5月28日の昼にBergenを発って,アムステルダム経由でベルリンに到着.
Alexander platzに程近いPodewilという建物の中で,TESLAというオーガナイゼーションの主催でインスタレーションの展示をする.6月2日までそのセットアップ.
OR installation@TESLA/Berlin, Germany
03 – 19 JUN 2005
TESLA im podewil’s schen palais
Klosterstrase 68-70 10179 Berlin, Germany
www.tesla-berlin.de
今回は,ダムのメンバー2人と一緒.「3人が泊まるのは船のホテルだ」という連絡を事前に受けていて,それで連れて行かれたのがEASTERN comfortというhostelboat.
「船」というので,何となく大きめの客船(香港とかで海上レストランとして浮いてるようなヤツ)をイメージしていたのだけれど,来てみれば割りと小振りな本当に「ボート」という言葉がぴったりの船がホステルになっている.Spree河畔の双子の塔が特徴的な古い橋の近く.ベルリンの壁が長く残っていて,ボートはその壁で道から隔てられている,つまり昔は東西の緩衝地帯だった川に浮いている.
趣はあるし,それにたぶん料金も安そうだから,ベルリンに遊びに来てしばらく滞在するには面白い宿だと思う.実際,オープンしてまだ余り経っていないというのに,多くのバックパッカーで賑わっていた.(ただ僕らは仕事で,朝10時から夜中まで現場に行ったきりなので,あまり宿の面白さは実感できなかった.)
Munich
9月6日に日本を発って,ミュンヘンとデュッセルドルフ2カ所の,ダム「Voyage」公演ツアー.ミュンヘンMuffathalle劇場(というか大箱のライヴハウスのようなところ)での公演は10日(土)に無事終了し,本日デュッセルドルフに移動.
Muffathalleは,元水力発電所跡を利用した場所で,川沿いの森の中に建つ,なかなか趣のある建物.95年に,古橋と一緒の「S/N」公演を,最後にした思い出深い場所だ.
3本の水平可動ブリッジの下に,グリットに組んだトラスを吊って,そこに照明も幕類も全部吊る.今回はデュッセルドルフの劇場も,同じようなトラス構造で,プランニングにミスがあると,なかなか修正が難しい一発勝負.しかも,ドイツらしく,僕たちが着く頃には,先方の機材はほとんど吊り込んである.ありがたいことだけれど,それだけに図面上にできるだけ情報を書き込んでおかないと,時々呆れるくらいの勘違いがあり,そんな場合はかえって大変だ.ありがたいことに,今回はそんなことはなく,快調に事は進んだ.
それにしても,構造上の少々の不自由はモノともせず,不平も言わずにむしろ楽しそうにセットアップに取り組んでくれる,現地スタッフは頼もしい限り.日本と違って,「管理」専門の人などいない.
そういえば,此処ドイツでも日本の選挙への関心は高かったようで,昨日今日とテレビのニュースや新聞のトップでも,コイズミの笑った顔写真が見られた.何でまた,あんないい加減な受け答えとキャッチコピーばかり繰り返して,まともなことを言わない人を日本の多くのヒトが再度選ぶのか,僕には理解できないが,結果は結果,コイズミ圧勝だったようですね.うーん...
今回は2カ所のみの公演なので,19日には帰国.その足で,京都造形大Sutudio21へRefined Colors公演の仕込みに向かう.今回は大きなシーン変更の予定もあり,ワークショップもする盛りだくさんな内容.できるだけ多くの人に観に来てもらいたいなぁ.まだまだ変わり続けている作品だけに,僕自身も楽しみです.
写真は,すっかりステージをバラしたあとのMuffathalleと,ミュンヘン市内で見つけた,見事に垂直緑化された建物(といっても夏の間だけだろうが…).写真では周りが写っていないが,かなりの繁華街の中に忽然と建っている.ひょっとしたら,ガイドブックとかに載っているくらい有名な場所かも.
Tent (Altstadtherbst kulturfestival)
Dusseldorfで催されるAltstadtherbst kulturfestivalでの,Voyage公演.
この町では,去年もVoyageを公演している.同じ町で,同じパフォーマンスを2年続けて公演するなんて,たぶん初めてのことだ.作品を作った最初と,数年間ツアーを回った最後の締めに,同じ都市でというのは,あるけれど...
そして,面白いことに同じ都市でも,公演場所はずいぶん違う.去年は,ピナバウシュ・フェスに招かれて,Schauspielhausというかなり大きな劇場での公演.今回はテント.
テントといっても千人近く入る巨大なモノ.その横にはバーラウンジや小さなステージの付いたライヴのできるテントもあり,スタッフや僕らが休憩/食事をするグリーンルームもテント.その横に,シャワー・トイレと楽屋のコンテナが置いてある.
何せテントなので,扉を開けるとすぐ外で,日光が差し込んでくる.強風でバタバタはためいて,ぎいぎい鳴る.雨が降るとザアザアいう.
何ともすごい場所だが,祝祭的な雰囲気も溢れていて,かなりのことまで許せてしまう.フェスの名前も「秋の収穫祭」的な意味らしい.働いているスタッフも,ボランティアの若者が多くて,あまり頼りにはできないが,その楽しそうな様子はこちらにも伝わってくる.
こういう物凄いラフな場所で,緻密なパフォーマンスができれば,それはそれですごく良いと思うが,どうも僕は,ついつい場所に合わせて,まあこんなもんでいいかと思う心にひきずられそうになる.
いかんなぁ.
Wolfsburg
Hanoverから車で1時間くらいのところにある,Wolfsburgというところに滞在中.
このWolfsburg,町というにはあまりにも奇妙な場所である.そこで行われるmovimentosというフェスティバルのセットアップに数日だけ参加.
ここは豊田市のフォルクスワーゲン版というか,元々ナチスがワーゲンの生産強化のために,何もないところに発電所から建て始めて工場を作り,そしてその労働力としての住民の町を作ったのが始まりらしい.それが車の(「車で」ではなくて「車を」買うための)お買い物を楽しみつつ滞在できるような万博もどきのテーマパークになっていて,だだっ広い敷地の中に幾つものパビリオンが点在している.
ホテルはただ一つThe Ritz Carltonしかないのでそこでお泊まり.遠くに,よくミニカーをプラケースに入れて展示してあるのを見かけるように,実車をガラスの高層ビルにぎっしり並べてあって,そこを螺旋状の通路に沿って車で動きながら,欲しい車を選んで購入できるビルが,3つくらい並んで建っているのが見える.
圧巻は,この場所の基となった発電所で,まだ現役で稼働中.並んだ超高い煙突が,ファシスティックに威圧してくる.そして,そのまだ現役の発電所の中に特設ステージが組まれていて,公演はそこで行われる.
かなりの客席数がある巨大なステージが組まれていて,お呼ばれされたおセレブな御人たちが,かなりコンサバなチョイスのショーを見ては,夜な夜なその後のパーティでご歓談なされるらしい.
舞台は仮設といっても,ドイツらしくしっかりと組まれていて,発電所の中の年季の入った広大な空間とも相まってすばらしい.
しかし,どうもこのお泊めいただいているリッツ・カールトンといい,その周りの風景といい,広大な敷地内に犬の糞どころか塵一つ落ちていない,上手にカモフラージュされた監獄みたいなところである.
写真は,部屋の窓から見える発電所(劇場でもある)とプール(昼・夜)、車のショー・パビリオン、送迎車のスピードメーター!320kmまで切ってある。
power plant
本日,スロベニアのLjubljanaに移動.
でも,とりあえずWolfsburgの公演会場である発電所の中がすごかったので,写真をいくつかアップ.
まずは,照明を吊るためにトラスが降りている舞台.とにかく仮設とは思えないくらい機材が豊富で,望むものは吊り放題.次は,客席とその横にしつらえてあるバーの様子.そしてバー/歓談室.
あと,リハーサルルームというか空間はこんな感じ.
舞台の下,奈落にはシャワーとトイレがこれまた仮設されているが,その様子だけでもちょっとした地下都市.
最後は,リハーサル空間に続く機材置き場.
とにかく,圧倒的に存在感のある空間でした.
明日からは,LjubljanaでVoyageのセットアップ開始.
Frankfurt
Bucharestでの公演は無事成功.
ただいま,帰途途中のFrankfurt.節約予算のフライトなので,なんと帰り着くまで36時間ほどかかる...
Bucharest-Frankfurt-Singapore-Bangkok-大阪.途中,ここで6時間,Singaporeで3時間のトランジット.
ちなみに,昨日27日から30日まで,京都芸術センターで「きりしとほろ上人伝」という,狂言師やら文楽の方やらが京都市だかの企画で集まって作ったパフォーマンスが上演されているのですが,その美術をキュピキュピの石橋君がやっていて,僕もLED照明のプログラムでちょこっと参加しています.といっても,まだ完成作を観ていませんが...
なので,30日には観劇予定.朝に帰り着いて夜には芸術センターへ.
ああ,ホットスポットの時間が切れる.では,今度はSingaporeからかな.
End of Berlin WS
Berlinから帰国.
今回印象に残ったのは,同じく講師として参加したY川氏の,アーテストとして様々なことにコミットする姿勢.その場を仕切るバイタリティーや,ちゃんと話に耳を傾ける姿勢は誠実でした.
アーティストとして,自分をアピールするのが半分仕事みたいなものだと思うが,その押しの強さの反面,まっとうにリベラルでした.
僕も,見習いたいもんです.
WSは,とにかく忙しなさ過ぎ.ヒト(受講者)を変え場所を変え,目一杯詰め込んで,結局誰もが消化不良.狙い目は良いのだけれど,ワークショップではなくて何かの展示会みたいでした.
まあそれでも,WSの経験値の低い僕としては,得るところは有りました.
結局,知識を相手へコピーするのではなく,経験を実感するのがWSだとすると,それなりの手法を開発しなければ,どうもいくらうまく説明できても何か欠けている(嘘臭い)のだと,改めて実感した次第.マニュアルを隅から隅まで隈無く読んでも,それで例えば格好良いギターが弾けるようになるわけじゃないという,当たり前のこと.
ダンスみたいに,身体を動かすことを教えるのが目標じゃないだけに,とても難しい.
写真は,WS会場に並んだノートブック(各役割は説明できても,それを使いこなすまでには,遠くて長い道のりが...)
同時期にあった,デザイン・フェスでのLED_Room.同じく,リサイクル・ペットボトルのオブジェ(遠景)と(近景).お洒落なカラーコーディネートの地下鉄.Berlinでは主流のタクシーメーター.
結局,EUの真ん中っぽい位置で,何処にもアクセスしやすくて,それでいてまだまだのほほんとしている面もあり,家賃が安いのが,Berlinにアーティストが移ってきている理由のようです.
Dusseldorf_tanzhaus
true_EUツアー3箇所目は,デュッセルドルフのTanzhaus.
ピナバウシュさんがいた,ヴッパタールも近い.
Tanzhausは,これまで2度ダムで公演してる.いろいろ好き勝手にやらせてくれる,という意味では使いやすい場所.
ただ今回は,どうも劇場テクニカルスタッフの新陳代謝が,うまくいってないような印象を受けた.前は機転が利いてパキパキ動いていたスタッフがいた覚えがあるが,今回はどうもかなり疲れた様子の高齢の方か,後はどう見ても10代でまだよく自分の仕事がわからない若者.その間がいない.まあ,たまたまそういうローテーションに当たっただけかも知れないけれど,もしずっとああいう構成だと,何処かに無理が来そう...良い公演を沢山やってる,良い劇場ですが.
で,僕等はTanzhausが持ってる,レジデンスアパートに宿泊.1フラットに3部屋の個室とバストイレ・キッチン.そういうフラットがいくつかあります.毎朝交代でパスタを作りコーヒーを入れ,劇場に通いました.
写真は,Tanthaus正面,名物?のアイスバーンは,豚足のドイツ風煮込みという感じでそれに芋とキャベツ.
前回見つけてファンになったセレクトショップ「MANIA FACTUM」.Loftみたいなとこですが,10倍は洗練されてます.日用品から食品衣料,園芸用品やおもちゃ,カバーしている品物のエリアに対してはあまり広くない店内なので,選びに選んだ物だけ置いてある感じ.波長が合う人には堪りません.次の写真の赤いLEDの柱と,その近くの三角の噴水が目印です.その半径50m以内.