しばらく前に,帰国してます.
それで今日は,京都の町を自転車で,リサーチ&買い物.というのも,京都市の環境課が行っている,「電動式生ゴミ処理機購入助成金」というのに当たった.これは,申請して選ばれれば,3万5千円を上限に,生ゴミ処理機の購入金額の半額が京都市から返ってくるというもの.
ちょっと調べてみると,大体売れ線の,乾燥式家庭用ゴミ処理機が6〜7万なので,その半額を市が払ってくれるという事.まあ1件で3万前後というのは,そんなものかと思うけれど,対象が2000件だか2500件という話なので,全体予算としてはかなり大きい.でも,ゴミ処理場を建てる事に比べたら,微々たる予算だし,それで各家庭に処理機が入って,各々が支払う電気代でゴミが減れば,ゴミ袋有料化とあわせてそれなりの効果はある.なかなか頭のいい戦略だと思うのだけれど,京都市のゴミ袋有料化はいろいろ取りざたされても(それもたいてい,準備が出来ていないだの分別収集が大ざっぱすぎるだの,否定的な事ばかり),助成の方はそれほどでもない.家電店のゴミ処理機コーナーには助成金のチラシがあったが,それじゃあ元から興味のある人しか見やしない.戦略は良くても,広報がダメだとなぁ...
とにかく,価格.comで最安5万円くらいの値がついている人気商品を購入すべく,寺町四条や外側の大型量販店を自転車で回る.
それで,もっとも安かったのが,税込み送料無料で,6万3千円.
高いなぁ,こういう既製品を買うなら,ネットの方がやはり断然安い.しかし,まあ送料は含まれていないが,最安の所と比べて1万円も高いというのは,どこがどう違うんだろう?昔みたいに,買った所が,その使い方から修理,果ては廃棄まで,全部面倒見ますという,近所づきあい的な関係なら分からなくもないが,どうせどこだって,売ってしまえばあとはメーカー任せでしょ.
しかし,助成金の但し書きには必須条件として,京都市内の店舗で購入の事とある.
で,それとはまったく関係ないが,久々に京の街を自転車で走り回ったら,ものすごく目についたのが,携帯のメールをチェックもしくは送信しながら走っている自転車だった.
最初は,バッカじゃなかろか危ないなぁ,と思ってたんだけど,そのうち怖くなった.
本読みながら,自転車乗れるか?
そんなの無理でしょ? じゃあ,なぜ携帯の画面なら,読めると思うんだろう?
すれ違ったのが,ことごとく若者だったのも気になった.あえて言っちゃいますが,みんな二十歳から三十歳くらいの人でした.
それで,ほとんど無理やりだけど,タイトルの「問題解決能力」.
以前読んだ脳の本で,一番衝撃的だった「環境ホルモン」の話.まあ,いろいろ恐ろしそうな事が取りざたされていた(この頃は話の端にあまり上らないけど)環境ホルモンだけど,身体に異常が出たり,精神的に障害が出るのは,ある意味分かりやすい.それより怖いのは,人間の機能としての,問題解決能力の劣化だという.
つまり端的に言うと,このままでは,何か重大な問題に直面した時に,どうしていいか分からなくて,呆然としてしまう人が増えるかもしれない.
これはかなり怖い.いっけん普通に暮らせるし,決められたシステムの中では,たぶん何の支障もなく社会のいちパーツを務められるだろう.でもその人が,特異な事態では,使い物にならなくなってしまうのだ.
しかも,どこまでそういう事になってしまっているのか,非常事態が起こるまで,確かめようもない.
もっと恐ろしいのは,いつの間にか自分も含めて周り全員の,解決能力が衰える事である.これは,ある意味惚けるよりずいぶん深刻だ.
ここからは,本の受け売りではなくて,僕の勝手な意見だが,問題解決能力が減退すると,どういう特徴が現れるか考えてみると...
・マニュアルに頼るようになる.
だって,自分で何とか出来ないなら,他人の知見に頼るしかない.
・他者とのコミュニケーションができなくなる/うわべだけになる/人目を気にしなくなる.
ほとんどのトラブルは,他者との交渉によって解決されるから.
・データや身の回りや,その他いろいろ,整理整頓できない人が増える.
解決の糸口は,まず整理して状況を把握する事だと,僕は思っているので.
これって,今どきの若者の...
と,自転車に乗って走っていると,いろいろ想像は膨らむ.
願わくば,これが僕の強迫観念的な,思い込みでありますように.
Jean Genet
11月3日
京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター 主催
ジャン・ジュネのテクストに基づくダンス公演『恋する虜』のための公開セミナー
「裏切りとしての身体—ジュネの言葉とダンスの出会う場所」
http://www.k-pac.org/kpac/study/061105_f.html
というのに行ってきた.
この試み,2年間かけてダンサーや舞台美術家,映像作家に現代フランス文学者に批評家と,まさに大学の研究機関ならではのクリエーション・メンバーが,きちんと作品を作っていこうという試み.
コラボレーションという言葉は,さまざまな分野で,いやになるほど使われているけれど,実際にクリエーター同士がじっくりとミーティングから始めて,ある程度の認識を共有して,作品を共同製作している例は本当に少ない.
たいていは,何だか大御所の彫刻家だかなんだかが作ったわけの分からない物の上で,ダンサーが適当に,こんなインスピレーションがこの物を見ていると湧いてきました,という感じで踊っている(ように僕には見える.)実際,このプロジェクトに参加している方々の作品でも,そういうのを観た覚えがあるが,今回は違った.
まさに,大学ならではの企画というか,実際にさまざまな人材を抱えていて,アカデミックなネットワークもあって,しかも劇場やスタジオまで持っている機関だからこそ,こういう長期プロジェクトが組めるんだという好例.
特に,僕の好みとしては,映像作家の伊藤高志さんと舞台美術家の杉山至さんの仕事が素晴らしい.これは言葉を変えると,パフォーマーとテクニカルサイドが,きちんと話し合いを積み重ねて,お互いに作品を理解しているという事だと思う.当たり前の事みたいだけど,これは日本の舞台作品の制作システムの中では,なかなか難しい.特に,自分の事をアーティスト/独立した作家だと思っていないテクニカルの人は,いきおい作品の内容より,出演者やディレクターなどの口から出た言葉だけを,現実化する事を仕事だと思っていて,作品の中身にはあまり関心が無いように見える.これはたぶん,制作場所や予算なども含めた,日本の制作環境にも原因があるのだが,この企画は,その環境に一石を投じるような試みだと思う.
ただ,できうるなら,音響と照明のスタッフも,作品のコラボレーターとして,同じレベルで作品に関わっていって欲しいと思う.(内実は知らないが,音響と照明のスタッフは,今回のクレジットには載っていても,プロジェクトのメンバーリストには名前が挙がっていなかった.)
そして,特に,これが批評家とかでなく舞台に上がる人,ダンサー・コレオグラファーで京都造形大学主任研究員(教授)の山田せつ子さんを中心に展開されているのも注目に値する.
また以前,「公務員的なダンスで全然面白くない」と書いた砂連尾理・寺田みさこさんのダンスも,今回は他の舞台要素と相まって,とても面白かった.僕は何かを研究しているわけではないので,個々のダンサーの作品を系統だってみるような事は,意識的にはしていない.そして,こうやって個人的な感想を時々ブログに書くぐらいだけれど,これからも機会があれば前の作品に関係なく,積極的に様々な作品を観ていきたいと思う.
そうそう,上記の二人も造形大で教えておられるそうで,そのポジションがこういう作品になって還ってくるわけだから,大学という場所もなかなか捨てた物じゃない.
あと,実は白井剛さんもこのプロジェクトに関わっていて,彼の仕事の断片が観られる事を楽しみにしていただけれど,今回は体調がすぐれず欠席との事.残念...
それと,別にたいした事ではなけれど,このブログのプロフィールに少し個人的な情報を載せました.
というのは,もともとは親しい知り合いや身内に向けて書いていたつもりなので,何も載せていなかった.だけど,このブログについつい忘備録的に公演の感想などを書いてしまう,しかも,かなり酷評してしまう時があるので,それならこちらの名前なども載せておかないと,フェアーじゃないと思ったわけです.
あくまでも個人的な感想で,批評とかでは全然無いけれど,そんなこの僕の感想に何かコメントなど付けようと思った人がいても,名前も分からないようではやっぱり躊躇してしまうだろうしね.
プロフィールへのリンクは,写真(娘)の下に小さくあります.
Move around
久々に,ほぼ徹夜状態.
もともとロング・スリーパーなだけに,明日(もう今日か)は,使い物にならないかもしれない.(はやく寝ろ!)
といっても,もうすぐ機上の人.久々に,Eaさんの公演で,アメリカはノースキャロライナのChapel Hillという所へ向かう.
http://www.carolinaperformingarts.org/performances/event.aspx?id=dde5643f-51f8-4a23-9ac4-b6761d6679b8
しかし,GoogleEarthで見る限り,かなり田舎.大学のある町というか,町化した大学という感じの所のようなので,案外楽しいかもしれないが...
アメリカの田舎って,どこよりも世界の辺境だと思う.
で,徹夜な訳は,今回初めて,通常の舞台照明とLED照明を,両方一人でオペレートする.今まではフランス人の相方がいたんだけど,予算の都合でカット.その皺寄せで,準備が間に合わずこういう事に.
まあそうは言っても,別に無理なスケジュールだったわけでも無く,ただ僕がのんびりしていたと.それでも,何とかキュー・プログラムも組み上げたので,まあよしとしよう.
のんびりついでに,娘の七五三に吉田神社に行ってきた.僕自身は,子供の頃も含めて,そういう神仏への風習が無い環境で育ったので,新鮮でなかなか面白い体験だった.ただ,この12月で3歳になる娘の七五三は,どうやら去年に行うものらしい.数えで3歳という事か.
しかし,ちょいと大きくなった今でも,着物を着せるのは大変なんだから,去年は無理だろうと思ったけれど,よく考えれば,昔の人は生まれてからずっと,着物で暮らしていたのだった.
で,娘の写真.
それでは,行ってきます.
NW
Northwest航空では,ついに国際線でもアルコール類が有料化されていた.しかも,ビールでもワインでも何でも一律5ドル.缶ビールの350ml一本5ドルはぼり過ぎでない?
前夜の無理が祟って,エコノミー座席で爆睡.目覚めてもしばらく身体が固まって動かず,首や肩がガチガチに.
関空の出発が,機体のトラブルで2時間遅れ,当然乗り継ぎは逃し,一便遅れて着いたノースキャロライナの空港では,今度は空港側の機材の故障で着陸後30分ほど機内に缶詰め.大丈夫か,アメリカの航空業界?
日曜に飛んだので,現地との連絡も思うようにとれず(メールはおろか携帯も繋がらない),迎えのタクシーは当然もう待っているはずもなく,自分で捉まえたタクシーでたどり着いたのは,世界の果てのようなHoliday Inn, Chapel Hill.
ネットだけは,各部屋に無料の無線がバンバン飛んでて快調なので,さっそくGoogleEarthで現在位置を見てみるが,これがもう周りにあるのは森と道路とコンビニ.Chapel Hillの街に行くのも,車が必要な模様.
今日は,旅の疲れから回復するrecover day なので,街を散歩しようかと思っていたけど,それも億劫に.
自宅の旧iBookにやっとiSightが付いたので,Skypeでビデオ電話.時差がちょうどいい感じで,こっちの朝7時に繋げると,日本は夜9時.子供が寝る前に,顔を見て話が出来る.
しかし,こういう技術とサービスが現実のものになってるなんて,やっぱり凄いなぁ(しかもタダ).今居るような広大な田舎があるからこそ,アメリカでこういう技術が発達していくのかしらん.で,日本でも,マンションの隣の部屋が,一生訪れないような遠い場所になって行くと.まあ,ネットのせいで,日本で近所付き合いがなくなって行っているわけではないが...
Chapel Hillどこか分かるかな.
About mail
11月17日:素晴らしい,秋晴れ.
昨夜,Chapel HillでのEaさんの初日が無事に明けた.
まだまだ照明的には納得できない所もあるが,とにかく大きな支障はなく公演できて,ひとまずほっとしている.
この作品とのつきあいも,もう1年を超えるし,作品の立ち上げから関わっているので,かなり内容が頭に入っていて,何とかオペレーションができた感じ.
もともと僕の担当だったLEDのキュー数が80くらいあって,新たに通常の劇場照明のキューがこれまた70CUEくらい加わって,全部で150弱のきっかけがある.他の人の仕事を知らないので,はっきりとは言えないが,これはたぶん70分くらいのパフォーマンスにしては,かなり多いんじゃないかな.
もっとも,Refined Colorsは,全体の2/3くらいがタイムコードで同期して走っているので,シーンによってはもっとキュー数が多い.
MAXでテクストとして書き出した時間を,そのままLIDDELLに読み込んでキューを書いたりできるので,最初にいろいろ試していた時には,4分ぐらいのシーンで2000キュー以上になった事もある.まあこれなんかは,パチパチ鳴る音,いち音いち音に光の点滅を割り振ったりしていたんだけど,結局あまり多過ぎるとかえって分からなくなるので,いまはかなり減った.
でも,話は戻るが,昨夜の公演は,すべてのキューを手で操作しているので,きっかけを覚えるだけで一苦労.
それでも,とにかく覚えてしまえば,こっちのもんである.
ところで,どうもアメリカに入って以来,メールが送信できていないようである.別に跳ね返ってくるわけではないので最初は分からなかったのだが,日が経つにつれて,返事が来ないのを訝った電話が携帯にかかってくるようになり,それで判明.こっちも,メールを送ったのに一向に返信がないのでいらだっていたりしたのだが,どうもどのメールも送り先には届いていない模様.
スカイプは繋がるし,こうやってブログの更新などもできるのだが...
僕のメールサーバーの問題かとも思ったのだが,一緒に来ている他のテクニカルも,別のサーバーを使っているのに同じように送れていないとの事.困った!
とにかく,ここにいる限りにっちもさっちもいかないので,帰国したらすぐ再送します.もし僕から何か返信があるはずなのに,何も届いていない方がいれば,その旨メール下さい.おそらく受信は全部できていると思うので,帰国したら返信します.
明日には,日本に向かうので,今日がChapel Hillでの最終日.
聞く所によると,この街のほとんどを占めるUNC(ノースキャロライナ大学)は,アメリカ最古の公立大学らしい.他にももっと古い大学はありそうなもんだが,ハーバードとかそういう僕でも名前を知っている所は,皆プライベートスクールだとの事.
しかしまあ,何でこんな田舎にと思っていたら,この辺り一帯は,アメリカいちの煙草と綿製品の産地らしい.特にアメリカの煙草メーカーのほとんどは,ここに拠点があるとの事.なんともまあ,のほほんとして牧歌的に見えるが,その氏素性は奴隷制バリバリの白人ご都合主義の産物だったわけで,そこにこの国初の公立大学ができたと.
町自体が大学で,たいていの大学街がそうであるように,今は白や黒や黄色やいろんな色の目や髪の人々が,誰に遠慮もなく闊歩しているし,中にいる限り快適だが,この州の他の地域はどうなんだろう?
そして当然ながら,ノースキャロライナは圧倒的に共和党支持らしい(また聞きです,違ったらごめん).バーなどでも,ちょっと耳を澄ますと,ブッシュがどうした,とかの会話が聞こえてくる.まともには聞き取れないので,雰囲気だけの解釈だけど,今回の民主党の躍進で,共和党内でもかなりブッシュ批判は高まっているんだろう.
でも,思うんだけど,共和党が攻撃的で民主党が平和的かというと,そういうことではないだろうという気がする.
もちろんブッシュのいかれた原理キリスト教的倫理観や好戦性は最低だが,彼はたぶん単純でアホなだけだ.で,何でそんな人が現職の大統領になれたのか,しかも2選目だ,というほうが問題で,そういうのもたぶん共和党だからという答えではないんだと思う.
ああもちろん,そんなアメリカの事に茶々入れてるうちに,日本も同じように酷い事になってるようで,いつまでもご主人様のアメリカに尻尾振って付いて行こうとしていると,そのうちぽいっと道端に捨てられそうな状況である.そういえば,安倍さんって,何となく捨て犬が似合いそうな顔.
In mourning
こういう事をこの場に書くのはどうかとも思うが,今年の6月に実父が他界した.突然の死というわけではなく,ある程度の覚悟はしていたのだが,その翌月に妻の父が逝ってしまった時には,かなり驚いた.
それで,ひどく慌ただしい6月と7月だったわけだが,一連のお別れが終わった後に困ったのは,こういうのは,誰にどのように伝えなければいけないのかという判断だった.誰だっていきなり僕に,「この前,父親が二人とも逝っちゃってね...」などと話しかけられたら,びっくりするだろうし,そんな話を聞かされてどうリアクションすればいいかも困るだろう.
と,以上は言い訳で,多くの友人・知人にようやく喪中葉書を出し終わった今日まで,父親二人のコトはほとんど誰にも話さなかった.
僕の実父は十数年前に,アルコール依存症で一度死にかけている.そしてそれを期に断酒して,同じ元依存症の人たちが集う断酒会の支えもあって,その後死ぬまでの十数年間は一滴のアルコールも口にしなかった.断酒するまでの彼の人生は,本当につらかっただろうと今なら僕も思えるが,その渦中は家族もかなり大変で,彼の気持ちを思いやる事は難しかった.それでも,最後の十数年間,父親はずいぶんがんばったと思う.えらそうな事を書けば,この年月がなくてあの時逝ってしまっていたら,それはそれは悲しい人生だっただろう.
その無理な飲酒が祟って,断酒してからの彼の身体は,肝臓はもとより体中ボロボロだった.それでもそれなりに,母親ともいろいろな所に旅行にも行き,長年住み慣れた住み家から新居に引っ越しも済まし,ある程度のけじめというか準備も整えた後に何度か入退院を繰り返し,6月に帰らぬ人となった.
実は僕は,父親が逝く前と,逝ってしまった時には,別々の仕事でそれぞれ海外に出ていて,今際の時にもお葬式にも間に合わなかった.というか,もともともしかしたらそういう事になるかもという了解を,僕の母親も含めた(そして父親もわかっていたはず)家族から得ていて,「次に帰るまで元気で.」という言葉が父と交わした最後の会話になった.
もちろん,親不孝のそしりは免れないが,我が儘を承知でいうと,そんなに不幸な別れ方だったとも思わない.ただ,僕の両親はやっと新居に落ち着いたばかりだったので,あと数年間くらい,これまでの事を取り返すように,もう少しゆっくりと寛いだ時間があればもっと良かったのにとは思う.
逆に,妻の父親は,治療のはずの手術の後,そのままついに麻酔から覚めなかった.本人はもとより家族の誰一人として,こんな結果は思いも寄らなかったはずだ.かつ,意識は戻らないものの,数日間は呼吸も心臓もしっかりしていたので,その間の手術に対する葛藤というか疑心というか様々な思いは,ずいぶんと妻や家族を苦しめた.
僕は,此処でも不孝者で,最後に義父と言葉を交わしたのはずいぶん前で,次に会った時には,もう眠り続けておられる時だった.妻の両親は,少し離れた土地に住んでいて,日々の忙しさとそれを理由に,長らく遊びに行かなかった.後悔しても,今から取り返せる事ではない.すいませんでした...
暑い夏の義父のお葬式には,娘も連れて家族3人で妻の里に帰った.人を送る儀式が,今僕らが住んでいる所よりずいぶん濃密に残っている場所で,それなりのお別れをすませたように感じたのだけれど,義母や妻や兄弟姉妹にとっては,それでもまだにわかには別れがたい,突然の死だった.
今年の夏は,そんな一生忘れられない夏でした.
その簡単なお知らせの喪中葉書を,12月になる前にといわれて慌てて出したので,此処にもいちおう書いておきます.
Kyoto BRIGHTON
今年も,京都造形大空間デザイン学科/椿組_三回生の,京都ブライトンホテルでのX’masデコレーションのお手伝い.
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/hotelevent/event/2006_12/illumination/index.html?F=XM
今年は,去年にも増してLEDとLiddellをフューチャー.そして,Jazz.
朝6時から夜中1時まで繰り返される,たった6曲のジャズの選曲まで含めて,評価は分かれるだろうが,こういう「パブリックな」と言っていいスペースで,20日間以上の長期展示を授業として行えるのは,単純に凄いと思う.
これは,大学のやる気と言うより,椿さんの熱意かな.
お時間に余裕のある方,ホテルでお茶がてら,どんなことになってるか見に行ってみて下さい.
An artist from Lebanon
今年7月の,ヒズボラによるイスラエル兵士二名拉致から始まる,イスラエルのレバノン侵攻の記憶も新しいかの地から,レバノンのアーティストが来日,東京で講演会の予定.
以下に案内を貼っておくので,チャンスのある方は是非!
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■東京国際芸術祭2007プレ企画
ラビア・ムルエ(レバノン)来日講演会
▼ 日時:2006年12月20日 (水) 19時〜21時
▼ 会場 :にしすがも創造舎特設劇場
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⇒ラビア・ムルエ(レバノン)来日講演会 詳細&お申込み
【 http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html】
演劇から映像、美術、音楽まで軽やかにジャンルを横断し、
世界のアート界に旋風を巻き起こすレバノンの鬼才、ラビア・ムルエ。
2007年3月に行われる東京国際芸術祭での新作・世界初演に先駆けて来日、
新作に向けた抱負を語ります。
内戦というトラウマがしみ込んだ国、宗教的な共同体によって定義される
社会において、芸術に残された可能性とは何か? 個人が果たすべき役割
とは何か? 2006年夏のイスラエル軍によるレバノン攻撃や相次ぐ暗殺事件
によって内戦の再発が危惧されている現在のレバノン。その現実に生きる
アーティストが今、レバノンで表現を続けることの意味を鋭く問いかけます。
■ラビア・ムルエ プロフィール■
1967年レバノン・ベイルート生まれ。現在もベイルートを拠点に活動、
世界の主要な芸術祭や劇場、美術館で精力的に作品を発表し、
世界的な話題を呼んでいる。日本でも東京国際芸術祭の招きで2004年
『ビオハラフィア』を上演、好評を博した。内戦を経てなお揺れ動く
レバノン社会の傷と矛盾を執拗に表象し、解体するパフォーマンスや
映像作品は、検閲すれすれの挑発と絶妙のユーモアに溢れ、
メディアや共同体が作り出す虚構と現実の境界を激しく揺さぶる。
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■開催概要
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▼日 時:2006年12月20日 (水) 19時〜21時
▼会 場:
にしすがも創造舎 特設劇場
〒170-0001 豊島区西巣鴨4-9-1 旧朝日中学校
地図はこちら http://tif.anj.or.jp/contact/index.html
▼入場料:1000円
▼申込方法:
お申込み方法:
1: HPから予約 http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html
2: 電話で予約 03-5961-5202
*定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにご予約下さい。
また、ご予約なしで当日いらっしゃるお客様にはお席をご案内できない
場合がございますので、必ず事前にご予約いただきますようお願い致します。
▼お問合せ:
東京国際芸術祭
tif@anj.or.jp
Tel 03-5961-5202 Fax 03-5961-5207
主催:NPO法人アートネットワーク・ジャパン
共催:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
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REAL VOICE OF LEBANON Conference by Rabih Mroue(from Beirut)
– Special Event for Tokyo International Arts Festival 2007 –
Date: Wednesday, December 20, 2006 19:00 – 21:00
Language: English (with Japanese translation)
Venue: Nishi-sugamo Arts Factory (4-9-1, Nishi-sugamo,Toshima-ku,Tokyo)
Fee: 1,000 yen (including tax) (Payment by cash at the venue.)
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Rabih Mroue is a Lebanese prodigy who works ubiquitously across
the borders of theater, visual art, fine art and music and triggers
a storm in the global art community. Prior to the new production
(world premiere) at Tokyo International Arts Festival in March 2007,
Rabih visits Japan to express his aspiration for the new production.
What potential remains in arts in a country deeply traumatized by
the civil war and in a society defined by a religious community?
What the role of individuals? In Lebanon, there is a growing concern
of reoccurrence of civil war after Israel’s attack in the summer of
2006 and a series of assassination. An artist working in Beirut
questions the meaning of continuing art expression in Lebanon.
(in English with Japanese translation)
Rabih Mroue:
Born in Beirut, Lebanon in 1967. Rabih works based in Beirut and actively
performs at major arts festivals, theaters and museums over the world,
attracting increasing attention globally. He performed “Biokhraphia” at
Tokyo International Arts Festival 2004 to win rave reviews.
A provocative multimedia performance almost to the limit of censorship,
and exquisite humor relentlessly represents and destructs the faults and
contradictions of Lebanese society that he belongs to and fiercely
criticizes its fictitiousness made up by media and communities.
Reservation:
from websie: http://tif.anj.or.jp/news/lebanon.html
or Call: 03-5961-5202
Venue : Nishi-sugamo Arts Factory
address 4-9-1, Nishi-sugamo,Toshima-ku,Tokyo
MAP http://tif.anj.or.jp/contact/index.html
For further information please contact us at:
Tokyo International Arts Festival
tif@anj.or.jp
Tel: 03-5961-5202
Fax: 03-5961-5207