新年・賀正(というのかどうかは知らないが...)
今朝起きてメールチェックしていると,プロバイダーのniftyからPhone2Phoneのお知らせが届いていた.要するにワールドワイドなIP電話サービスで,キャンペーン期間中につき3月9日まで無料とある.
仕掛けは単純で,まず各都市にあるアクセスポイントに電話をかける.場所によっては公衆回線だが,半数ぐらいはフリーダイヤルのポイントが設定されている.ちなみに香港もフリーダイヤル・アクセスポイント.
そこで,IDを打ち込んで,繋ぎたい国の国番号から電話番号を入れると,IP網経由で電話がかかる.
さっそくかけてみました.音声の品質は悪いが,確かにかかる.無料でした.えらい時代になったもんです.
ちなみに,僕と妻は香港へ僕が来る前に,エイヤッと携帯を買い換えている.機種変更したわけだけど,それは2M pixel クォリティーの写真が撮れて,SD videoの撮影も可能な3G携帯が発売されたからだ.日本国内では,送信可能なメールの送受信は,特定機種同士に限ってすべて無料,というキャッチコピーにのせられた面もある.
実際こっちに来て毎日使っているが,香港内の携帯へのローミング通話も合わせて,日本で使っているのと同じ感じで使える.
ただし,ただしである,3G国際パケット通信料というのが結構かかる.日本国内は無料だが(実際妻の携帯代は安い),外へ出ていろんなところを通って,香港の電話会社から僕の携帯に情報の包みを流すのは,かなりのお金がかかるわけである.
まあ,それだけ毎日,子供の写真やら動画やらを送ってもらっているからだが...
ところが,同じ携帯で撮れるSDヴィデオイメージは,携帯からは送れない.2分で5.6MB程度あるので,携帯で送れるメールサイズを軽く超えてしまうのだ.
これを,コンピューターからネット経由でやりとりすると,通信にかかる経費は,ほぼタダである.メーラーの送信ボタンをポイッと押せば,するすると送れてしまう.
もちろんプロバイダーに月数千円は払っているし,こっちでは大学が基本設備としてLANを組んでいるから可能なことではあるが,それにしても感覚的には無料である.
このblogにしたって,同じくタダである.基本サービスのひとつなので,プロバイダーと契約すれば,勝手に付いてくる.
これはいったいどういう事なのかと,考えてしまう.
もちろん,流れている情報の質には関係ない.そして,情報の量にも関係ない.
もちろん動画1時間とかのやりとりには困難が生じるかも知れないが,おそらく人的な尺度での多い少ないは問題じゃない.
ところが,携帯ではその量が,かなり人間的な尺度で決められて,値段に反映している.
そして,距離というよりは,世界のエリア/地域によって可能性と値段が決められている.
よく知らないからいい加減な物言いになるけれど,いまイラクの誰かと電話で話そうとすれば,かなりの手間とお金がかかるだろう.
そんな特別な地域じゃなくても,同室のJaeHyoやMugiは韓国やインドネシアに電話をかけるのに,かなりのお金を使っている.
これは,こういう人と人とのやりとりの方法が,大きく変わってきているからなんだろうか?サービスを何で量って価値にするかは,言いようによって何とでもなるということか?
遠距離間の交流としては,どんなルートを使っていても,いまだに音声と画像しか使ってないんだけどね.
Photogenic
新年を迎えるにあたって,近くのショッピングモールに設けられた,けばけばしいデコレーション.
まあ見るだに目出度い感じだが,どういう目的でこんなに其処ここに仮設されているのかと思っていたら,どうやら写真撮影のスポットらしい.
得てして多くのアジアの人々は,写真好きだ.ここ香港だけでなく,シンガポールやタイなんかでも,ウェディングドレスを着たおねーさんが,各所有名スポットで渾身の笑みを浮かべて,親族友人カメラマンのフレームに収まっているのを見ることがある.みんなそういうチャンスには押しが強いというか,そんなに日本では見ない光景である.
(結婚式場で,スモークモクモクの中,ワゴンに乗って上から降りてくるのは,あまり変わらないというかもっと凄い光景かも知れないが,今のところ僕の回りでは,そんなとっても目出度い結婚式は見たことがない...)
話は戻るが,とりあえず新年が明けて目出度いので,それを記念に人々はゴールドと真っ赤なモニュメントの前で,思い思いのポーズをとる.過剰とかやりすぎとかいうリミットはどうも見あたらなくて,とにかく派手なら派手なほど,数が多ければ多いほど,キンキラキンに輝いていればキンキラキンなほど,良いようだ.
でも,そんなに街中が新年できゃーきゃーいっているかというと,そうでもない.どちらかというと,この三が日はあまりあくせくせずに店も閉めてゆっくりしようや,という雰囲気が強い.親戚一同集まって,炬燵に入って蜜柑でもむきながらボーっとテレビ観て,ってな感じである.
思うに,クリスマスから太陽暦の新年を迎えて,ようやっと旧正月で,バーゲンに次ぐバーゲンで,観光客用にすべてのイベントをお祝いして,みんなちょっとゆっくりしたいのかもしれない.
そんなことを考えていたら,今晩8時から香港島の方でバンバン花火が上がった.
自室から見ていたので,それほど大きく見えなかったが,きっと近くでは物凄いスケールだっただろう.
とにかく派手,大きくて高く上がるヤツもあったけれど,締めは数で勝負.まるで壁が立ち上がるみたいに,同じ花火を無数に上げて,圧倒的な演出してました.
うーん,これは中国人の血の為せる技なのかな?
Gon Fey fa Choy
恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)!
明けましておめでとう,というより「今年も繁盛しますように」という感じの意味らしいが,これが新年の挨拶である.
ゴンヘイファッチョイという音は何度も聞いて覚えたのだが,今日までどんな字を書くのか知らなかった.ところが,ふぃっと寮のエレベーター・ドアの上を見たら,電光掲示板に英語と交互にこの漢字が流れていた.はあ,なんか目出度そうな言葉だなぁ,と納得.
三が日も今日で終わりだが明日は土曜日,オフである.なんか今週は休んでばっかし.
ところで今日は,CCDCでの最後の練習日.次回からはまたCityUのホールに戻っての制作になる.ころころ場所が変わるとLEDのセットアップが大変だし,プログラムにも集中できないのでプロデューサーに頼んだところ,大学のホールをずっと押さえてくれた.CCDCは利用者が多いが,大学は実のところ僕ら以外誰も使ってないのだ.
また,今日は一応の期限が切られた日でもある.
この一月,僕ら6人はそれぞれに,10分程度のパートを考えてきた.Danielの発案で,まずはそれぞれでいろいろトライしてみて(ダンサーは,望めば全員使える),これからの一月でそれをまとめていこうという考えである.
前にも同じようなことをした覚えがあるが,これはこれで大変難しい.でも,とりあえず事は進んで,各パートは出来たわけではないけれど,方向くらいは見えた.明日は休みで,明後日は丸1日ダンサーのワークショップ.明々後日から,全体を考えた制作に入ることになる.
何とも前途多難な感じなのだが,それでも今日は一応の区切りだ.
WS
今日は,今回の契約事項のひとつであった,香港のダンサーのためのワークショップ.
その名も,「New Asian Movement Technique」というご大層なものだが,いまいちメンバーは乗り気でなく,どうしようかねぇとモゴモゴ言っているうちに,今日に至る.
まあ2時間のものなので,どうにかなるかと思って他人事の顔してみていたら(ムーヴメントのワークショップなので,テクニカルは関与しなくてよしとのプロデューサーのお墨付き),もっとも経験値の高そうな坂本君が頑張って,2時間を乗り切る.他は遠巻きに見ていただけ.
参加者も4人と,どうも情けない.最終的に4人の参加者は十分楽しかったようで,その点は良かった.坂本君おつかれさま.
予算を獲得する際の,デコレーション的なイベント感拭えず.もったいないです,面白いダンサーが集まっているのに...
その後,明日からの製作に関してミーティング.
だいたい,感じていることは皆同じと確認.これまでの反省点,不満,足りないもの,それぞれあるが,ある程度共通したヴィジョンもある.集まってひと月足らずの6人にしては,上々か.
その後,僕は大学のホールで,LED照明の再インストール.
各灯体のアドレスを,劇場のディーマーを考慮して変更.Liddellのパッチを組み直して,点灯を確認.ケーブルの始末やなんかをして3時間程度で終わり.
さて,明日からどうなるかな.
a Valentine’s bouquet
今日は,関係者の前で,とりあえず出来ているものを片っ端から見せる.順番も何もなく,いまこれだけのマテリアルがあります,という感じ.
また,コスチュームデザイナーが,最初のアイディアとして何点か衣装を持ってきたが,どうもハムレットにこだわりすぎてるようで,王子様系か道化師のようなとんでもない服ばかり.でも,こっちで出来てきているマテリアルを見て,考え直す必要ありと,分かって帰った.
照明は,床置きのLEDしかいま使えないし,それもほとんどプログラムしていないので,誤魔化し誤魔化しお茶を濁す.
きっかけなんかが決まっていて,音と同期できるところは,ON/OFFだけはきっちり合わせて見せた.
いちおう2段階目のスタートは切れたか.
その後1時間ほどみんなで話してから,僕は学食に.閉まる直前に駆け込んで定食を平らげると,スーパーへ向かう.冷蔵庫には,ほとんど食材がなくなったので,買い出し.
大学の横のFestival Walkは,香港でも1,2を争う巨大ショッピングモール.この前バーゲン巡りをした時に,いままで知らなかった巨大な本屋やCDショップ,高級レストランやカフェなどを新たに発見して,あらためてその大きさを思い知った.その地下で夜中12時まで開いているスーパーに向かったのだが,途中何だか花束を抱えた兄ちゃんやオッちゃんを見かける.あと,花を抱えたカップルも多し.
それがまた,あまり花束とは縁がなさそうな(失礼!),いかにも仕事帰りビジネスマンわりと中年より,みたいなお方も嬉しそうに花束を抱えて人待ち顔だったりする.
そう,何かと思えば今日はバレンタイン・ディ.一方的に,女性が思いの人にチョコレートを渡すのみ,というのが日本のバレンタイン・ディだが,香港では男性は女性に花束を,女性はチョコレートをプレゼントする日らしい.
スーパーにはずいぶん前からチョコレートの大箱が山積みで,多くの人が何箱もまとめて買っていくところを見ると,こっちでも義理チョコはあるんだろう.
しかし,なかなかほほえましい風景である.オッちゃんがニコニコと,花束を持って待ち合わせスポット(派手な旧正月飾りの前)に立っていて,それをちょっと眺めている間にも,同じ様な花を持ったカップルが,何のてらいもなく嬉しそうに通り過ぎる.
何が由来の風習でも,チョコレート屋と花屋の売り上げ向上イベントでも,いつもと違うちょっとした刺激に浮かれた人々を見るのは,楽しい感じだ.
BBQ
数人の友人がメールやなんかで,blog読んでるよといってくれて,それはとても嬉しいのだけれど,なぜだかみんな「晩ご飯に何を食べたか」とか「今日はどんなモノを食したか」とかに注目していますという.
ダンス滞在制作記の筈だが...
ところで今日はバーベキューだった.
滞在先の寮から学食までの間にバーベキューサイトがあるのは,前に書いたが,世話役の学生達とそこでBBQパーティ.といっても,やはりビール抜き.コーラやファンタが並ぶ.
食し方も日本とは違っていて,各自が長ーい二股のフォークをそれぞれ持ち,思い思いに具を選んで炭火にかざし,ゆっくり焼いて食べる.どちらかというと炉端焼きである.
具もつみれ団子やミートボール,ソーセジからポークチョップ,小さめのバタ付き食パンからマシュマロまで,珍しいところではししゃもも並んでいた.
手に手に二股フォークを持って,ボーっと火にかざしているのは,なかなかおつなもんである.そんなに身動きもとれないし,とにかく話し始める.もしくは真剣に火を見つめる.
途中で少し雨も降ったが,楽しい夕食だった.
12 days
公演初日まで,あと12日.
今日はまたまたとっても寒い.+強風.
香港っ子のDanielが,こんな気候は初めてというくらい,毎日状況が変わる.周りでは津波の影響だという声しきり.
しかし昨日は暑いくらいで湿度97%.今日は震えるほどで,風がぴゅうぴゅう.気がつくと,ここには寒いだ暑いだしか書いていない.
昨晩は僕のワークショップ.といっても半分はレクチャーで,ダムの作品の話しや去年のRefined Colorsの事を話して写真や動画を見せる.残りは,ColorWaveを使って,実際に音に合わせてLED照明をコントロールしてみる.LEDもだが,ノートPC1枚で音と照明を動かしていることにも関心が集まる.
ある程度は安定しているが,実際は結構冷や冷やする場面も本番中にあるんだけど,そんな話はせずに,可能性にフォーカスを当てて話す.
ちなみに,いまLED関連で一番気に入っているサイトはここ.
http://www.lightuptheworld.org/index.html
白色LEDと太陽光発電パネルとバッテリーの組み合わせは,シンプルで壊れにくい.しかもLEDはほんのわずかな電力で十分な明かりを提供する.
日本も無駄なODAにお金を浪費せずに,このセットをガンガンいろんな場所にばらまけば,結構感謝されると思うのだが...
ずいぶん前だが,インド北方のラダックやネパールなんかで,明かりのありがたさを感じたことがあるだけに,この組み合わせは,有効なサポートになると思う.
特にLEDは,電球みたいにフィラメントが燃え尽きて切れる事なんてないから,まだまだ使える中古機材が,これからどんどん出てくる可能性がある.それらと発電システムを組み合わせて,まだ電力や明かりの不自由な地域に送れば,とりあえず夜の闇からは解放される.
中古だと安いし,下手すりゃ日本ではゴミ扱いだ.それが十分役に立つ.
まあ,暗いのもたまには嬉しいけれど,それしか選択肢のない生活は大変.日が沈んでも本を読める方が,誰もが嬉しいはずだ.
Remix
今日はオフだが,昼からはAnthonyのスタジオで,作り貯めた音のリミックス.
自室ではJae Hyoのcooleditで音編集をしているのだが,やはり公演用にはプロの手を借りた方が確かなので,データを持ち込んで細かな修正等を行う.
おかげで,起きてシャワーを浴びて,前から予約していたマッサージを受けて(500HKDで3回,わざわざ部屋まで来てくれる),その合間にあわてて洗濯と食事をして,リラックスしたんだか何だか分からないままスタジオに向かう.
スタジオではサラウンド環境の構築やなんかで,かなり時間がかかり,逆に僕はすることもなく時間をつぶす.まあ,こういう事はよくあることで,ようやっと準備が整って作業開始,14時に入ったが,途中ご飯を食べたり幾つかアクシデントがあって,気がつくと24時も近く,まだ幾つかのセッションは終わりが見えないまま終了.
しかし,知ってはいたが,あらためて音編集の多機能さには驚くばかり.
写真は,Jae Hyoがエンジニアと一緒に,Arifの歌の音程がはずれたところを直しているところ.たった一カ所いじっただけだが,この調子で根気よくやれば,誰が歌っても完璧に出来る.
スタジオの近くでちょっと食事をして,25時も近くなってぎりぎり地下鉄の最終に駆け込んで,九龍に帰る.
改札を出たところで,僕らの公演の大きなポスターを見つける.悪戯小僧みたいなイメージは,Danielの印象が強いのか?
もう一枚の写真は,スタジオ(15階)の窓から撮った向かいのビル.別に覗き趣味があるわけではないが,何か香港に住むっていうのはこういう事か,という印象が強くなって撮ってみた一枚.場所は,佐敦(JORDAN),繁華街のど真ん中.
この地で大事な職業ベスト3には,コックとエレベーター屋さんが絶対入ると思う.