今や,アメリカのカラーキネティクス社本家も傘下に収めた大企業,フィリップスの発祥の地だというEindhovenで公演.確かその昔,フィリップスとソニーがCDを共同開発したと記憶している.
そのEindhovenでは,結構街の外れにいたようでかなりの田舎町の印象だったが,ドイツへの移動日に駅へ向かうためにタクシーで町を横断したら,中心はそれなりの都会でした.で,外れに居たのはそこに劇場があったからで,そのParkTheaterというのがでかくて立派.こんな田舎町に(失礼!)なぜこれほどの????という疑問が浮かぶが,どうやらお金持ちの町らしい.
中華を食べにレストランに行ったら,それなりの値段で驚く.でも味は確かに美味しかった.
はたしてどれほどの数のお客さんが,と心配していたら,もう切符は売れていてほぼ満席だという.500席くらいのホールだけど,どこからそんなに人が集まるのかと思ってたら,いやいやどうして,いっぱい来て下さりました.ただ,アムスよりかなり年齢層が上で,途中で帰る人もちらほら.
アムスのアンケート(英語)を見ると,絶賛と酷評が同じくらいある.酷評した人も,アンケートを書いてくれるくらいだから,たぶん最後まで観てくれて,ちゃんと意見を知らせてくれる.ありがたいです.
で,もっとも多い理由が,「音が大き過ぎる」と「わけわかんない」の2つ.両方とも,それなりにもっともで,僕の不徳のいたすところだけど,何となくこういう事かなと思う.それは,テレビでドラマを観てる思って,ある番組をずっと見てたら,科学ドキュメンタリー番組だったという感じ.
そりゃまあ,「なんじゃこら!?」でしょう.でも,ドキュメンタリー番組も物凄くドラマチックだったり,今まで知らなかった不思議な物語が含まれていたりするんですけどね.
それが,ちゃんと伝えきれていないのは,こちらの責任です.もっとちゃんと考えて,作品中で対応しないといけないと反省しきりです.
で,Eindhovenの劇場と,そこからデュセルドルフへ移動する道中.大中2つの舞台がある劇場の搬入口は,10トントラック4台同時搬入可能.
駅にあった寿司+ラーメン(カップヌードル)屋さんに,怪しげな日本人が群がってます.駅のホームの集団も変.
Dusseldorf_tanzhaus
true_EUツアー3箇所目は,デュッセルドルフのTanzhaus.
ピナバウシュさんがいた,ヴッパタールも近い.
Tanzhausは,これまで2度ダムで公演してる.いろいろ好き勝手にやらせてくれる,という意味では使いやすい場所.
ただ今回は,どうも劇場テクニカルスタッフの新陳代謝が,うまくいってないような印象を受けた.前は機転が利いてパキパキ動いていたスタッフがいた覚えがあるが,今回はどうもかなり疲れた様子の高齢の方か,後はどう見ても10代でまだよく自分の仕事がわからない若者.その間がいない.まあ,たまたまそういうローテーションに当たっただけかも知れないけれど,もしずっとああいう構成だと,何処かに無理が来そう...良い公演を沢山やってる,良い劇場ですが.
で,僕等はTanzhausが持ってる,レジデンスアパートに宿泊.1フラットに3部屋の個室とバストイレ・キッチン.そういうフラットがいくつかあります.毎朝交代でパスタを作りコーヒーを入れ,劇場に通いました.
写真は,Tanthaus正面,名物?のアイスバーンは,豚足のドイツ風煮込みという感じでそれに芋とキャベツ.
前回見つけてファンになったセレクトショップ「MANIA FACTUM」.Loftみたいなとこですが,10倍は洗練されてます.日用品から食品衣料,園芸用品やおもちゃ,カバーしている品物のエリアに対してはあまり広くない店内なので,選びに選んだ物だけ置いてある感じ.波長が合う人には堪りません.次の写真の赤いLEDの柱と,その近くの三角の噴水が目印です.その半径50m以内.
Frankfurt_Mousonturm
Frankfurtの劇場は,Mousonturm.とても居心地の良い街の一角にある.
なぜかこれまでFrankfurtには縁がなくて,公演に訪れた事が一度もなかった.
劇場は,元石鹸工場との事で,5階建てのビルの1・2階が劇場部分とカフェ,上は劇場のオフィスとリハスタジオ,さらに3部屋のレジデンス施設がある.正直言えばちょっと狭くて,見切れも多くて,邪魔っけな柱なんかもあって使い辛いけれど,それを補って余りあるほどスタッフが熱心でフレンドリー.
こういう,少々使い辛い場所ほど,良いスタッフが揃っている場合がある.
お客さんも,客席が全体に近くてあまり席数が多くないというのが関係しているせいか,舞台で起こっている事を,積極的に観てやろうと思ってくれているのが伝わってくる.
仕込みも公演もバラシも,とても気持ち良く楽しみました.
写真.Mousonturm今シーズンの予定.このツアーで初めて,僕のリクエスト通りの公演団体名で告知されている.Oktober 09の「10 Japanese Artists Collective」というのがそれ.
通常より1m間口の狭い舞台.
2階席奥のオペレーションテーブル.それでも,舞台にかなり近い.
ドイツといえば,肉料理.これで,12人前.そして,それを嬉々として切り分ける2人.なかなか楽しいらしい.
そして,AmsterdamからこのFrankfurtまで公演を手伝ってくれたデニスとパトリックのお別れ会.(トラックドライバーのロジャーは最後まで輸送してくれるが,2人のヘルプはここまで.)
最終公演終了後,バラシ・パッキング・積み込みを終えて5階のゲストルームで.ここには,パフォーマ2人とデニスが泊まっていて,残りは駅前のホテル滞在.ツアマネを担当していただいたTG氏の腕が冴える.献立はすき焼きとショウガの利いたスープとサラダや酢の物,締めはラーメン.林立するワインを飲み干し,お腹ぱんぱん翌日は二日酔いで公演最終地パリへ.パリは,日本文化会館の括り.
Paris to Kyoto
パリから戻って1週間弱.
パリ公演は,地元スタッフの労働時間制限の関係で,余裕の3日間仕込み・リハ.
10時に劇場入りして,遅くとも20時までには出なければいけない.それも,音響・照明・舞台の現地スタッフ入り時間をずらして,いろいろ調整してなるべく長く劇場に僕等が居られるようにして,その時間設定.
なので,通常2日仕込みのところを,3日にしてもらった.というか,劇場側からそう提案してもらって,とてもありがたかった.
で,おかげさまで,夜に時間の余裕が出来て,フェスの他の作品を観に行ったりゆっくり食事に行けた.それに,余裕と良いスタッフのおかげで,とても綺麗に舞台がセットアップできた.
もともと器(劇場)も,「true」にちょうど良い大きさなのだ.舞台も客席も.全体の内壁が,日本の伝統的な催し物にフィットしそうな木目で被われているのは,もうどうにもならないが,そこは現地スタッフが心得ていて,舞台側はちゃんとブラックボックスになるようにシンプルな仕組みができている.それも有り,ツアースタッフの力もあって,全体的にベストな公演だったと思う.
パリは,dtで何度も訪れている.なので,知り合いも多い.懐かしい顔にも会えた.
とても良いtrue_EUツアー09最終公演地だったけれど,フェスのHPとパンフに,作品がまるで僕とS井君2人だけの共同制作のようにクレジットにされていたり,dtの作品だと思ってる人がいたりして,これだけはいくら修正しようとしても,なかなか思うようにならないのが残念.
いちおうディレクターという肩書きの僕が,違うから修正して下さい,といっているのに直らないのはいったいどういう事なのか?これだけが,とても残念でした.
なぜか,余裕のスケジュールにも関わらず,ぜんぜん写真を撮ってなかったのも謎.
パリ滞在中に食べたもの.
Hawaiiのベトナム料理(わかる人にはわかる),ピケ駅近くのレストランの貝盛り,ムール貝で有名なレストランのムール鍋.日本文化会館近くのレバノン料理.同じく近くの和食.同じく近くの韓国料理(といっても,さばの塩焼きとキムチやナムルの小鉢と白いご飯とみそ汁).後はハンバーグって,結局フランス料理らしいものは,フルーツデマール(貝盛り)以外食べず.
でも,全部美味しゅうございました.
で,ただいま京都に帰って充電+仕込み図制作中.
ちょっとしたら,「true」リオ・サンパウロ/ブラジル公演+dt「Voyage」アテネ/ギリシャ,カンヌ/フランスツアー.
なので,プランニングの間に,整体・焼き肉・スーパー銭湯・娘の自転車の並走と身体のメンテ.