えー,シンガポールビエンナーレ出品の,中谷さんの霧の彫刻に,照明を付けに来ている訳ですが,現在シンガポールは,ほぼF1に占拠されておりまする.
今日になって初めて,ビエンナーレの垂れ幕というか看板というかが,街中にお目見えした訳ですが,もう僕が到着した5日前頃から,既に街はF1色が濃厚でした.
ホテルから展示の現場に向かう途中に,レースコースになる所があるのですが,もうえらい事になってます.問題は,F1が夜に行われるという1点に絞られると思うのですが,とにかく全コース道路を明るくしないといけないわけです.そう,シンガポール初のF1は,モナコみたいに公道で,しかも夜に行われようとしている訳です.まあ,無駄っちゅゃあ,すんごい無駄.
推測だけど,たぶん昼間に全交通を遮断して,つまり街の機能をストップしてレースをするには街が活発に生きていすぎて,それは無理だけど夜になったら(何時から開催かは知らないけれど)街の交通を全部遮断してレースコースにできるという算段らしい.確かに,小国であるシンガポールならではのアイディアではある.
しっかしまあ,その為の準備に費やされる予算と労力の,馬鹿らしいまでに膨大な事...たぶん,イベント全体の収支としては,十分まかなえているのだと思うが,しかしこれが必要か?
写真は,その為に準備された公道の様子.
観客をプロテクトする為に,まずコンクリートのブロックが置かれ,それにフェンスが付き,レーサー側のオーダーとして,「コースを真昼並に明るく」する為に道路の上方にトラスが設置されて,トラス上各数メーターおきに水銀灯が設置.
そのトラスを支える柱と照明用の電源ボックスがペアになって,コースのサイドに,延々と連なっている.
F1の周回コースが標準で何キロなのか,詳しくないのでよく知らないが,聞いた噂だと5キロとか.そうなると,仮に10mおきに支柱が建っているとして,5キロで500本!10m間のトラスに2mおきに5個水銀灯を吊ったとして,2500灯!全てに電源をとり,何ヶ所かには発電機を置き...
これが,本番としては1日,テスト・ランを仮に2日やったとしても,計3日間のイベントの為のものなんですな.いやもう,よくも悪くも,美術展より凄い.エコだの何だの,ちゃんちゃらおかしいという感じ.終わったらこれらの機材,どうするんでしょう?
ビエンナーレの展示は,遅々として進まないけれど,着実に少しずつは前進している感じ.
照明は,既に設置して仮プログラムも済み,後は実際のシークエンスに合わせるだけなのだけれど,肝心の霧が,機材の都合でなかなか出ない.霧が実際に出ないと,現実的なシークエンスを組めないので,照明の調整にも待ったがかかる.
とりあえず,そんな状態なんですが,まあ明日夜には霧が出て照明もついている予定.
とりあえず,ちょっとは出ている霧と,それに絡む照明.
乞うご期待.