Shanghai 01

上海に来て数日.
今回は,ダムの作品のインストール.O Art Centerという美術館でひらかれる,Body Mediaという展覧会.
僕たちの作業の様子も含めた日々の詳細は,美術館のブログで公開されている.
http://www.oartcenter.com/wblog/
上海は,僕が生まれて初めて訪れた海外の地でもある.
1984年ごろ,日中国交正常化がなされてわりとすぐに,ひょんな事から上海・西安・北京と廻るチャンスがあって,生まれて初めて国外に出た.あれから数十年,当然隔世の感がある.その時は,まだこっちの人はほぼ全員人民服を着ていたのだ.
上海は2010年にエキスポが,北京は2008年にオリンピックだ.なので,もう街中が工事中.しかし,東京オリンピックと大阪万博や,バルセロナオリンピックとセビリア万博みたいに,こういうのはセットになっているものみたいだなぁ.そうやって,一時期に一点にお金が集中して,「開発?!」されて行く事の繰り返しで,ずっと稼いでいる人がいるのだろうね.
しかし,この時期の上海,毎日曇っていて,京都以上の湿気と熱気.まるで,埃だらけの蒸し風呂です.ただ,ご飯はたいてい何処で食べても,安くて美味しい.
そうそう,YCAMのサイトに,9月の新作「true」の紹介ページができました.また,チェックしてみて下さい.
http://www.ycam.jp/?module=event&action=show&id=572

Shanghai 02

TobiGranularNabe
もう何日目だか判然としない,蒸し蒸し泥デロ搬入.
しっかしまあ,英語の通じない事.いや,別に中国人が,英語を話せなくてはいかん,といういわれはないのだが,しかしお互い相手の言葉が話せないのに,どうやってコミュニケートすればいいのやら.
それはさておき,日々工事現場みたいなところで,作品の組み立てをしているわけだが,いろいろと呆れる事,感心する事多し.さすが中国四千年の歴史,侮りがたし.
昨日一番感心したのは,最初の写真の鳶職人.まだ十代でも通じそうな若者で,作品の構造を固定するワイアーの仕込みを頼んだら気軽に引き受けてくれた.何処から張ろうかと訊くので(身振り手振りで),できたらあそこからがいいなぁでも無理かなと,10mほど上の梁を指さすと,「あいよっ」と消えて行った.で,数分後にはひょいひょいとその梁の上を歩いて行って,両手を放して普通に立ってこっちにワイアーの端を投げてくれた.命綱もセーフティネットもない,ちょいと散歩に行くような気軽さである.
美術館の表に仮設されている,分館のような展示スペースも凄い.2枚目の写真の構造が出来上がるまで,ほぼ4日.建築足場とプラスティク製の布の構造で,天井部や床のパーツを除けばほぼ2日で,何にもない空き地にこれだけのモノが立ち上がった.けっこう強い夕立なんかにも耐えて,どんどん建築物らしくなっていく.
3枚目は,夜中近くに唯一開いていた食べ物屋にて.ひどくお腹が空いていたので,3人で行ったにしては頼み過ぎ.しゃぶしゃぶ屋さんみたいなところで,いろんな具をこまごま頼んで楽しむ.茸の盛り合わせは,初めて見るモノもあって(ひょっとしたら,知ってる茸が巨大化しただけのものかもしれないが...),興味は尽きず美味しくいただく.

Shanghai 03

Sunday_loadBacksideMaruyakiDim_sumLubolang
段ボール肉饅の話を書こうかと思ったら,捏造らしいとのニュースが23で流れていた.
上海で一番感じたのが,食への執念というか,簡単にいえば1元(約16円)の肉饅でも,当然とにかくまずは基本美味しいのが当たり前という質の高さである.
日本だけじゃないけれど,安かったり夜中に開いていたり注文してから来るのが速かったりという条件があると,まあまあの味でも食べられるだけでも幸せというような感があるが,それは上海では通じない.
たまに,化学調味料てんこ盛りか?という味に出会う事もあるけれど,とにかく何処でもまずは美味しい.美味しいのが当たり前,その上で遅くに開いていたり,値段が安かったりという特徴で,客を集めているという感じなのだ.
そのもっとも印象的なのが,道端で売ってる点心だった.だいたい1元,高くっても2元以下で1個.僕の知っている言葉で書くなら,糯米萬頭だ焼売だというものが,ワサワサ人が集まっている道端で売られていく.「何て美味しそう!」という期待に違わず,それらは美味しいのだ.高額のレストランが美味しいのは当たり前,でも上海では1元の萬頭でも美味しくなければたぶん人は買わない...なかなかすてきな街でした.
帰国当日,フライトが18時過ぎなのでそれまでの数時間,美術館の人が残園に連れて行ってくれた.日本でもさんざん紹介されているだろう,上海随一の観光地/旧市街.その中でも,USA_クリントンやUK_エリザベス女王が訪れたという「Lu Bo Lang(緑波廊)」でランチ.とっても美味しゅうございました.