true_YCAM residence 02

PhotoImage
あっという間の一週間.
フライヤー用の写真撮影を軸に,いろいろ試すことができた.制作に入ってしまうと,とてもあんなふうに,撮影に時間を割くことはできない.
まだパフォーマンスの具体的な内容は,ほとんど決まっていないが,写真用のビジュアルを作っていくというのは,服や明かり.人のポーズや小道具など,ある意味公演のためのガイドラインを作ることにも近いので,かなり夢中になってしまった.その分,音はおいてきぼりになった感があるが,まあM鍋氏との制作は,かなり場数をこなしているので,何とかなるでしょう.それよりも,もう一人の音響担当のMナミ氏に,早くビジュアルデザイン作業から音制作にシフトしてもらわないと...

Shanghai 01

上海に来て数日.
今回は,ダムの作品のインストール.O Art Centerという美術館でひらかれる,Body Mediaという展覧会.
僕たちの作業の様子も含めた日々の詳細は,美術館のブログで公開されている.
http://www.oartcenter.com/wblog/
上海は,僕が生まれて初めて訪れた海外の地でもある.
1984年ごろ,日中国交正常化がなされてわりとすぐに,ひょんな事から上海・西安・北京と廻るチャンスがあって,生まれて初めて国外に出た.あれから数十年,当然隔世の感がある.その時は,まだこっちの人はほぼ全員人民服を着ていたのだ.
上海は2010年にエキスポが,北京は2008年にオリンピックだ.なので,もう街中が工事中.しかし,東京オリンピックと大阪万博や,バルセロナオリンピックとセビリア万博みたいに,こういうのはセットになっているものみたいだなぁ.そうやって,一時期に一点にお金が集中して,「開発?!」されて行く事の繰り返しで,ずっと稼いでいる人がいるのだろうね.
しかし,この時期の上海,毎日曇っていて,京都以上の湿気と熱気.まるで,埃だらけの蒸し風呂です.ただ,ご飯はたいてい何処で食べても,安くて美味しい.
そうそう,YCAMのサイトに,9月の新作「true」の紹介ページができました.また,チェックしてみて下さい.
http://www.ycam.jp/?module=event&action=show&id=572

Shanghai 02

TobiGranularNabe
もう何日目だか判然としない,蒸し蒸し泥デロ搬入.
しっかしまあ,英語の通じない事.いや,別に中国人が,英語を話せなくてはいかん,といういわれはないのだが,しかしお互い相手の言葉が話せないのに,どうやってコミュニケートすればいいのやら.
それはさておき,日々工事現場みたいなところで,作品の組み立てをしているわけだが,いろいろと呆れる事,感心する事多し.さすが中国四千年の歴史,侮りがたし.
昨日一番感心したのは,最初の写真の鳶職人.まだ十代でも通じそうな若者で,作品の構造を固定するワイアーの仕込みを頼んだら気軽に引き受けてくれた.何処から張ろうかと訊くので(身振り手振りで),できたらあそこからがいいなぁでも無理かなと,10mほど上の梁を指さすと,「あいよっ」と消えて行った.で,数分後にはひょいひょいとその梁の上を歩いて行って,両手を放して普通に立ってこっちにワイアーの端を投げてくれた.命綱もセーフティネットもない,ちょいと散歩に行くような気軽さである.
美術館の表に仮設されている,分館のような展示スペースも凄い.2枚目の写真の構造が出来上がるまで,ほぼ4日.建築足場とプラスティク製の布の構造で,天井部や床のパーツを除けばほぼ2日で,何にもない空き地にこれだけのモノが立ち上がった.けっこう強い夕立なんかにも耐えて,どんどん建築物らしくなっていく.
3枚目は,夜中近くに唯一開いていた食べ物屋にて.ひどくお腹が空いていたので,3人で行ったにしては頼み過ぎ.しゃぶしゃぶ屋さんみたいなところで,いろんな具をこまごま頼んで楽しむ.茸の盛り合わせは,初めて見るモノもあって(ひょっとしたら,知ってる茸が巨大化しただけのものかもしれないが...),興味は尽きず美味しくいただく.

Shanghai 03

Sunday_loadBacksideMaruyakiDim_sumLubolang
段ボール肉饅の話を書こうかと思ったら,捏造らしいとのニュースが23で流れていた.
上海で一番感じたのが,食への執念というか,簡単にいえば1元(約16円)の肉饅でも,当然とにかくまずは基本美味しいのが当たり前という質の高さである.
日本だけじゃないけれど,安かったり夜中に開いていたり注文してから来るのが速かったりという条件があると,まあまあの味でも食べられるだけでも幸せというような感があるが,それは上海では通じない.
たまに,化学調味料てんこ盛りか?という味に出会う事もあるけれど,とにかく何処でもまずは美味しい.美味しいのが当たり前,その上で遅くに開いていたり,値段が安かったりという特徴で,客を集めているという感じなのだ.
そのもっとも印象的なのが,道端で売ってる点心だった.だいたい1元,高くっても2元以下で1個.僕の知っている言葉で書くなら,糯米萬頭だ焼売だというものが,ワサワサ人が集まっている道端で売られていく.「何て美味しそう!」という期待に違わず,それらは美味しいのだ.高額のレストランが美味しいのは当たり前,でも上海では1元の萬頭でも美味しくなければたぶん人は買わない...なかなかすてきな街でした.
帰国当日,フライトが18時過ぎなのでそれまでの数時間,美術館の人が残園に連れて行ってくれた.日本でもさんざん紹介されているだろう,上海随一の観光地/旧市街.その中でも,USA_クリントンやUK_エリザベス女王が訪れたという「Lu Bo Lang(緑波廊)」でランチ.とっても美味しゅうございました.

Kagurazaka die pratze

これはまた,凄い楽しいというべきか,見ようによっては追いつめられているとも言える状況.
上海から帰って,8月の「true」YCAM制作/公演の準備をしつつ,9月「Ea Sola」アメリカ公演の打ち合わせをしつつ,10月・11月の「Refined Colors」公演のやりとりをメールしながら,12月の金沢・横浜「true」公演の...
と,その前に忘れちゃならないのが,明日・明後日に神楽坂die pratzeで公演の,砂山典子パフォーマンス「First Class Barbarian」.期待に違わぬ,パワフルかつ珍妙な?!作品.
今日は,その仕込み.久々に,現場に入って,しばらく忘れていた感覚を取り戻す.前は,アサヒアートスクエアーでの,esquisse quartettoの公演.長いこと仕事してないねぇ.そんなことで大丈夫なのかワタクシ...
しかしまあ,昨日までは,あれもこれもと焦りながらも,まあ長いこと娘と一緒に居れる時間もあって,はぢける前の静けさとでもいうか,少々時間がゆっくり流れていたのだけれど,昨日からはいきなりワープするぐらい加速.
バタバタじたばたしながら,びわ湖にSasha Walts & guestsの「Korper」を観に行って,そのまま新幹線で東京入り.新幹線の中で,照明のキューをプログラムし始めて,本日仕込み/クリエーション/パートリハ,明日本番です.別に手を抜いてたわけじゃありません,この場所でしかできないことを,この場所で作ってるだけのこと.ツアー等,内容と別のことは一切考えない,この場だけの一本勝負.これこそ,見逃したらもう二度と...
お時間のある方は,明日・明後日にぜひ神楽坂die pratzeへ!
そういえば,「Korper」の一週間前に,寺田みさこさんの「愛音」も観ました.何よりも,高嶺格のセットデザインが印象的.いい仕事してました.びわ湖のフェスティバル,他にもいろいろ観たい作品はあったのに,今年はこれで精いっぱい.

FCB

First-Class Barbarian終了.
trueクリエーション開始,YCAMへ.
砂山氏の公演は,良い意味での力技.そこだけ切り取って観れば,こっ恥ずかしかったり,繋ぎが悪かったりする場面もあったと思うが,それすら作品の一部だと好意的に受け取れるような,良い公演でした.そこまでもっていったのは,彼女のスピリットや技量でしょう.
例えば,振付家や演出家などという人達がいて,誰か,パフォーマーやダンサーという人達に指示を出す,という形では決して生まれえないものでした.まさに体当たり.
しばらくディスクワークが続いていた身には,いいリハビリでした.
3日間の仕込み・リハ・公演・撤去の合間に,「true」の制作発表記者会見@渋谷アップリンクなんて,今まで生きてきた中で初めてのことんなんかもあったりして,この歳になって記者会見初体験...色んなことがあるもんです.
今日はすでにYCAMに入って2日目.
true制作の模様は,おいおいまた.

true@YCAM_01

Karinui_2
YCAMでのtrue滞在制作日記を,ようやく書き始めました.
こっちにも,いろいろ書けるかな?
とりあえず,おヒマな時にのぞいて見て下さい.
http://www.true.gr.jp/diary/index.php
目指せ,毎日更新!
写真は,仮縫い中の衣装.

true@YCAM 02

制作日記の方は,青息吐息ながらほぼ毎日更新しております.
www.true.gr.jp
夜中にレオパレスに帰ってからの更新なので,時々日付が変わって中1日空いてたりしますが,気分は毎日更新.
ちなみに,tureドメインの「gr」はgroupの略だそうです.
.comも,
.or.jpも,
その他いろいろ探したんですが,「true」というのは,たいていもうどっかが押さえて,高値で売ってたりするんですね.
なんともまあ,見事な錬金術!物質的にはまったくの無から,形のない技術や信用のような関係性からも離れて,言葉しかもアルファベットの組み合わせだけで,お金もうけができるわけですな.
ドメイン取っておいて,こんなこというのもなんですが,「.com」なんかが押さえられたら,もっともらしい理由を付けて「.gr」などを「地域属性ドメイン」なんて,それらしいブランド名で売り出すわけですな.
で,僕なんかが買うと.
うーん,食べるものや,着るものは,どうなっちゃうんだろう...