The head is operated?

沖縄から帰ってきた。
実はこの2週間、沖縄に滞在して、川口隆夫の「A Perfect Life」の照明デザインとオペレーションをしてきた。
作品はこの難しい時期に、地震や津波や原発をいやが応でのその内に取込みつつ、あくまでも個人の生活について語り、しかも沖縄/コザで制作発表し、那覇でも公演するというもので、いや本当に大変だっただろうなと思う。でも、その甲斐あって、このシリーズの中でも出色の出来ではないかと、密かに感心している。
詳しくは、クリエーションの後半から参加した僕の言葉より、この「A Perfect Life in 沖縄」を企画し実現した、沖縄のアートプロデュースユニットcimarcus(シマーカス)のブログを参照してほしい。
ところで、この沖縄滞在から戻ってきて、驚いたことがひとつある。
それはテレビの平穏さというか、不気味なまでの沈黙と言ってもいいかもしれない。
沖縄滞在の間、僕らはわりと広いマンションで共同生活をしていて、そこは部屋は十分な広さだが、普段使われているわけではないので、家財道具などはほぼなくて従ってテレビもなかった。でもネットは通じたので、僕はほぼ毎日ネットで情報を漁っていた。
やはり原発は気になるし、ソフトバンクの孫さんの発言も気になる、何よりこのブログに載せたように、被爆の許容範囲の数値を、一気に20倍に引き上げるような措置をとる政府も気になる。
そんな状況だった僕が自宅に戻ったのは、折しも放射能防護担当内閣官房参与である小佐古敏荘氏が辞任してから、まだ3日しかたっていない日である。
何たって、政府から委託されていかに放射能の害を防ぐかという提言を請われた人物が、いまの20倍にあげられた基準はおかしいと表明したのだ。
コトは、我々のこども達の命に関わる、遠く離れたチリで会ったこともない33人の男達が救出されるのを、あれほど延々と放送し続けたテレビや新聞が、この重大事をいかに伝えるのか?!!!
結果、僕はここ数日、一度しかそれも数秒だけしか、小佐古敏荘氏の顔をテレビで見ることはなかった。
しかも、ネット見ていくと、地震/津波後の早くも3月31日には、原発を推進してきた「青木芳朗」元原子力安全委員を筆頭に16名もの原発推進派が、原発は危険だから止めた方がいいとの意見を表明している。
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/blog-post_12.html
この事実は、日本のマスコミでどう伝えられたのか?
テレビでは、相も変わらず平穏な番組が流れ続けている。
僕は、お笑い番組が大好きだ。毎日きついニュースばっかり流れているテレビなんていうのは、出来れば遠慮したい。芸人さんは、変に説教めいたことを言うより、トリックスターとして毒々しく無遠慮に世間を笑い飛ばして切ってくれればいいと思う。
しかし、人の命に関わるようなことが起こり、その件に関して、今まで専門家としてさんざん言説を作り出していた当の識者が、「いまの現状はおかしい!」と声をあげたら、その件に関してはまったくもって黙殺されるとは、いったいどういうことだ?
テレビや新聞というのは、所詮そんなものなのか?
それじゃあ、ネットにじわじわと首を絞められ、世代交代されていっても同情の余地もない。自国民を守れない、重要なニュースの選択も出来ないジャーナリズムなんて意味がない。

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