Various places

NYでのtrue公演は,無事に終了.
10日間のアップデート期間があったが故に,かえってパフォーマーには,ぎりぎりまでの変更で,過度な負担を本番でかけてしまったと思うけれど,公演自体はよくできたと思う.
経済は大変な状況で,しかもオバマ氏の大統領選出など,劇場に足を運んでるどころじゃないようなエキサイティングな時期だったのに,回を重ねる毎に(といってもたった3回だけれど),お客さんも増えていって,やっていて嬉しかった.
写真を見ると,やはり小さな空間だなあと思うけれど,たぶん始めて観るお客さんは,無理やりセットを空間に押し込めたような印象は持たなかったんじゃないかと思う.それだけまあ,空間にあわせてカスタマイズできたと...ひとえに,無理なオーダーをきいていただいた,JapanSocietyのおかげです.
また,何人か,古い友人にも会えたし,何よりNYの街自体に,すごく久しぶりに滞在したので,とても懐かしくもあった.ダムの最初の国外公演は,まさにこのNYのPS122という小劇場で,僕はまだ見習いみたいな立場でそのツアーに付いて行って,公演が終わってからもしばらく残って,ウロウロしていたのでした.もう20年も前の話だ...
そして,いったん帰国.3日ほど京都で休んでから,「lost」公演の為に山口湯田温泉へ.
「lost」は,ポータブルさが売り物だけに,今までにかなり変な公演歴をたどっている.
茅野市民館内の美術館>ハノイのオーケストラ練習場>別府温泉の商店街>有明パナソニックスタジオでのDAF東京>山口湯田温泉でのYCAM企画美術展オープニング,という流れだ.
今回は,この寒いのに何と野外!中原中也館前庭横の駐車場での特設ステージ.庭にはUVAのLEDポールのインスタレーションが立ち並んでいて,その点灯式が展覧会のオープニングセレモニーで,その後続いて「lost」を観てもらう.
市の関係者の人などが多くて,何といっても11月末の夜の野外,27分の作品といえども,寒くてどのくらいの人が最後まで観てくれるのかと心配したけれど,意外に?というのもおかしいけれど,皆さん最後まで楽しんでいただいた様子.
その後の,展覧会オープニングレセプションの会場でも,積極的に感想など話しかけていただいて,なかなかどうして,山口市の包容力というか,侮りがたしです.
もう時差ボケだかどうなってんだか分からない体調で,デジカメを持っていくのを忘れてしまったのが悔やまれる.しかし,朝晩と温泉につかって,疲れはかなりとれました.
で,京都に戻ったら,ちょうど娘の保育園の秋祭り打ち上げというのがあって,小さめの居酒屋ながら,店一軒丸ごと保育園スミレ組の父ちゃん母ちゃん子供でいっぱい,という中に突入.居酒屋の店長さんが,けっこう面倒見が良くて,カウンターに4〜5歳児ごっちゃり鈴なりというのを横目に,お茶をすする.実は翌日,ダムのツアーでフランスに行くので,まだ何だかんだと準備があって,お酒を飲んでリラックスというわけにはいかなかった.
そういえば,NY終了時,たぶん生まれて始めて集合時間を寝過ごした.しかも8時半ロビー集合という,そんなに無理のない設定.前夜,簡単な打ち上げをして,部屋に戻ってパッキングしながら,残っていたビールを2本空けた辺りまでは覚えているのだけれど,次に気が付いたら,ドアはガンガンノックされてるし,携帯は鳴ってるし,頭もガンガンしてるし,部屋の電気もつけっ放し.何とかまあ,フライトには間に合ったけど,かなりショック.
というのもあって,少々お酒を警戒しつつ,荷物をlost仕様からダム+Monochrome Circusの「怪物」公演仕様に切り替えて,翌朝関空へ.
エールフランスでフランス北東国境近くのMulhouseへ向かう.と,今度はエンジントラブルで,AF機の出発が2時間遅れて,機内で缶詰め.CDG空港でのトランジットが3時間ほどあったので,乗り継ぎに支障はなかったけれど,もしあれが飛ばなかったらと思うと,少々冷や汗モノ.
Mulhouseに同日夜中近くに到着し,翌朝から2日仕込みで続いて本番2日というスケジュールだったのだ.
なので,まあ無事に着いて良かったと,翌朝眠い目を擦りながら劇場に行くと,何と日本から送った機材が届かない.前夜,空港から町に向かう時にもかなり雪を目にしたのだが,けっこうな寒さなのだこの辺り.それで,輸送トラックが,何処かの峠で雪でスタック,朝8時半には劇場に着く予定が半日以上の遅れ.
劇場は,客席1000人程度と大きなところだが,意外にけっこう使いやすい.年に何度,この席が全て埋まるのかと,疑問に思わないではないが,「大き過ぎる」以外の劇場の仕様は,細かなところまで配慮されていて,建築家のエゴより気遣いの方が多く感じられる設計で,いろいろな公演にちゃんと対応できるような印象.劇場の事が分かってる建築家さんの設計なんでしょう.その辺り,フランスは結構ちゃんとしてる.
写真は,true@NYと,終演後,テーブル内部見学に群がる友人知人.

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MulhouseのLa Filature内,大劇場.仕込み開始時,パフォーマーの場当たり,終わりの挨拶.まあ,一箇所目,無事に終了.

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Think about the hotel

MulhouseからLe Havreに移動.
今回のツアーは,よほど乗り物運に恵まれていないのか,MulhouseからParisまでのフライトは,問題なく飛んだものの,CDG空港からLe Havreに向かうバスが,途中でどうも様子がおかしくなる.うとうとしていたので,どの辺りからおかしくなったのか分からないが,道中後半は制限時速100キロ程度の高速を,ぜいぜい息を切らしながら60キロほどで走っていた模様.でも,何とか止まってしまう事なく,夕刻にはLe Havreに着いた.
「ル・アーヴルの第2次世界大戦後の再建計画は都市計画の伝統と近代の建築・技術・都市計画の発展の先駆的試行における統合の顕著な例である。」
「ル・アーヴルは組み立て式の工法と形式・基準寸法の機能的利用・コンクリートの革新的使用に基づく都市計画・建築の顕著な第2次世界大戦後の例である。」
との理由で,世界遺産に指定されている町ですが,今の時期,天気悪くて寒くて太陽の出てる時間少ないです.調べてみると,今日の日の出は08:39で,日の入りは17:08.とにかく,朝8時に起きても,まだ窓の外は暗い.
そんな中,幸せな事に,ホテルはなかなか居心地が良い.しかも,次の公演仕込みまで,3日間のオフ.(今頃,Voyageのセット・機材は,Mulhouseから峠を越えて,トラックで運ばれているはず.)
しかも,さすが海の傍,牡蛎も魚も美味しい!
ホテルの部屋は,そんなにだだっ広くないものの,入り口と部屋の間にちょっとしたエントランスがあって,そこに浴室とクローゼットがある.なので,ホテルの廊下からドアを開けても,寝室に入るには,もう一枚ドアがあって,それが結構プライベートな感じで良い.部屋のインテリアも,すっごく高級な訳ではないけど,ちゃんとデザインされている.
最初は,まともな机が無いのが不満だったんだけど,後の写真にあるように,ベットを跨ぐように,ちょっと病院っぽいともいえる棚みたいな机があって,これがなかなか使い勝手が良い.ずっと暮らす自室にあると,上にどんどんモノが積もっていってどうにもならなくなりそうだが,一週間程度の滞在だと,かえって部屋を広く使えて暮らしやすいかもしれない.
それに,久々にバスタブもあるし,ネットはちゃんと繋がるし,この機会にゆっくりしながら,溜まっていた図面仕事などを少し片づける.
ちなみに,窓の外にはこれから公演する劇場が見える.オスカー・ニーマイヤー設計「Le Volcan」.何で劇場が「火山」なんて名前なんだろうと不思議に思ってたんだが,実際に見たら一目瞭然.大劇場と小劇場があります.まだ中には入っていないけれど,窓の外を見ても楽しい.
それで,部屋でうとうとしつつ,これまでにツアーでまわったホテルの事をつらつら思い出しつつ,ランク付けしてみた.
ダントツで良かったのは,セビリアのPatios De La Alameda.
仕事で行っているので,基本的には寝れればいいようなもんだが,ここは建物の中に入るだけでずいぶん幸せな気持ちになれた.ダムと,それからRCの公演でも泊まったので,一度だけの印象じゃない.僕は,セビリアの街がかなり好きだけれど,その半分くらいは,このホテルに滞在していたせいかもしれない.
部屋での仕事のしやすさというか,ホテルのサービスなどのソフト面とハードの充実だと,アメリカ・ポートランドのThe Heathman Hotelが,すごく記憶に残っている.ずいぶん前なので,細かな所までは覚えてないんだけど,ベットルームと別に,使いやすい机のある部屋で,気持ち良く過ごした.
面白かったホテルは,LAのThe Standard Downtown LA.正式にはStandardのロゴが,上下逆さに逆立ちしている.デザイナーズホテルの極みみたいなもんで,僕がのぞきに行ったメンバーの部屋は,ひとつとして同じじゃ無かった.その全部が,Not Standard.
ついでに書くと,プライベートで行ったところでは,バリ島のウブドゥのAlam Indahが,価格とロケーションを考えると,とても良かったかな.
でも,インド北部のチベット文化圏Ladakhの街Lehで,数週間ベースにしていた,今はもう名前を忘れてしまったゲストハウスも,そこからの景色は忘れがたい.ペントハウスで(といっても3階建てくらいだけど),屋上にはその部屋しかなかったので,三方がガラス窓でもかなりプライベートな環境で,部屋の中から窓越しにも,深い青色の空とそそり立つ山々が見えた.夜は,空が星で埋まっていた.
シャワーも満足に無いような宿だったけれど,いつかまた行けるものなら再訪したいもんだ.
写真は,Le Havreのホテルの部屋と,その窓から見えるLe Volcanの威容.

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Finish, Travel and her birthday 2008

Le Havreでの公演終了.一回だけの公演で,照明のフォーカスにちょっと手間取った事もあって,仕込み1日目・2日目そして本番で続けてバラシと,バタバタと過ぎていった感はあるが,その前に3日間も休みがあったし,何よりお客さんがかなり来てくれたので(実数はちゃんと知らないが,パッと見800人位.1200の客席の両側を,見切れで切ってました),充実した滞在でした.
天気は悪かったけど,冬に来れたのは,食べ物の美味しさからいえば正解だったかも.
劇場は,見かけの異様さも含めて,まさに「昔の未来」.結構設備もくたびれていたけれど,そんな中,ちゃんとシンクが付いていて,ソファーなんかも置いてある休憩室(グリーン・ルーム)は,なかなかお洒落で快適でした.
変な所もいっぱいあったけど,基本的な設計は,わりとちゃんとしているのだ.惜しむらくは,何だか全体的にくたびれてきている.たぶん,管理とかメンテナンスがもっと行き届いていれば,抜群に良い劇場なんだろうけれど,人も設備も新陳代謝が衰えている感じ.
そして,僕は翌日,別の公演のために一人Saint Brieucへ向かう.地図でみると,Le HavreからSaint Brieucは,海岸線をたどって行けそうなんだけど,だがしかし,送られてきた列車のチケットはパリ経由.Le HavreからSaint Brieucへの距離を仮に100とすると,80くらいの距離にあるパリまで戻り,それから,140位の距離を走ってSaint Brieucに着く.
しかもパリでは,重い荷物をゴロゴロ転がして,St LazareからMontparnasseに地下鉄で移動.前夜の打ち上げ+メンバー数名の誕生会もあって,ふらふらした足取りの僕には,かなりきつい行程.
ちなみに,ダムのメンバーの2人は同年同日の誕生日で,しかもそれがウチの娘と同じ日(正確には,ウチの娘が,同じ12月6日生まれ).
皆さん,おめでとうございます.ウチの娘さん,スマン,お祝いできなくて...そういえば,彼女が生まれた時も,パリで公演中でした.
家人にも,いろいろ無理言ってます.
で,何の話しかというと,ちょうどハブ空港の話を読んでいたのだが,別段その発想は新しいものではないんだなと,日本に居ると,まさに網の目のように張り巡らされた交通網が標準的なものに思えるけれど,フランスだと,都市設計から鉄道網まで,スター型というか自転車のスポークとそれをまとめるハブ方式.FedExがサービスを始めた時に,アメリカの何処かの空港をハブにして,画期的な物流システムを開発したみたいに宣伝していた記憶があるが,なんの事はない昔からあるシステムなんだ.
それで,パリというでっかい丸に,各スポークが刺さるように幾つも駅があって,そこからフランス各地に線路が延びている.
ということで,乗り換えも含めて,朝10時過ぎにLe Havreを出て,Saint Brieuc到着は夕方17時過ぎ.結構な長旅で,しかもほぼひと言もフランス語が解らないので,くたびれました.
前にも書いたかもしれないが,これだけ来ていても,僕の耳にはひと言もフランス語が入ってこない.これがスペイン語になると,結構するする聴き取れるのだが,どうも僕は視覚と繋げて音を聞くようで,基本的に読めない言葉は音も解らない.なので,韓国語も,何度聞いても単語がちゃんと言えないが,広東語やスペイン語はちょっとは頭に入る.
例えば,切符に書いてある指定席の「車両/〜号車」という単語を見て意味を理解しても,それをどう発音するのか分からず,結果何度見てもその単語をすぐ忘れる.何だかね,発音しないHとか,まともに言えたことのないRとか,子音が続いて並んでいたり,難しいですフランス語.結果,未だに数も数えられない...困ったなぁ.
写真は,Le Havreの港のランドマークになっている教会.結構凄いです.
Church_01Church_02Church_03

これは,Grand Volcanのグリーンルームや,エントランス周辺.何気なく,天井にまで文字が.
Greenroom_01Greenroom_02TheaterentranceTheaterlobby

あと,本番中に写真撮ってみました.シャッター音は,たぶんお客さんには届かなかったであろうと...
Performance

Saint Brieuc

Saint BrieucでのMonster project初海外公演終了.
残念ながら,ダンサーの都合で,一人今回は代役が立つことに.急拵えではあったけれど,それはそれで新たな作品にはなっていた.僕は,照明での参加.
今回の劇場「La Passerelle」では,6年くらい前だと思うが,ダムの公演をしている.でもその時の会場は大きい方の劇場だったんだが,今回はPetit Theatre.
この劇場,全体的に古くて,ダメな所もいっぱいあるんだが,小劇場を今回じっくり見てみると,かなりかわいい素敵な劇場だった.自分の作品を公演したいかと言われれば,なかなか難しいとは思うが,趣味で持っていたい骨董品みたいな場所ではある.
フランス人は,「イタリアン・シアター」と呼んでいたが,額縁舞台のオペラ劇場.でも,かなりちっちゃい.ちっちゃいんだけど,バルコニー席は3層つまり4階まであって,4階はかなり高くから舞台を見下ろす.
この4階が,歌舞伎で言う大向こうになっていて,ここだけ客席が極端に安い席料な造りになっている.でも,写真を見てもらえれば分かるが,その席はそれなりにしっかり造ってあるのだ.
今でも,「大向こうを唸らせる」とか,言葉としてのオオムコウは残っているけれど,実際にこんなにすごく特殊なサイトラインの,こういう席を持っている現役の劇場を見たのは,初めてだと思う.
これは凄い.安い席を作るために,建築が頑張ってるわけだ.そうでもしないと,劇場としての席数が確保出来なかった,という考え方もあるけれど,でもたぶんもう少し大きな規模の劇場を造る事だって出来たはずだ.どっちかというと,このかなり小さな劇場を造りたいという意思/欲望が,この大向こうに象徴されているような気もする.
何だかね,楽しいんですよ.気に入った演目なら,ここからの様子を観るために,もう一度チケットを買って(しかもたぶん結構安い),このバルコニー最上階から見直してみようか,という気にもなると思う.大げさに言えば,そういう劇場文化が,確かにあるという,その記憶みたいな劇場でした.
写真は,まず小劇場の天井に燦然と輝くシャンデリアと天井画,それにグランドレベルから見た舞台と,外の待ち合い.

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そして,バルコニーと大向こうの外側の様子,それに内部の席の様子.

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そして大向こう席上手端から見た舞台.ここから今回の公演を観た人は,たぶんいないと思うけれど,もしかなうなら僕は一度観てみたい.

Stage_02_2

Linz-Angers

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1月24日に関空からLinzへ向かって,その後26日にLinzからフランスのAngersへ.Linzは,打ち合わせ.仕事が決まったら,また詳細はのちほど.
Angersでの仕事にあわせて,Linzの打ち合わせを設定してもらったので,少しスケジュールにタイトなところがあり,大阪からLinzに飛んだ2日後に,LinzーMunichーParis CDGからTGVで3時間ほど走ってAngersまで行く強行軍.で,到着翌日は9時から仕込み.しかし,今回の公演スケジュール全体は,かなりゆるゆる.
昨年12月に続いての「Monster Project」の公演だが,今度はいよいよ作品のフランス側振付家Emmanuelle Huynhの本拠地CNDCでの公演.CNDCの詳細はまた書くとして,とにかく地元という事もあるのか,客席が100席程度と少ないせいか,公演日7日+1日オフの間に本公演が7回と,地元の小中学生を対象にした課外授業としての作品後半パートの公演が5回の,計なんと12回公演.今回の僕の仕事は,この一ヶ所だけの長期滞在.こう書くと忙しそうだが,一度仕込んでシステムが稼働すれば,僕の日々の作業としてはたかが知れている.CNDCがレジデンス用に持っている,街中のアパートのひとつに滞在しているが,ネットが通じない事を除いては,かなり居心地が良い.ネットは不便だけど,劇場に行けば通じるので,その分ウチではちょろっと料理したり,Macのメンテナンスと整理をしたり,本を読んだり,ワインを飲んだりと,半分休暇に来たような生活.これで季節が良ければ,言う事ないんだけど,残念ながら外は木枯らし冬景色.
写真は,時差ボケの朝5時窓の外,CDG空港TGV乗り場の掲示板,いかにもおフランスなAngersの街遠景とCNDC外観

Savoy cabbage

僕は,個々人のヒトに対しては,わりとうたがり深いところもあるのだけれど,押し並べてヒトの特性というか能力は,そんなに極端な差はあまり無いだろうと信じている.なので,何でも食べる.
まあ,何処に行っても,その土地のヒトが食べている物はという意味だが.ああ,そんなに偉そうな事言っても,極端な悪条件下で生きる為に仕方なく食べているものを,好奇心で食すというのは無理かもしれない...でも,内臓系とか,タガメ(虫)とか蛇とか,羊の脳みそのカレーとか,その土地の文化に育まれたものは,食した事があります.それで,美味しかったものも,ハッキリ言って僕にはまずいとしか思えなかったものもあるけれど,だからといって何ら身体に変調をきたした事はない.
加えて,どうも僕には,ちりちりとした外観のモノが美味しく見える性質があるようで,ドライトマトとかサラミなんかを見ると無条件に涎が出る.
ということで,今朝買い物に行って,芽キャベツかちりめんキャベツか迷ったものの,ちりめんキャベツをひと玉買った.だってちりちりしてるし,生の味を知らなかったので.何でああちりちりしたものは,美味しく見えるのか???
で,すごく苦い.苦いし,硬い.
欲張って外側の方まで使ったからか,もともとそういうモノなのか.美味しいオリーブオイルで,ハムと一緒に炒めても,苦いし少し青臭いし,硬いし...
意地になってトマトソースで煮込んでみても,あまり改善しない.
みんな,どうやって食べているのだ,このちりちりは?
Tiritiri

CNDC

CNDCは,Theatre Le Quaiという国立アートセンターの,一部をなしている.
CNDCとOpen Arts,そしてNTA-CDNで,Theatre Le Quaiは構成されている.
Open Artsの事は,ちゃんと説明を聞いていないので,よく分からないが,美術系のオーガナイゼーションな模様.NTA-CDNは,国立の演劇センターで,CNDCはCentre national de dance contemporaine,つまり国立コンテンポラリーダンス振り付けセンター.クリエーションの為のレジデンス施設であり,教育機関であり,発表の場/劇場でもある.
レジデンスに来た人達用のWelcome冊子によると,3つのオーガナイゼーションをあわせたスタッフ数は,写真入りで紹介されていた正規スタッフだけで76名!
先日,ぐるっと全体を案内してもらったんだけど,900席のプロセニアム劇場と,400席の20m角のキューブ状の実験劇場,そしてその400席と同じだけの容積がある,演劇創作用のスタジオとダンス創作用のスタジオがひとつずつ,それに鏡のついたいわゆる練習スタジオが複数ある.
実は,今回Moster Projectを公演しているところは,ダンス創作用のスタジオだ.それでも,100席の客席が常備されていて,そのスタジオの大きさは前述のように20m角程度でタッパもスノコまでが8m.ちなみに,400席劇場は,4方の壁全部にかなり急勾配の客席が収納されていて,平場にも様々な形態の舞台と客席の関係も組める.
しかも,900・400と創作用スタジオは,全て天井スノコが格子になっていて,上を歩いて舞台上も客席上にも自由にアクセスでき,ウインチやバトンを仕込める.900席の劇場は,舞台部のタッパが20m以上あって,ブリッジもバトンも普通以上に完備されていて,しかも上のスノコから何処にでもアクセス可能.しかもスノコ上は,普通に背を伸ばして立って歩ける.
全体的に,奇抜なデザインも目立つものの,スノコの事からもわかるように,舞台機構に関しては,テクニカルの目線に軸足を置いてよく考えられている.例えば,プロセニアム劇場の1階客席奥に,標準以上の広さの操作室があるが,そこと客席の仕切り(大きなガラス窓のついた壁)は,仕切り全体が横にスライドして開き,操作室と客席最後方は,間口3mくらいの開口で段差なく繋がる.古い劇場だと,下手をすると操作室の窓さえ開かないところがあるのに,これは非常に使いやすそう.
観客の目に留まるところだけに,過剰なお金をかけて飾り立てる事しかしない,劇場の仕事を知らないある種の建築家の仕事とは大違いだ.結局,劇場は舞台作品を創る場所でもあるのに,見せる事だけしか考えられない設計者がいるのだ.
ちょうど館内ツアーをしている時は,900席で翌日の演劇公演の明かりあわせ,400席は,たぶん演出家とセットデザイナーが,ドロップを実際に仮吊りしながら打ち合わせ中で,演劇創作用スタジオは,学生がセットを組みつつ実習中.
しかも,CNDCは,Theatre Le Quaiができる前に使っていた市内のスタジオもまだ持っていて,そこでもアメリカから招聘されたダンサーが,創作中.
それで,ダンス創作用スタジオでは,Monster Projectが,前述のように7日間12回公演で,毎回満席.昼の子供たちへの授業公演では,決して子供用に作られた訳ではないダンス作品を,まあ静かにとまでは言えないけれど,小学生たちが笑い感嘆し,時には怖がりながらちゃんと観て,その後出演者達と質問とディスカッションまでして,楽しそうに帰っていく.
Angers市内の人口は,15万7千人.郊外を合わせても27万人.京都の4分の1以下だ.
何でしょね,これがフランスの底力かな.
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Paris to Kyoto

パリから戻って1週間弱.
パリ公演は,地元スタッフの労働時間制限の関係で,余裕の3日間仕込み・リハ.
10時に劇場入りして,遅くとも20時までには出なければいけない.それも,音響・照明・舞台の現地スタッフ入り時間をずらして,いろいろ調整してなるべく長く劇場に僕等が居られるようにして,その時間設定.
なので,通常2日仕込みのところを,3日にしてもらった.というか,劇場側からそう提案してもらって,とてもありがたかった.
で,おかげさまで,夜に時間の余裕が出来て,フェスの他の作品を観に行ったりゆっくり食事に行けた.それに,余裕と良いスタッフのおかげで,とても綺麗に舞台がセットアップできた.
もともと器(劇場)も,「true」にちょうど良い大きさなのだ.舞台も客席も.全体の内壁が,日本の伝統的な催し物にフィットしそうな木目で被われているのは,もうどうにもならないが,そこは現地スタッフが心得ていて,舞台側はちゃんとブラックボックスになるようにシンプルな仕組みができている.それも有り,ツアースタッフの力もあって,全体的にベストな公演だったと思う.
パリは,dtで何度も訪れている.なので,知り合いも多い.懐かしい顔にも会えた.
とても良いtrue_EUツアー09最終公演地だったけれど,フェスのHPとパンフに,作品がまるで僕とS井君2人だけの共同制作のようにクレジットにされていたり,dtの作品だと思ってる人がいたりして,これだけはいくら修正しようとしても,なかなか思うようにならないのが残念.
いちおうディレクターという肩書きの僕が,違うから修正して下さい,といっているのに直らないのはいったいどういう事なのか?これだけが,とても残念でした.
なぜか,余裕のスケジュールにも関わらず,ぜんぜん写真を撮ってなかったのも謎.
パリ滞在中に食べたもの.
Hawaiiのベトナム料理(わかる人にはわかる),ピケ駅近くのレストランの貝盛り,ムール貝で有名なレストランのムール鍋.日本文化会館近くのレバノン料理.同じく近くの和食.同じく近くの韓国料理(といっても,さばの塩焼きとキムチやナムルの小鉢と白いご飯とみそ汁).後はハンバーグって,結局フランス料理らしいものは,フルーツデマール(貝盛り)以外食べず.
でも,全部美味しゅうございました.
で,ただいま京都に帰って充電+仕込み図制作中.
ちょっとしたら,「true」リオ・サンパウロ/ブラジル公演+dt「Voyage」アテネ/ギリシャ,カンヌ/フランスツアー.
なので,プランニングの間に,整体・焼き肉・スーパー銭湯・娘の自転車の並走と身体のメンテ.