Bergen_Grieghallen/Norway

5月22日(日)の朝に関空を発ってBergen/Norwayへ.KLMなので,アムステルダム乗り換え.スキポール空港で4時間程度のトランジットだったが,異常に眠かった.このところ早寝早起きの生活が続いた上に,さすがに前夜はあまり寝ていられなかったので,飛行機に乗ってからほぼずっとウトウトしていたが,それでもまだ眠い.
Bergen行きの飛行機が,何かの修理のために1時間出発が遅れたために,飛行場の外に出る頃には既に22日の夜23時を少し回っていた.でもまだ空は明るい.
昨日/23日(月)は朝から仕込み開始.さすがに前夜は街の探索にも出ず,シャワーを浴びてすぐベッドへ.
会場のGrieghallenは,席数1500席余りと非常に大きいが,バルコニー(2階席)はなく,ステージ面からなだらかなスロープが扇状に広がる珍しい構造.しかも,ステージ面が客席最前列と同じレベルで,必要なら客席前側がオーケストラピットかもしくは予備の客席エリアとして沈むようになっている.
YCAMのStudioAが同じ構造だが,他ではあまり見たことがない.この構造は舞台床面が見やすくて良いと思う.またプロセニアムも完全に開いて無くすことが出来て,非常にフレキシブル.しかも客席が広がっている割りにはあまり見切れが無くて,両サイドの席でも何とか我慢できる.
まだお客さんが入っての公演を打ったわけではないが,使いやすくて良い劇場な気がします.
今日/24日(火)も朝から照明のフォーカスの続き.作業ペースがのんびりしていた割りには,問題なく午前中に終わる.
しかし今回は,フェスティバルのオープニングを飾ることになっていて,ノルウェーのロイヤルファミリーが初日に観に来るとか,僕らのステージ上で公演前にオープニングセレモニーを行うとかで,公演以外にいろいろ邪魔くさいことが多い.
なるべくなら公演だけに集中したいが,でもオープニング・パフォーマンスにわざわざ選んでくれたのだから,ありがたい話しでもある.

Bergen_Grieghallen 2

5月25日(水):ベルゲン国際フェスティバル開幕.僕たちの公演会場で,昼間に別のセットアップをして,フェスティバルのオープニングセレモニーが行われた.ノルウェーのプリンス・プリンセスが来るので,劇場やフェス側もなかなか対応が大変そうだった.
ちなみに,同会場で夜にあるダムの公演にもプリンス・プリンセスは来られた.何でもプリンセスが妊娠中とかで,開演前に少しパフォーマンスの音量が取りざたされるが(重低音と爆音),予め大きな音が出ることを伝えて,必要なら耳栓やもっと心配なら無理矢理観ることもないということで,話が収まる.フェスティバル側のスタッフが,王室関係者との間に立ってがんばってくれた.当たり前のことだが,なかなかこうはいかない.長く続いているフェスティバルで,スタッフもちゃんと自分たちの考えを持ってやっているなぁと関心.
結局問題なく,1500席ほぼ満席で無事公演終了.その後盛大なレセプション.僕らにあわせてくれたのか,お寿司と白ワインがでた.
5月26日(木):朝から大雨と強風が吹きまくっていたが,何だかベルゲン市民の半分くらいは,傘も差さずに雨の中を歩いている.合羽も着ずに自転車に乗っている人までいる.彼等にとっては,このくらいの天気は珍しくもないのかも.
そんな天気でも,今晩も公演は盛況.この2日間いつもよりスーツ姿の観客が多くて,どうも年齢層が高い気がする.まあ,拍手も多かったし,喜んでもらえたとは思うので,問題はないんだけれど...
公演後のバラシも問題なく,搬出時に外に出たら,すっきり晴れ上がっていた.既に23時近いのだが,空はまだ明るい.
劇場では,明日からもコンサートやオペラの公演が続くので,夜中にもかかわらず次の公演の仕込みが始まっている.1年に1度のことなので,スタッフもハイテンションで楽しくやっている感じ.
ホテルへの帰り道,ちょっと不思議な白色光の街灯があるなぁと思ってよくよく見たら,高輝度白色LEDの照明だった.ちょっと寒々しい白で,街に似合ってはいるが,よけい寒さがつのるかも.
5月27日(金):今日はオフ,1日だけ時間がある.フィヨルドの観光というのにも強く惹かれたけれど,無精をして何の下調べも手配もしてこなかったので,あきらめて近くの丘に登る.行きはケーブルカー,往復チケットを買ってあったんだけれど,天気も良いし割りと楽そうなので,帰りは徒歩で下りる.街のすぐ近くなのに,素晴らしい景色.美しい森と山道だった.
ベルゲン美術館にも行ったが,そこで奇妙な体験を.
あまり人の行かなさそうな奥の展示室に写真のコレクションが並んでたんだけど,ふと角を曲がるといきなり知人の顔が飛び込んできた.Thomas Struthという写真家が撮った「The Okutsu Family, 1996」という作品で,そこには以前山口でお世話になったOkutsuさんがご家族と写真に収まっていた.
いきなりノルウェーの美術館で,しかもまったく予想だにしていなかったので,とても不思議な感覚だった.世界が狭いのか,美術界が狭いのか...
夕方からUBU,夜はCarte Blancheのパフォーマンスを観る.Carte Blancheは2部構成で2人の振付家の作品.振付や照明は好みだったが,残念ながら音が全然ダメ.(あくまで僕の好みの問題です.)
明日28日は,ベルリンに移動.