.
その後の,展覧会オープニングレセプションの会場でも,積極的に感想など話しかけていただいて,なかなかどうして,山口市の包容力というか,侮りがたしです.
もう時差ボケだかどうなってんだか分からない体調で,デジカメを持っていくのを忘れてしまったのが悔やまれる.しかし,朝晩と温泉につかって,疲れはかなりとれました.
で,京都に戻ったら,ちょうど娘の保育園の秋祭り打ち上げというのがあって,小さめの居酒屋ながら,店一軒丸ごと保育園スミレ組の父ちゃん母ちゃん子供でいっぱい,という中に突入.居酒屋の店長さんが,けっこう面倒見が良くて,カウンターに4〜5歳児ごっちゃり鈴なりというのを横目に,お茶をすする.実は翌日,ダムのツアーでフランスに行くので,まだ何だかんだと準備があって,お酒を飲んでリラックスというわけにはいかなかった.
そういえば,NY終了時,たぶん生まれて始めて集合時間を寝過ごした.しかも8時半ロビー集合という,そんなに無理のない設定.前夜,簡単な打ち上げをして,部屋に戻ってパッキングしながら,残っていたビールを2本空けた辺りまでは覚えているのだけれど,次に気が付いたら,ドアはガンガンノックされてるし,携帯は鳴ってるし,頭もガンガンしてるし,部屋の電気もつけっ放し.何とかまあ,フライトには間に合ったけど,かなりショック.
というのもあって,少々お酒を警戒しつつ,荷物をlost仕様からダム+Monochrome Circusの「怪物」公演仕様に切り替えて,翌朝関空へ.
エールフランスでフランス北東国境近くのMulhouseへ向かう.と,今度はエンジントラブルで,AF機の出発が2時間遅れて,機内で缶詰め.CDG空港でのトランジットが3時間ほどあったので,乗り継ぎに支障はなかったけれど,もしあれが飛ばなかったらと思うと,少々冷や汗モノ.
Mulhouseに同日夜中近くに到着し,翌朝から2日仕込みで続いて本番2日というスケジュールだったのだ.
なので,まあ無事に着いて良かったと,翌朝眠い目を擦りながら劇場に行くと,何と日本から送った機材が届かない.前夜,空港から町に向かう時にもかなり雪を目にしたのだが,けっこうな寒さなのだこの辺り.それで,輸送トラックが,何処かの峠で雪でスタック,朝8時半には劇場に着く予定が半日以上の遅れ.
劇場は,客席1000人程度と大きなところだが,意外にけっこう使いやすい.年に何度,この席が全て埋まるのかと,疑問に思わないではないが,「大き過ぎる」以外の劇場の仕様は,細かなところまで配慮されていて,建築家のエゴより気遣いの方が多く感じられる設計で,いろいろな公演にちゃんと対応できるような印象.劇場の事が分かってる建築家さんの設計なんでしょう.その辺り,フランスは結構ちゃんとしてる.
写真は,true@NYと,終演後,テーブル内部見学に群がる友人知人.

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MulhouseのLa Filature内,大劇場.仕込み開始時,パフォーマーの場当たり,終わりの挨拶.まあ,一箇所目,無事に終了.

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Think about the hotel

MulhouseからLe Havreに移動.
今回のツアーは,よほど乗り物運に恵まれていないのか,MulhouseからParisまでのフライトは,問題なく飛んだものの,CDG空港からLe Havreに向かうバスが,途中でどうも様子がおかしくなる.うとうとしていたので,どの辺りからおかしくなったのか分からないが,道中後半は制限時速100キロ程度の高速を,ぜいぜい息を切らしながら60キロほどで走っていた模様.でも,何とか止まってしまう事なく,夕刻にはLe Havreに着いた.
「ル・アーヴルの第2次世界大戦後の再建計画は都市計画の伝統と近代の建築・技術・都市計画の発展の先駆的試行における統合の顕著な例である。」
「ル・アーヴルは組み立て式の工法と形式・基準寸法の機能的利用・コンクリートの革新的使用に基づく都市計画・建築の顕著な第2次世界大戦後の例である。」
との理由で,世界遺産に指定されている町ですが,今の時期,天気悪くて寒くて太陽の出てる時間少ないです.調べてみると,今日の日の出は08:39で,日の入りは17:08.とにかく,朝8時に起きても,まだ窓の外は暗い.
そんな中,幸せな事に,ホテルはなかなか居心地が良い.しかも,次の公演仕込みまで,3日間のオフ.(今頃,Voyageのセット・機材は,Mulhouseから峠を越えて,トラックで運ばれているはず.)
しかも,さすが海の傍,牡蛎も魚も美味しい!
ホテルの部屋は,そんなにだだっ広くないものの,入り口と部屋の間にちょっとしたエントランスがあって,そこに浴室とクローゼットがある.なので,ホテルの廊下からドアを開けても,寝室に入るには,もう一枚ドアがあって,それが結構プライベートな感じで良い.部屋のインテリアも,すっごく高級な訳ではないけど,ちゃんとデザインされている.
最初は,まともな机が無いのが不満だったんだけど,後の写真にあるように,ベットを跨ぐように,ちょっと病院っぽいともいえる棚みたいな机があって,これがなかなか使い勝手が良い.ずっと暮らす自室にあると,上にどんどんモノが積もっていってどうにもならなくなりそうだが,一週間程度の滞在だと,かえって部屋を広く使えて暮らしやすいかもしれない.
それに,久々にバスタブもあるし,ネットはちゃんと繋がるし,この機会にゆっくりしながら,溜まっていた図面仕事などを少し片づける.
ちなみに,窓の外にはこれから公演する劇場が見える.オスカー・ニーマイヤー設計「Le Volcan」.何で劇場が「火山」なんて名前なんだろうと不思議に思ってたんだが,実際に見たら一目瞭然.大劇場と小劇場があります.まだ中には入っていないけれど,窓の外を見ても楽しい.
それで,部屋でうとうとしつつ,これまでにツアーでまわったホテルの事をつらつら思い出しつつ,ランク付けしてみた.
ダントツで良かったのは,セビリアのPatios De La Alameda.
仕事で行っているので,基本的には寝れればいいようなもんだが,ここは建物の中に入るだけでずいぶん幸せな気持ちになれた.ダムと,それからRCの公演でも泊まったので,一度だけの印象じゃない.僕は,セビリアの街がかなり好きだけれど,その半分くらいは,このホテルに滞在していたせいかもしれない.
部屋での仕事のしやすさというか,ホテルのサービスなどのソフト面とハードの充実だと,アメリカ・ポートランドのThe Heathman Hotelが,すごく記憶に残っている.ずいぶん前なので,細かな所までは覚えてないんだけど,ベットルームと別に,使いやすい机のある部屋で,気持ち良く過ごした.
面白かったホテルは,LAのThe Standard Downtown LA.正式にはStandardのロゴが,上下逆さに逆立ちしている.デザイナーズホテルの極みみたいなもんで,僕がのぞきに行ったメンバーの部屋は,ひとつとして同じじゃ無かった.その全部が,Not Standard.
ついでに書くと,プライベートで行ったところでは,バリ島のウブドゥのAlam Indahが,価格とロケーションを考えると,とても良かったかな.
でも,インド北部のチベット文化圏Ladakhの街Lehで,数週間ベースにしていた,今はもう名前を忘れてしまったゲストハウスも,そこからの景色は忘れがたい.ペントハウスで(といっても3階建てくらいだけど),屋上にはその部屋しかなかったので,三方がガラス窓でもかなりプライベートな環境で,部屋の中から窓越しにも,深い青色の空とそそり立つ山々が見えた.夜は,空が星で埋まっていた.
シャワーも満足に無いような宿だったけれど,いつかまた行けるものなら再訪したいもんだ.
写真は,Le Havreのホテルの部屋と,その窓から見えるLe Volcanの威容.

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Finish, Travel and her birthday 2008

Le Havreでの公演終了.一回だけの公演で,照明のフォーカスにちょっと手間取った事もあって,仕込み1日目・2日目そして本番で続けてバラシと,バタバタと過ぎていった感はあるが,その前に3日間も休みがあったし,何よりお客さんがかなり来てくれたので(実数はちゃんと知らないが,パッと見800人位.1200の客席の両側を,見切れで切ってました),充実した滞在でした.
天気は悪かったけど,冬に来れたのは,食べ物の美味しさからいえば正解だったかも.
劇場は,見かけの異様さも含めて,まさに「昔の未来」.結構設備もくたびれていたけれど,そんな中,ちゃんとシンクが付いていて,ソファーなんかも置いてある休憩室(グリーン・ルーム)は,なかなかお洒落で快適でした.
変な所もいっぱいあったけど,基本的な設計は,わりとちゃんとしているのだ.惜しむらくは,何だか全体的にくたびれてきている.たぶん,管理とかメンテナンスがもっと行き届いていれば,抜群に良い劇場なんだろうけれど,人も設備も新陳代謝が衰えている感じ.
そして,僕は翌日,別の公演のために一人Saint Brieucへ向かう.地図でみると,Le HavreからSaint Brieucは,海岸線をたどって行けそうなんだけど,だがしかし,送られてきた列車のチケットはパリ経由.Le HavreからSaint Brieucへの距離を仮に100とすると,80くらいの距離にあるパリまで戻り,それから,140位の距離を走ってSaint Brieucに着く.
しかもパリでは,重い荷物をゴロゴロ転がして,St LazareからMontparnasseに地下鉄で移動.前夜の打ち上げ+メンバー数名の誕生会もあって,ふらふらした足取りの僕には,かなりきつい行程.
ちなみに,ダムのメンバーの2人は同年同日の誕生日で,しかもそれがウチの娘と同じ日(正確には,ウチの娘が,同じ12月6日生まれ).
皆さん,おめでとうございます.ウチの娘さん,スマン,お祝いできなくて...そういえば,彼女が生まれた時も,パリで公演中でした.
家人にも,いろいろ無理言ってます.
で,何の話しかというと,ちょうどハブ空港の話を読んでいたのだが,別段その発想は新しいものではないんだなと,日本に居ると,まさに網の目のように張り巡らされた交通網が標準的なものに思えるけれど,フランスだと,都市設計から鉄道網まで,スター型というか自転車のスポークとそれをまとめるハブ方式.FedExがサービスを始めた時に,アメリカの何処かの空港をハブにして,画期的な物流システムを開発したみたいに宣伝していた記憶があるが,なんの事はない昔からあるシステムなんだ.
それで,パリというでっかい丸に,各スポークが刺さるように幾つも駅があって,そこからフランス各地に線路が延びている.
ということで,乗り換えも含めて,朝10時過ぎにLe Havreを出て,Saint Brieuc到着は夕方17時過ぎ.結構な長旅で,しかもほぼひと言もフランス語が解らないので,くたびれました.
前にも書いたかもしれないが,これだけ来ていても,僕の耳にはひと言もフランス語が入ってこない.これがスペイン語になると,結構するする聴き取れるのだが,どうも僕は視覚と繋げて音を聞くようで,基本的に読めない言葉は音も解らない.なので,韓国語も,何度聞いても単語がちゃんと言えないが,広東語やスペイン語はちょっとは頭に入る.
例えば,切符に書いてある指定席の「車両/〜号車」という単語を見て意味を理解しても,それをどう発音するのか分からず,結果何度見てもその単語をすぐ忘れる.何だかね,発音しないHとか,まともに言えたことのないRとか,子音が続いて並んでいたり,難しいですフランス語.結果,未だに数も数えられない...困ったなぁ.
写真は,Le Havreの港のランドマークになっている教会.結構凄いです.
Church_01Church_02Church_03

これは,Grand Volcanのグリーンルームや,エントランス周辺.何気なく,天井にまで文字が.
Greenroom_01Greenroom_02TheaterentranceTheaterlobby

あと,本番中に写真撮ってみました.シャッター音は,たぶんお客さんには届かなかったであろうと...
Performance