ポンピドゥの近くに,ナイスなネットカフェを発見.
なんと,IPを設定して,自分のコンピューターをネットに繋がせてくれる.何処でもこうだと良いのに.
毎日pb15を持ってシャトレまで出るのはちょっと億劫だけれど,でもデータのやりとりの心配や,いちいち日本語フォントをダウンロードしてインストールする手間を考えると,こっちの方が楽.どうせこの辺までは,毎日出てくるし.
昨日のEmio Grecoは,勅使河原三郎の影響からはぜんぜん脱していなくって,まるまるコピーかと思うところもあったけれど,まだまだガンガン身体が動くので,ダンスはとても良かった.照明も,舞台中に変な塊として吊られていて,それもまあまあ.
でも,これは僕が悪いのだが,どうも現代音楽を聴くと,眠くなるという癖があって,直球勝負な生音に,瞼が重くなる.センサーを使って,何かインタラクティブに音を出していたみたいだけど,ステージに目と耳がちゃんと付いているプロの演奏家が何人もいて,おまけに指揮者までいる中で踊っているわけで,何も機械でセンシングしなくったって,ちゃんとミュージシャンがフォーローしてくれるだろうと思うと,ご大層なシステムを客席奥に組んでまで,無理矢理インタラクティブに何を動かしているのか,あまり意味が分からなかった.
僕としては,もっとノイズとかでEmio Grecoがガンガン踊っているのが,見たかったなぁ.それが例え,コピーだとしても.
Bastille, Combs la ville, Angouleme
バスティーユ・オペラの「トリスタンとイゾルテ」は,凄かった.舞台上にあるのは,装置としてはベットのような四角い台だけ.後は奥を全面被っている黒いスクリーンに映される,Bill Violaの映像のみ.(黒いスクリーンと書いたが,本番では黒の幕が上下左右に開いて,その裏に白いスクリーンがあったのかもしれない.映像のチェック時は確かに黒の上に投射していたが,本番中は地の色が黒なのか白なのか,眩しくてよく分からなかった.)
横型の16(横):9(縦)と4(横):3(縦),それに縦型の16(縦):9(横)の映像を使い分けていて,映写室を覗いたらBARCOが2台あったのだけれど,縦型と横型の映像用に使い分けているのか,それとも1台は予備機で,あのプロジェクターが内蔵シャッターでどうとでも映像を切れるのか,どちらか分からなかった.
あと,たぶんアクティングエリアの床あての照明も,天井に吊ったビデオプロジェクターのようで,綺麗に4:3の大きさでエリアが切られていて,時々映像にあわせて色が変わっていた.もちろん,フロントからのフォローとか,幾つか通常照明も使ってはいたけれど...
それで,間の休憩2回を抜いても,4時間あまりたっぷりBill Violaの映像を堪能できる.端的に言えば,大きなスクリーンに無茶明るいプロジェクターで投影したビデオインスタレーションに,豪華なフルオーケストラと,上手なオペラ歌手がくっついているような物だった.
そしてオフが終わったら,怒濤の地方巡業で,パリから車で1時間半程度の町 Combs la villeへ,朝早くから出かけてセットアップ,夜中にパリに戻って翌朝またその町へ.そして公演してバラして,またパリに戻って,翌朝早くにモンパルナス駅に向かい,TGVで2時間程度のボルドーの町 Angoulemeに直行.10時過ぎに着いてセットアップ.で,翌日公演とバラシ,というスケジュール.
ところが,何とTGVが霧のため途中で止まって,1時間ほど動かない.何だかなぁ,日本を発つ時にも同じようなことが...結局,Angoulemeの劇場に着いたのは,昼を少しまわった頃.この3月にダムの公演できた時も,香港から一度日本経由で,ふらふらになりながら,他のメンバーより半日遅れで,この劇場に入ったんだった.どうして,こういうことに...
でも,列車の中から電話で指示を出していたこともあって,それほど深刻な遅れはなく,あと数時間後には今ツアー最終公演が始まる.
この劇場は,照明室からネットに繋がるので,とりあえずこのページも更新.
前にも書いたかもしれないが,古い建物の内部だけを劇場にリノベーションしたところで,非常にうまくできている.
写真は,劇場上層階側面に,新しく造られた通路.古い建物だし,内部の壁をぶち抜いて通路を一本通すより,この方が良いかも.眺めも抜群.
lucky !
昨日の昼の便でパリへ.
ダムのツアー,CHALONS EN CHAMPAGNE/France,NIMES/FranceとLINZ/Austriaの3カ所で公演の予定.その後,別の仕事でパリに数日滞在してから帰国.たまたまこの頃にヨーロッパにいるということで,仕事が入ったが,こういうのはとても面白い.普段と違う場所で,新しい人達と一緒に働くのも,新鮮でいいかなと思う.
それで,とにかく昨日関空に向かったが,チェックイン・カウンターで,受付のオネーサンの様子が少しおかしい.「お一人ですか?」とか質問されたり,隣の少しえらそうなオネーサンと,何やら記号で話したり.
これは,,,もしや「あれ」かも!!!と思っていたら,ビンゴ!
「今日はエコノミーが満席なので,ビジネスに移っていただきます.」とのこと.やったぁー,やったーぁ,人生で3回目くらいのラッキーである.
しかも確か全部AF(エールフランス).嬉しいなっ,と.
そのかわり,逆にAFには,フライトキャンセルを食らったこともある.ある朝,空港まで行ったら,この便は飛びませんと言われ,他の人達が大阪のホテルに返送されるのを尻目に,さんざん粘って,東京経由で,ロンドンか何処かまで飛び,それからまた乗り換えて,Toulouseに行った辛い思い出...あとは,フライトが遅れて,乗り継ぎに間に合わず,ニース郊外の周りに何にもないホテルで一泊,ということもあった.
まあ,良いことも悪いこともあると...全体的に,つまりはいい加減なわけだが,それが裏目ばかりに出るわけではない(少なくとも僕にとっては)ということ.
ビジネスは,とにかく座席を倒したら,足を思いっきり伸ばしてほぼ寝ながら飛べる.食事も,ワインも豪華.エコノミーの苦行ではなくて,ゴロゴロしながら本を読んだり映画を観る時間を,12時間ほど与えられたようなもの.
楽チンでした.
しかし,後が怖い...忘れた頃に,いきなり今度は飛ばなかったりするわけだ.願わくば,それが,あまり切迫したスケジュールの時で,ありませんように.
Kim Maeja and Keito Oono

4月7日
パリ日本文化会館で,韓国の舞踊家「金梅子(キム・メジャ)」さんと、日本の舞踏家の大野慶人さんの公演を観る.金さんの,派手なところはほとんど無いのに,ひしひしと伝わってくる動きが素晴らしい.積み重ねられた訓練なのか,時間なのか,一挙手一投足の後ろに,何か確かなモノがある.
大野さんは,その金さんをたてて,ひたすら脇というか後ろにいるように務められていた感じ.そのわりに,白塗りなので,真っ黒な飾りっ気のない舞台の中で,嫌でも形が目立つ.どうしても,何処でも,何が何でも白塗りで踊らなければいけない,ということはないと思うんだけれどなぁ.
あと,劇場の設備のことだが,もう少し良いスピーカーを揃えるべきだと思う,韓国の伝統音楽は,打楽器系のインパクトが大事だと思うが,それがどうにも頼りない音だった.それとヨーロッパは何処でもそうだけど,非常灯の明かり,何とかならないかなあ.暗転で,板付く姿が,丸見え.
4月8日
これからCDGに戻って,夕方に着くダムと合流.Chalons en champagneへ向かう.
Voyageの公演スケジュールは,以下の通り.
11 April 2006
@ La Comete
5, rue des Fripiers, 51000 Chalons en champagne, France
15 April 2006
@ Theatre de Nimes
Place de la Calade, 30000 NIMES, France
20 April 2006
@ Posthof – Big Hall
Posthofstr. 43, 4020 Linz, Austria
G4 crash
A lighting design for the exhibition
不思議な縁で、展覧会の会場照明デザインをさせてもらった。
場所は、パリの日本文化会館。その展示ホールで6月24日まで開催されている、「L’air de rien – nouvelles pistes pour l’art contemporain japonais」という日本の現代美術展の照明を担当。
以下に、パリ日本文化会館のサイトにある紹介文をコピーすると、
『未来への回路〜日本の新世代アーティスト』展
1990年代半ば以降に注目を集めた11人の若手注目アーティスト(福井篤、廣瀬智央、明和電機、村田朋泰、中村哲也、佐内正史、齋木克裕、須田悦弘、束芋、高橋信行、横溝美由紀)による絵画、彫刻、写真、ビデオ、インスタレーションといった多用な表現を、特定の傾向やスタイルに焦点をあてるのではなく、モノづくりへの丹念な取り組みという視点から紹介する。なお、本展覧会は国際交流基金(ジャパンファウンデーション)主催により会館のみならず欧州各地において巡回展示される。
http://www.jpf.go.jp/mcjp/feat/index.html
というもの。
今回は、先に会場デザインの方がいらっしゃって、その方と二人三脚のような形で作業を進めた。
楽しかったし、それなりの形にできたとも思うのだけど、無事展覧会がオープンした矢先に、前にも書いたようにMacG4がクラッシュ。そのせいで、紹介がずいぶん遅れてしまった。
会場の構成が、大胆に太陽光を入れているエリアもあり、そこでは人工の照明は手も足も出ない。ならせめてもと、日が沈んでから真夜中近くまで、逆にその窓を利用して、会場内の様子が、揺れ動く光と変わり続ける色で、外の道から見えるようにプログラムしてみた。
写真は、その様子を外から撮ったもの。
実はすぐ横に、21世紀になってからずっと、ギンギンにライトアップされているエッフェル塔があって、その迫力には悔しいかな及ばないが、それなりに目立ってます。
展覧会の内容も、多岐にわたる作品が集められていて、なかなかいいセレクションだと思う。それに合わせて、照明も変化を付けてみたので、もし機会があれば見てみてください。
Paris again
打ち合わせと仕事の引き継ぎのため,再びパリへ.
この前と同じ,ネット環境の快適なホテルに泊まるが,4日間の滞在のうちの後半2日は,何だか予約がいっぱいで部屋がとれず,ホテルを代わることに.ホテルぐらい幾らでもあるだろうと高を括っていたら,何があるのかこの周辺のホテルはどこもかしこもいっぱい.ネットで探しても空きは見つからず,少々焦る.
結局,パリ在住の友人が,懇意のホテルを紹介してくれて,何とか部屋を確保.ありがたい.
打ち合わせの合間に,来週から始まるEaさんの公演ツアーの,照明引き継ぎ作業.ドイツでの公演がダムの公演と見事に重なり,僕は参加できない.なので,仕方なく,僕のやっていたLEDパートを,Carlosにお願いすることに.
ドイツ以降の,シンガポールとベトナム公演には,また僕が復帰する予定.
何とか,この2日で,すべてのきっかけを引き継がなくてはいけない.まあ,何とかなるかな.
EURO CUP
5月16日17日と,何でこんなにどこもホテルがとれないんだろうと思っていたら,サッカー・ユーロカップの決勝戦だかなんだかが,パリで開催されていた.マドリッドとバルセロナの対戦.スペインでやれ!そんなのスペインで!
おかげでパリは,どこに行ってもむさいおっさんが群れをなして大声で歌いわめき騒ぎ,酔っぱらい,地下鉄のドア越しに罵り合い,暑苦しいことこの上ない.ホテルは,星付きからバックパッカー御用達まで何処も満員で,知らずにパリにたどり着いた旅人たちは,ねぐらを探してうろうろしている.
僕は,前述の友人が紹介してくれた,ピガール辺りの小さな宿で部屋を確保,おかげさまで快適に過ごすことが出来た.
この宿,パリにしてはすごく安いが,部屋はきれい.トイレは廊下だがシャワーは部屋に付いている,という自慢気な宿の親父の言通り,確かに写真のようにシャワー箱が部屋に付属.箱としか言いようのないようなものだが,これでも立派に温水は出るし,おもしろがって茶化して紹介はするが,宿としてもかなり良いところです.特に,周りの界隈が,コジャレなブティックからSEX SHOP,高級食材から中華のテイクアウトまで,何でも揃ってしかもカフェなどは夜中でも賑わいを見せている.とても楽しい地区でした.
Eaさんの公演のための照明引き継ぎは,Carlosと旧知のインディペンデント・ディレクター氏の自宅で作業.はじめは劇場の片隅でも借りようとしていたのだが,色々あって個人の自宅をお借りすることに.
この家が,またすごく居心地が良い.独り身だという,50過ぎくらいに見えるディレクター氏が,自分の居心地が良いように造っていった自宅.もうたぶん一生行くことはないだろうし,とにかく車で連れて行かれたパリの東の外れで,未だにどこだかわからない.でもとても良い家だったので,とりあえず写真を1枚.
当のディレクター氏には,初日に笑って握手をした後はついに会えず,結局名前もわからない.
17日夜には,パリ郊外でやっていた,Preljocajの1989年の作品「Noces」の再演を観に行く.いかにもヌーベル・ダンスというかヌーベル・バレエ.良くできた振り付けで,なかなかよかったです.椅子というかベンチ使ってました.これはヌーベル・ダンスのお約束なのかな?
そして,18日早朝に友人を訪ねてウィーンへ向かう.ここからは短いながらも休暇モード.3日間は,打ち合わせも何もなし.早朝の便だったので,朝6時前にパリ北駅へ.駅に入ると,そこはさながら野戦病院のような状況.
ホームレスならぬホテルレスの人たちが,若者のみならずいい歳をしたおっさんまで,駅の床でごろ寝.その横を早朝出勤の人たちが平然と歩いていたりして,異様な風景.でも,パリではよくあることなのか,寝ている方も通り過ぎる方も平然としている.僕も,これが昨日大騒ぎしていた群れかと思うと,あきれるばかり.こんなにまでして応援に駆けつけるその情熱の大きさよ...
そして,無事ウィーンの友人宅に着く.