大学寮で暮らしている僕たちには,それぞれアシスタントの学生が付いている.といっても,例えば何かを買いたい時に何処に行けばいいかアドバイスしてくれるとか,タクシーに見せるための行き先をメモに書いてくれるとかその程度だが,街では案外英語の通じないこともあるので,助かっている.
その彼らが,僕たちの歓迎イベントとして,一日香港を案内してくれた.なかなか現地人らしくツボを得たルートで,まずは少しニューテリトリーの方に列車で行き,町中よりは少し安い飲茶で1日を始める.
そして近くの博物館で,広東オペラの歴史や香港の住居の変遷,現代美術の企画展などを見て,ローカルな食堂へ.今では珍しくなった,野外に仮設したような(でも広い)食堂で,香港らしくお茶で入れたインスタントコーヒーを飲みながら,サンドイッチやワンタンスープ,焼きそばなどを食べる.
今度は香港島へ向かい,スターフェリーに乗り,ケーブルカーでピークへ.
あいにく曇っていたが,雲の間から顔を出すビル群もなかなか秀逸で,しばらくしたらちゃんと日が暮れ始めイルミネーションが灯りだし,心得たもので,帰りはローカルなミニバスで,ピークから山の裏側を回りこんで中環(セントラル)へダイレクトに行き,そのまま小さな劇場で現地ダンサーの公演を観て,1日が終わった.
ところで,前に香港人が建築足場に竹を使っているのを見て,何であんなに竹の強度を信じてるのかなぁ,というようなことを書いたが,今日そのルーツを博物館で見た.
写真は,まずは模型だが,昔の広東オペラの公演劇場だ.博物館で見たのだけれど,「維新派」もたじろぐぐらいの仮設劇場である.
客席から舞台から階段まで竹の基本構造で,実際このような劇場を移動しては仮設し,公演を打っていたらしい.
後の二枚は,博物館に再現されていた仮設劇場.中が展示スペースになっている.ど派手な表と,その裏側,実際は側面も布がはられていたのだろうけれど,展示なので構造が見えている.
組み方は,今の建築足場と,ほとんど変わらない.
Space
So oo ooo cold
香港にも寒の戻りがあるのか,今日は寒い. 最低気温13度とかで,たいしたことはないが,ここ数日との落差で,かなり寒く感じる.それとも昨日までが小春日和だったのか?
明日もCCDCで朝10時半から練習.
町中は,どんどん旧正月に向けて,デコレーションなどの準備が進んでいる.何となく人々も浮き足立ってきている感じで,どうやらこっちでは,やっと本当に年が明けるようだ.
2月8日の深夜から9日の朝にかけては,みんな街に繰り出す様子で,僕らにもフラワーマーケット周辺が面白いぞとか,香港島で花火が上がるぞとか,色々教えてくれる.
誰かが言っていたが,太陰暦は季節/気温に正確だそうだ.太陽暦だと,季節感がずれとか.
旧正月が明けるとグングン暖かくなると誰もが言うから,やはりそれまでは寒さが戻ってくることがあるのかも知れない.
Sound editing
今晩は香港側サウンドテックのAnthonyが,僕らの部屋にprotools持参で編集に来ている.音のイメージが固まっている物から仕上げていくので,最初は快調.てきぱき出来上がって行くのは,見ていても気持ちがいい.
問題は,まだこっちもイメージできないでいるパートだ.何かが要るのは分かっているが,どんな音なのか見えていないところは,当然作業が難しい.
Anthonyが練習を見ていれば話は早いが,スタジオで仕事もしているから,なかなか見に来れない.練習風景のビデオや言葉では,どうしても的確には内容が伝えられないから,どのように作業を進めればいいのか,そこから考え始めなければいけない.
共同作業というのは,面白いけど難しい.
旧正月のデコレーションは,どれも真っ赤で派手だ.
Poon Choi returns
またまた寒い. この間,「いきなり暑くなりやがって」なんて書いていたのが嘘のように寒い.
すいません,もうあんな事は書きませんから,暖かくなって下さい...
今晩,またpoon choiを食べる機会があった.
どうも,ニューテリトリー周辺だけに伝わる珍しい鍋,という謳い文句は昔のことのようで,最近はそういうキャッチコピーでもって,年末は香港中でこの鍋を突いているようだ.
今日は寮生の忘年会みたいな物で,ちょうど珍しい奴らが滞在しているから,それを肴に鍋でも食おうという趣向で,僕たちがゲストとして招かれた.
といっても,テーブルの上にはアルコールは並んでいない.
ここの学生達は部屋の中では知らないが,食堂や外ではお酒を飲まないみたいで,今夜もコーラとファンタが行儀良く置いてあった.
そういえば日本でもこの頃の学生は,あまりがぶがぶビールやなんかを飲まないみたいだから,場所の問題じゃないのかもしれない.
この前の経験から,また食べきれないんじゃないかと思ってたら,さすが若者,どのテーブルも順調にたいらげていっていた.
今日初めて見た食べ方としては,煮詰まって残り少なくなった鍋には,レタスをガシガシ入れて,その上からお湯を足してさらえてました.
さすがに僕は,その頃には満腹で,どんな味かは知りません.
写真も撮ったけれど,いまは見るのもおっくうです.
Yesterday
昨日の話になってしまうが,また香港観光に出かけた.
日本から参加しているダンサー「坂本君」の弟の友人が香港人で,彼女たちが色々案内してくれるので,一緒に行きませんかと誘ってもらった.
この間の学生達とは,また違った切り口で面白いかも知れないと思って,二つ返事で楽しみにしていたのだが,ついうかうかと前夜というか昨日の朝まで,Arifと話し込んでしまった.気がつくと朝5時半で,3時間半後の9時には部屋を出る予定.
何でまたそんな無理して観光にとは思ったが,9時には坂本君が誘いに来て,先方はわざわざ近くまで迎えに来てくれて,色々プランを立ててくれているという話である.
それでまあとにかく行きました.
まずは,近くのティーレストランで,ほとんど呆然としながらお粥を胃に流し込んで,さて何処へ行くのかと言われるままにMTR(地下鉄)に乗り,とにかく乗りに乗り2回ほど乗り換えて,ほぼ空港の近くまで行き,そこからバスに乗り揺られること45分.ほぼ香港の西の果てかと思うところに立っていたのが,野外の仏像では世界一というふれこみの大仏.
もう勘弁して下さいと思いながら,200段の階段を上って座像の足下につく頃には,何だか無理矢理目も冴えてました.
麓にはちょっとした集落が広がって,高層ビルのない昔の香港という趣.
ここは,香港島や九龍とは違う島で(九龍は大陸だが),空港ができるまではこの寺の周辺以外は人が住んでいなかったそうだ.いまでは,ベッドタウンとして島の反対側は開発されているが,まだここまでは及んでいない.一大観光地らしいが,のんびりしたもんである.
それからは,当然のように飲茶に行き(どうも観光客の案内では,昼は飲茶が香港人の常識みたい),船に乗り2階建てのバスに乗り(乗ってる間は爆睡),九龍側から香港島の夜景ライトショウを見,テンプルストリートでシーフードを食べ,屋台を冷やかしつつDVD等を買い込み,もう帰ろうそろそろ帰ろうと思いつついつの間にやら夜中近く,結局部屋に戻ったら0時を過ぎてました.
面白かったけれど,ああ疲れた.
The fine day

今日は,香港へ来て初めてというくらい晴れた.
高台にある集合住宅の,12階南向きの部屋に住んでいるので,日当たりは良いはずなのだが,毎朝起きるころに日がさしていた記憶がほとんどない.それが今日はカーテン越しでも,眩しくて目が覚めた.
快晴というわけにはいかないが,それでも青空が見えている.一月ぶりくらいの空である.
気温もどんどん上がって,日中は半袖Tシャツで十分.
明日は旧暦の大晦日で,なかなか気分がよろしいと思っていたのだが,ところが...
気温の急変のせいか,疲れが溜まってきているのか,ArifとDanielが倒れてしまった.
二人とも,ここ数日胃の調子がよくないといっては,あまり食事も摂っていなかったようだが,とうとう今日は限界が来てしまったらしい.
まあ長丁場だから,いろいろ起こってもおかしくない.
さいわいArifは病院に行ってもらった薬が効いたのか,いまは眠っているらしいし,Danielは地元だから,自分で医者に行くと言っていたし,まあ大丈夫だろう.
新年には,回復していることを願いつつ,今日はやけにぼぉーっと時間をつぶしている.
写真は,部屋のベランダから.
New year
明けまして,おめでとうございます.
といっても,香港の大晦日はわりに静かです.
旧正月というとすぐに出てくる爆竹バンバンとかは,政府が禁止しているらしく何処でも見られません.確かに,一度火事が起これば,ビルの上の方に住んでる人は助からないからなぁ.
今日・明日と稽古も休みで,思わず買い物に走る.大晦日の今日は,バーゲンも加熱する一方で,50%OFFの値段からさらに20%OFFになっているパンツなど,買い込んでしまいました.
その勢いで散髪にも行き,ずいぶんリフレッシュ.ヘアーカットの技術やそれに付随するサービスは,大昔から人間の生活の一部を占めているようで,その分バリエーションがあって面白い.
香港の散髪は,まずインド人らしきおねーさんに,ガシガシとキューティクルが丸ごと剥がれ落ちん勢いで,2回もシャンプーを使って洗髪されることから始まる.
その後たぶんリンスを使いながら頭や首筋をマッサージしてもらい,頭の皮がのびのびになるほど揺すられて洗髪終了.
カットはあまり日本と変わらず,適当にバリカンなど使いながら,さっさと片付ける感じ.ただ,カットのあとは,もう一度洗うことはなく,ヘアードライヤーで,顔に付いた髪の毛など吹き飛ばして,無事終了.
その後,晦日は大にぎわいというフラワーマーケットに,みんなで行きました.新年は水盆に球根ごと生けた水仙や鈴なりの小さなミカンの木,蘭やフォックスフェイスを飾るのが習慣らしく,それらを買い求める客目当てに風船や風車やオモチャを売る露天も並び,なかなかの賑わい.ただし,花以外はほとんどプラスティック製品しか目に付かない...
ちょっと残念な感じでした.花は見ていても楽しいのだが,どうもすべてがゴージャスすぎるというか,過剰に派手好みで,購入意欲が湧かずそのまま退散.新年早朝4時から5時くらいにマーケットに行くと,いまだ買い物客はいるものの,花は投げ売り状態で,ただ同然で花束を拾えるよと教えてもらったが,どうもそれまでは起きていそうにありません.
明日朝,目覚ましが鳴らないのはすごく嬉しいかな.
この2日はのんびり過ごします.
ちなみに,太陰暦というよりは,英語でLuna Calendarという方が,ずいぶんわかりやすくて好きな気がするなぁ.
ではでは,良いお年を.