Philadelphia

Sun_dawn
今日は家族と,鞍馬から貴船に歩いて,その後また叡電で鞍馬に戻り温泉に浸かり,汗を流したあとは駅近くのオーガニック・ティーハウスでくつろぐ.4歳に近づく娘は,鞍馬から貴船までの山道を,歩き通した.父ちゃんがいない間も,成長しちょります.母子でがんばってるわけですな.
久々の山歩きは,鈍った身体には足がガクガクするほどで,その間に汗をかいた後に温泉でぶわーっと流して,ようやく身体がいつもの状態に戻り始めた感じ.
8月初めからの日々は,楽しく面白く,その分特殊で忙しく目が回るような時間だった.
まずは,砂さんのソロで,デスクワーク中心だった今年前半の僕の身体を舞台寄りに調整.
その後3週間は,YCAMでどっぷりクリエーション.自分の選んだクリエーションメンバーで,いちから舞台作品を作り上げるなんて,一生にそう何度でもあるもんじゃないと思っているので,日々その時間を堪能.自分の能力では手も出せないようなイメージが,何人かの手を経て,思いもよらない形で舞台上に現出するのは,何ものにもかえ難いほど面白い.
その結果,なんとか「true」というパフォーマンスは人前に出せて,これから更新していける感じになった.
と,ここまでは良かったんだけど,その後が大変.
思ったように身体が動かない,というのとはちょっと違う気もするけれど,何だかねジイサンになったということでしょうか...
true公演翌日に,長らくお世話になったYCAM_StudioBに別れを告げて,公演を観に来てくれた家族と京都に戻り,自宅に一泊.翌日朝に関空に向かい,昼の便でDetroitからPhiladelphiaへ飛ぶ.EaさんのDrought and Rain Vol.2@Temple University Live Arts festivalのため.
http://www.livearts-fringe.org/2007/details.cfm?id=1098
アメリカね,どうも大変なんですよ.水があわないというか,たぶん時差がきついせいか...でも今回は,そんなレベルじゃなくて,僕の怠惰というか反応の遅さで大変な目に遭いました.おかしな事が起こった時に,その原因を探り当てて対処していくのが,何事につけプロフェッショナルに求められる能力だと思うのですが,そういう力が疲労からか思った以上に減衰していました.
すいません,Eaさん.(Philadelphiaでの惨状は,忘れないためにも後日レポート予定.)
それでまあ,最後まで時差ボケと数々のアクシデントに四苦八苦しながらも,優に予想の2倍はあるハンバーガやオムレツやフレンチポテトなどを朝に昼に夜中に喰らいながら,青息吐息でEa Sola公演@Philadelphiaを終了.10日の昼前に現地を出て,11日の夜に関空に着くという,どう考えても半日くらい損したようないつもの時差マジックを体験しつつ帰国.
帰国からほぼ一週間経つけれど,ようやく自分の体の現状を認識できてきた感じ.かなり疲れていたようです.
頭では,「疲れてる」と思ってたんですが,それがどの程度か鞍馬で実感しました.つまりは回復のきざしか.
それでようやく,日常に戻ってきた感じ.
写真は,時差ボケの証というか,ホテルから見た朝焼け.朝でも夕でも普通は見ないです.寝てるか劇場で仕事してるもの.

lost

Philadelphiaでの反省をいまだ書かないうちに,次の事が起こってしまう...
詰め込み過ぎだと,無理を言って付き合ってもらっている友人にいわれながらも,次から次に転がっていく.
でもね,こんなことはそうそう続くものではないので,続く限りは行けるとこまで...と,覚悟を決めたここ最近です.
次はきっと,Philadelphiaでの失敗談を書きませう.
その前に,お時間のある方は,6日(土)の19時から,ここに繋いでみて下さい.
http://www2.chinoshi.net/shiminkan/index.html
Monochrome Circusとの最新作「lost」というダンスパフォーマンスの,世界初演生中継が配信されます.
どんなふうにみえるのかは,ちょっと分かりませんが,30分ほどの作品なので,どうぞおつきあい下さい.
Lost_invitation_chino_3

プレゼンテーション“lost”
会  場=茅野市民館内 茅野市美術館
日  時=:2007年10月6 日(土) 開演19:00
演出/照明デザイン=藤本隆行(dumb type)
演出/振付=坂本公成(Monochrome Circus)
振付/ダンス=森 裕子(Monochrome Circus)

Refined Colors@Tokyo

Rc_tokyo
公演のお知らせです.
今週末の20日(土)・21日(日)と,東京のスパイラルホールでRefined Colorsというダンス公演を行います.
http://www.refinedcolors.com/rc.html
これは,ご存知のように出演者はMonochrome Circusという京都のダンスカンパニーのメンバーで,テクニカルは今夏にYCAMで作った新作trueのテクニカルチームの中核と同じ,
ディレクション・照明:藤本隆行(Dumb Type) 
音響・ビジュアルデザイン:南琢也(softpad)
音響・プログラミング:真鍋大度
という面子です.
つまり,このRefined Colorsは,trueの基盤といえるような作品です.
製作から3年以上のアップデートを繰り返し,世界15ヶ所以上での公演を続けてきたその結果を,できることなら見とどけて下さい.東京で公演するのは,これがたぶん最後の機会になると思います.
そして新作trueも,この12月に行う金沢と横浜公演に向けて,いよいよ動きだしました.
請うご期待.
僕は,かなり疲れていたようですが,やっと訪れた秋の涼しさと共に,かなり回復したと思います.このブログも,がんばって再開しましょう.
それでは,よろしくお願いします.
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04年山口YCAMでの初演から、国内外15都市でのツアーを続け、世界的な評価も高い本作品。東京・スパイラルホールでの公演です。ぜひお見逃しなく!
日時:2007年10月
20日(土) 開演15:00 /20:00
21日(日) 開演14:00
会場:スパイラルホール
料金:全席自由 前売り2,500円 当日2,700円
ディレクション/照明=藤本隆行(dumb type)
演出/振付/出演=坂本公成(Monochrome Circus)
振付/出演=森川弘和・佐伯有香(Monochrome Circus)
振付=森裕子(Monochrome Circus)
音響/ビジュアル・デザイン=南琢也(Softpad)
音響/プログラム=真鍋大度
http://www.refinedcolors.com/
[光との旅]
Monochrome Circusが,旅と人との出会いを作品化していくシリーズを続ける中で,この作品に出会ったのが’04年。ツアー先各地の、光と音をサンプリングしながらシーンを更新していく中で、私達は様々な「光景」に出会った。東南アジアの極彩色の市場から、フランスの冷たい空気感や、東欧のやや陰鬱な光景、、、。
超ストイックな空間の中で、如何に空間に奥行きを与え、出会った「光景」のニュアンスを身体から滲んでいかせることができるか? 佐伯有香、森川弘和、2人のダンサーと共に腐心してきたのがこの作品だ。当たり前の事だが、光はダンサーに当たって反射し,観客に色として認識されるので,ダンサーは色が見えない、見えないものを触知しようとしてきたプロセスがこの作品でもある。
Monochrome Circus 坂本公成
[チケット取扱]
スパイラル4Fオフィス Tel/03-3498-1171(代表)
アンクリエイティブ Tel/03-5458-0548
[インターネットでの取扱]
Monochrome Circus Web申し込み: http://www1.neweb.ne.jp/wb/hot-summer/mc/
JCDNダンスリザーブ: http://dance.jcdn.org/
[お問い合わせ]
アンクリエイティブ Tel/03-5458-0548 
E-mail:office@ancreative.net
スパイラルホール
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口前もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 
Tel:03-3498-5936(会場直通・当日のみ)
web: http://www.spiral.co.jp/about_spiral/
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Refined Colors Performance
Refined Colors makes good use of the LED (light emitting diode) lights which generate about 16.7 million color variations with R(ed), G(reen), and B(lue) light emitting diodes. A feature of the LED, i.e., no requirement of large quantity of electricity and light mixing equipment, helps to make the Refined Color performance tour team full of mobility. The team needs only a notebook PC for all the operations necessary to create a variety of sound and lighting effects. It takes the advantages of the digital technology for incorporating the lights and sounds of various cities into its performing stage, and keeps updating its travel/work by connecting the different sights of cities one after another.
Date/Time: Sat 20 Oct. 15:00 / 20:00, Sun 21 Oct. 14:00
Venue: Spiral Hall Tokyo
Admission: 2500yen. (2700yen at the door)
Organizer: Monochrome Circus
Support: Color Kinetics Japan Incorporated, Wacoal Art Center,
the Agency for Cultural Affairs Government of Japan in the fiscal 2007
Cooperation: TamaTechLab, Kyoto Art Center
Co-production: Yamaguchi Center for Arts and Media(YCAM)
Tokyo present manage: An Creative Inc.
Direction/Lighting design =Takayuki Fujimoto (dumb type)
Direction/Choreograph/Dance = Kosei Sakamoto (Monochrome Circus)
Choreograph/Dance = Hirokazu Morikawa, Yuka Saeki (Monochrome Circus)
Choreograph = Yuko Mori (Monochrome Circus)
Sound/Visual Design = Takuya Minami (Softpad)
Sound/Program = Daito Manabe
http://www.refinedcolors.com/
[Travel with light]
It was in 2004 when Monochrome Circus came across with this piece of dance in a series of its effort to materialize travels and encounters with people into its works. We saw a spectrum of sights in the process of sampling lights and sounds and updating the scenes of our works in many destinations of our dance tours: vividly-colored markets of South-East Asia; cool and distant air of France; somewhat dark and depressive sights of Eastern Europe How can we transude the nuances of the sights we encountered from out of our body? How can we render a depth to the ultra-stoic dancing space available? Monochrome Circus fretted over these challenges together with two dancers: Yuka Saeki and Hirokazu Morikawa, and arrived at this piece. Needless to say, the dancers cannot see the colors; the light strikes at the dancers, reflects back, and is recognized as the colors by the audience. The process to feel and recognize what cannot be seen is nothing but this piece of work.
Kosei Sakamoto (Monochrome Circus)
[Only 28 lights]
Can only 28 lights do all the work,?
The LED lighting has a potential to transform the run-down warehouses and the deteriorated building floors into a venue for performing arts by using the digital lighting without requiring additional electricity nor light mixer, etc.
This Refined Colors is a piece of dance which keeps being updated. It has been performed at so many different places such as Asia and Eastern Europe as a sample of experiment to see to what extent we can expand the possibilities of expression with help of only a minimum machine and equipment. The lighting equipment used during the performance are 20 lights on the floor and 8 LED light suspended from the ceiling only. Those lights as well as the sounds are all synchronously operated from one notebook PC.
Takayuki Fujimoto (dumb type)
[Ticket]
spiral office: Tel/03-3498-1171
An Creative Inc: Tel/03-5458-0548
[Ticket by Internet]
Monochrome Circus Web: http://www1.neweb.ne.jp/wb/hot-summer/mc/
JCDN dance reserve: http://dance.jcdn.org/
[Inquiry]
An Creative Inc.: Tel/03-5458-0548
E-mail: office@ancreative.net
Spiral Hall
Omotesando subway Station (Ginza line, Chiyoda line, Hanzomon line) B1, B3 Exit
address: 5-6-23 Minamiaoyama Minato-ku Tokyo, 107-0062 Japan
tel: 03-3498-5936 (direct line only connect on the performance day)
web: http://www.spiral.co.jp/about_spiral/

Reconsideration

日記をつけなくなって久しいが,どうも咽に引っ掛かった小骨のようになっていたのがこれ,悪夢のPhiladelphia.
あれからどうも,いつまでたっても完全には疲れが抜けず,それが原因でか怒りっぽい.いかんなぁ.
Philadelphiaでおかしくなったのは,LED照明.疲れてくると,何がいけないといって根気がなくなる.あの時は,一見最初はうまく行きそうだったのが,余計問題を大きくした.
公演する劇場は,それなりに小奇麗だったのだが,見かけよりは古い所で,実は照明機材の電源ディマーなどが,一昔も二昔も古いものだった.それがわかったのは仕込み初日の昼頃で,現場スタッフが僕の持ち込んだ照明卓で劇場のディマーを動かすのに四苦八苦しだした.
Eaさんの公演では,僕は1台のPC照明ソフトで,劇場ディマーとLED照明の両方を,一緒にコントロールしている.この一緒にというのが曲者で,今まではなかったのだがトラブルの元になりそうな感じはいつもしていた.それで,スプリッターで信号を最初に分けて,LEDヘは直接ケーブルを引いて信号を送るようにしていたのだが,あの時はそれが確実にできているか確認しなかった.口では現場のスタッフに言ったし,彼らはOKだといったのだが,それは劇場既存の設備を使っているいわばブラックボックスの中の事で,僕は彼らの出来ている(はずだ)という言葉を鵜呑みにして,そのままほっておいてしまった.
いやぁ,「できてる」というのを検証して,少しでも怪しいと全部やり直してもらうというのは,機材や時間的に可能でもなかなかオーダーする方にも気力が必要なんです.
加えて,電源もディーマーを通っていない直電源をリクエストしているのだが,確かにそうかどうかを確認しなかった.
それで,点いたんですよLED,最初はなんとか.ちょっとおかしな事はあったんだけど,公演に支障があるほどでもなく,調整すれば何とかできるでしょうという感じで.
その後まず最初の問題が持ち上がったのだが,それはLEDじゃなくて,僕のプランニングミス.
ある照明機材が,その劇場にはいっぱいあって,僕の使いたい機材はあまりなかった.普段なら,当然欲しい機材を借りてもらうのだが,ちょうどそのプランニングを数カ月前にしていた時に,それと並行して,床に敷くダンスマットの交渉も行っていた.それでその時フェイスティバル側が,結構無理をして新しいダンスマットをこの公演のために買ってくれたんですよ.それでね,つい弱気になった僕は,劇場がいっぱい持っている照明機材でも,ちょっと工夫すれば,何とか使えるんじゃないかなぁと,思ってしまったのでした.それで,少しはフェスの予算も助かるし,あとは僕がちょっと時間をかければ何とか調整できるんじゃないかと...
それがまあ,大失敗.どうにもこうにも,一番よく使う地明かりがきれいに作れない.その調整に時間がかかり,なおかつ久々の公演なので少しきっかけを忘れていて,しかも予算の問題かこの公演からダンサーが3人減っていて,もともとあったきっかけがちょくちょく変更されている.
なので,もうリハが始まる前からバタバタで,そんな中,もともとあまり調子の良くなかった機材が異常を起こす.
その機材,自分がフルフル点滅し出すと,その影響がアドレスの近い他の機材にも及ぶ,かなり深刻な問題を抱えていた.でも,何台か予備を持っていて,調子が悪くなると別の機材に差し替えてこれまで使ってきて,何とかその場をしのいできていた.それに,問題が起こる頻度も,ごく少ないものだったし...
今から思うと,その時にまずデーターにノイズが乗っている可能性を疑うべきだったんだけど,僕は短絡的に,また調子の悪い機材が問題を起こしたと,決めつけてしまった.
それで,やむなくその機材をカットして,何とかその公演を終わる.
翌日,照明のフォーカスなどは既に済んでいて,とにかく一度公演もできているし,きっかけも思い出したしで,本番の数時間前に劇場にはいる.電源を入れて,点灯チェックも済まして,PC上のキューの整理などしている時に,突如4台のLEDが繋がっているデータトランスが動かなくなる.つまりその4台は消えてしまって,うんともすんとも動かなくなる.機材を降ろして見ても,何もわからない.仕方がないので,何とか残りのトランスにその4台のうち2台を繋げるように配線をし直して,両端の2台をカット.
おそらくいつもなら,この時点で僕はシグナルケーブルを直接引き直し,電源も取り直していると思うのだが,フェスティバル中の公演2日目で,他の仕込みにとられてほとんどスタッフがいず,開演も近いという事でその指示を出すのを躊躇う.
そうこうするうちに,今度は別のバトンに吊ったLEDのデータトランスも壊れて,かなり僕はパニック状態.
何とか配線を変えて,前後のバトン各2台ずつLEDをカットして,15分ほど開場を遅らせてそのまま公演になだれ込む.
そして何とか終了.それが,土曜日だったのですね.
つまり,LEDの代理店を探して,代替え機材を借りようにも,何処とも連絡が取れない.翌日の日曜日にできる事といったら,電源の引き回しを変える事ぐらい.機材の追加も人の追加もそれからでは難しく,公演は翌日の最終公演を残すのみ.
そこで僕は折れてしまって,Eaさんの,「今日と同じできなら何とかお客さんに見せられる,大丈夫」という言葉を受けて,現状維持で公演する事にしてしまった.もうこれ以上は,悪くはならないだろうと,ある種の希望を持って.
そして最終日.
いちおう早い目に劇場入りして,LEDのチェックをするが,ちゃんと点灯する.ただ,あまり長く点けていると,何だか機材が弱りそうで,怖くてそれほど念入りなチェックができない.なにせあと,本公演の1時間強もってくれれば,とにかく今はOKなのだ.それで,まずは電源を引き直して,あとは時々チェックをするだけで,本番に臨む.
でも,今から思うと,LEDの点灯チェックはしたが,劇場ディマーと併用してのキューのチェックはしていない.とにかく,何かあっても公演を中止にする以外に手は無く,何といってもいまは点灯はするのだ.
そして始まった最終公演.LED照明と並行して劇場ディマーが動き出すと,いきなり全てのLEDが制御不能になって点滅しだした.とにかく最初から,いっきなり.
その日電源を引き直したのには,2つの目的があって,まずきれいな直電源にして問題を回避しようという目的と,あと最終手段として,何かおかしくなったら,舞台袖でLEDの電源を直接切れるようにしておいて,最悪の事態に備えるという考え.
そして,その公演の間中,袖にいる舞監が,僕の指示でLEDのON/OFFを繰り返しました.劇場の照明は何とか動くし,LEDも色の変化などは制御できる.ただ,全体に激しく点滅し安定する事がない.なので,できるだけ通常照明でしのぎ,LEDしか使っていない場面は,真っ暗にするわけにはいかないので,いきなりビカビカ光るLEDが点灯し,それらしいきっかけでカットアウトの繰り返し.
いやもう,寿命が縮んだ縮んだ.
しかし,観客はそれでも拍手するのですね.まあ初めて観てしかも一回しか観ないんだから,何かがおかしいかどうかは,よほどの事がないとわからない.
しかし,こちらとしては,とんでもないものを見せてしまったと...まず何よりも,Eaさんとダンサーたちに申し訳ない.
そして,半べそかきながら撤去.
その後,日本に持ち帰った機材は全てメーカーでチェックしてもらったのだが,結果メーカでは異常なく動いている.こういうのが一番怖くて,たぶん何かが弱っていて,例えば通常100のノイズに耐えられるものが,10程度でもうおかしくなるとしても,ノイズの無い綺麗な環境ではわからない.でも,安心して使えないから,極めて精神衛生上悪い.何だか,疲れがまたどっと...
でも,さいわいメーカーがとても協力的で理解が有るので,何とかいま予定されている公演に支障が無いようには
機材を貸してくれそう.
あと,泣きっ面に蜂というか,帰ってしばらくしたら,Philadelphiaの宿泊費の請求が僕のカードに来た.チェックアウトの時は,フェスが払うから精算はないと,受け付けのスタッフが言って,僕は支払いのサインも何もしていないのにである.いい加減過ぎるぞ,Sheraton Hotels Philadelphia.アメリカ側に文句を言ったら,フェスがホテルにクレームを付けて何とかしたとの事だが,何だかフェス側にも非がありそうな...しかもその金額はいったん引き落とされて,いまだ戻ってこないし,もうトホホな状態である.
しかし,そんなこと言っていても時間は進む.
茅野市でのlost初演と,Refined Colors公演とワークショップを楽しく終えて,スパイラルでの公演も無事終了.
観に来て頂いた皆さん,本当にありがとうございました.
機材もまあ何とかなった事だし,次はtrueの機材をYCAMでパッキング.夏以来,やり逃げ状態ですいません.次に向けて,いよいよ本格始動.
そしてそして,11月初めは松本市でのRefined Colors公演とワークショップ.その後続いて,ベトナムのハノイとタイのチェンマイで公演.
そして帰って,12月には金沢と横浜でtrueの公演が待っていて,その後1月初めからは,Eaさんのアメリカ長期一ヶ月7ヶ所ツアー!
がんばるぞ!ガンバリマスよ.続けていられるだけでも,幸運なのだ.
29日の月曜は悌二の命日.11年経ったよ.いまだにこうやって舞台関係の仕事が出来て,自分で作品も創れるという事に,文句なんていってられない.

Back to Hanoi

東京/スパイラル – 松本/まつもと市民芸術館と経て,今年のRefined Colors日本ツアーは終了.すかさず,機材をパッキングし直して,かなり重くて嵩張るトランク5つをメンバー7人で何とかハンドリングしながら,関空からバンコク経由でハノイに到着.1年と数ヶ月ぶりの街.
相変わらずの喧騒だが,今日入ったホテルも街のカフェも,ワイアレスが飛び交って何処からでもネットにアクセスできる.見えない所で,超速で変化している街.
Eaさんの映像を担当していたBrianさんも,ドイツからハノイに戻っていて,ハノイ・カルチャーガイドといった感じのサイトを立ち上げている.Refined Colorsの公演も載ってます.
http://hanoigrapevine.wordpress.com/
明日は仕込みリハ,明後日は本番,明明後日はおまけにlostも公演予定.
目白押しです.

Hanoi – Chiang Mai _01

Matsumoto_wsHanoi_1_2Hanoi_2Hanoi_3Hanoi_4
10年前に初めてハノイを訪れた時には,少し暗くて暑くて静かで,Sapaやハロン湾に行くための中継地としか思えなくて,サイゴンに比べると余り華がないような感じで,幾ら北が勝ったからってここが首都というのは無理があるんじゃないのと思っていたのだが,ここ数年縁があって何度か訪れる度に,かなりハノイが好きになった.
昔とは比べ物にならない喧騒(主にバイクと車の騒音とクラクション)と,気の抜けない買い物交渉に辟易する事もあるけれど,なかなか美しい街だと思う.車をほとんど見かけなかった,シクロと今の10分の1くらいの台数のバイクが走っていた97年頃の街をいまだに覚えていて,その印象が時々蘇る瞬間があるせいかもしれない.
街中に生息している巨木も,見慣れてしまうと見えなくなるが,改めて見渡すと相当大きくて美しい木々が街中に繁茂している.
そんな街で,いつか公演したいものだと思っていたので,去年のEaさんの公演に続いて,今年自分達の作ったRefined Colorsを持ってこれたのは,かなり嬉しかった.知り合いのハノイバレー団のダンサー達も何人か観に来てくれたし,何よりハノイ在住の日本人・カナダ人・フランス人の友人たちの多大なバックアップを受けて,RCとそれに続いて翌日にlostの公演もできた事に非常に満足.
RCは多くのお客さんが来てくれて,lostは招待状配布のみの,ちょっとシークレット・パーティみたいなノリの公演にして,かなりハノイでもアンテナを張っている感じの人達が集まってくれた.何年か後でも,この2つの公演の事を覚えていてくれるだろうか.
lost公演の翌日はオフ.Phoを食べて,まったりときついコーヒーを飲んで,ご飯の上に載せるおかずをいろいろチョイスするベトナム飯を食べて,フットマッサージに行ってお土産を見て,夜にはメンバーが集まってビヤホイで打ち上げ.なかなか幸せなハノイ最終日.
翌日は,またまたでっかいトランクを引きずって空港へ.荷物重量の超過が気になるが,カウンターの兄ちゃんは重さなど気にする事なく,さくさくトランクを通してくれた.
胸をなで下ろしつつチェックインカウンターを離れようとすると,大慌てで兄ちゃんが呼びに来たので内心舌打ちをするが,連れていかれた先はセキュリティーで荷物の重さの事ではなかった.同行していただいていたハノイ日本大使館のスタッフの方が,公演のための輸出入許可証を見せて事無きを得る.
そして,Hanoi – Bangkokと乗り継いで夕方にはChiang Maiに到着.初めての土地.ハノイより少し暑い.
公演会場は,広大なChiang Mai大学の中.Humanity Theaterという名前は付いているものの,まったく劇場仕様ではなくてただの講義室.そこにトラスから床材から音響機材まで持ち込んでの公演となるが,まだほとんど準備は進んでいない.僕たちが劇場のある建物に着いた時には,エレベーターに乗らず搬入できないからという理由で,3mほどの長さの白リノリウム(床用マット)のロールを,エントランスにて鋸で真っ二つに切っている所だった.うーん,あれをきれいに敷くのは無理だなぁ...本番まであと3日.何とかなるかな.
写真は,松本でのRC_WS風景.ハノイのYouth Theater仕込みと公演直前,巨木街路樹,それと最終日打ち上げ会場(路上).

Chiang Mai_02

Humanities_theater_1Humanities_theater_2Humanities_theater_3Humanities_theater_4Massageno1Banromsai
Chiang Mai大学内人文学部のHumanities theaterでの,Refined Colors公演を無事に終了.
Humanities theaterという名前の場所なので,いちおう劇場のように聞こえるが,実はただの講義室.普通の教室より,ただ少しでかいだけで,天井にバトンやグリッドがあるわけではなく,スタッフといえば管理のおじさんのみで,セットアップは全て学生有志の手による.
オーガナイズしてくれたのは,日本/東京での公演経験もある,女優で大学の先生でもあるKopさんと生徒のBuhm君,それに舞台学科で経験豊富なAppさんとその友人関係一同.音響のみレンタルで業者が入ったが,舞台の床から天井トラス,何枚か建て込んだ壁面パネルまで,全て学生の手で設置される.
僕たちが到着した当時は,前にも書いたが床材のロールが長過ぎて搬入できず,一階のエントランスでぶった切っている所だったので,かなり先行きを心配したのだが,それからのスタッフの頑張りが凄かった.床材のロールが上がらないぐらいだから,天井トラスはどうするのだろうと思っていたのだが,階段ホール8階にウインチを仕込んで,全て吊り上げて搬入,しかも学生がいる時間は危ないからと,深夜に行ったらしい.おかげで,翌日の午後には床とトラスの設置が済み,次はみんなでホール前の空間で,正面壁を製作していた.他にも,近くのショッピングモール内に,チケット販売ブースを設けたり,雑誌等にプロモーションをかけてくれたりと,多くの学生が手伝ってくれたらしい.
その甲斐あって,2日間3回公演の合計入場者数は,なかなか良かった.それに,2日目2回目の昼公演は,オーガナイザーのKopさんの尽力で,HIV孤児自立支援組織 BAN ROM SAIの子供達や聾唖学校の生徒さん,それに大学の舞台学科の生徒たちが来てくれた.そのほとんどが,おそらくコンテンポラリー・ダンスを観るのは初体験.公演後のアフタートークで,聾唖学校の娘さんが,物凄くいっぱい手話で喋ってくれたのだが,手話ータイ語ー英語と変換されてきた言葉はどうも簡略化され過ぎているような気がして,少々不満が残る.
でも,BAN ROM SAIの子供達やスタッフの方と知り合えたのは,とても良かった.BAN ROM SAIの活動は,サイトをみてもらえばよく解ると思うのだが,
http://www.banromsai.jp/info.html
僕がとても魅かれたのは,子供達の自立のためにと同じ敷地内に独立して建てられた3棟のゲストハウスとプール!
http://www.banromsai.jp/guesthouse.html
あいにく,曇りの夜に案内してもらったのだけれど,空港から15分とは思えないような森の中に,独立して3棟のゲストハウスとオープンエアーのダイニングスペースが有り,晴れた日には間違いなく星空が絶景.しかもサウナルームまで完備されて,その全てがきちんと気持ち良く保たれて,宿泊費は日本で考えると格安.いやもう,本気で僕がツアーをオーガナイズしようかと思いました.Chiang Mai自体,今まで訪れた土地の中では好感度高いのですが,その中でも最高のロケーション.3家族は一緒に泊まれるので,どなたかアジア旅行を計画中の方,是非一緒にChiang Maiに行きましょう.
そして,19日(月)は待望のオフ.午前中は迫り来る「true」と1月のEaさんのツアーの対応に追われるが,午後からはMacBookを無理やり閉じて街に.
まずはムスリム・エリアで,Singaporeで食べたラクサにそっくりの,ココナッツミルク味のピリ辛麺を頂いた後,Kopお勧めのデープなタイマッサー屋に出陣.観光客がたどり着ける可能性ゼロみたいな,地元民相手のマッサーは,竹で編まれたハーフ・オープンエアーな空間で,百戦錬磨のタイのオバチャン・マスターが,自身の全体重をかけて僕の体中の筋肉とツボを刺激してくれる.望めるなら,毎日はきついけれど1週間に1回は通いたい,僕のマッサージ人生の中でも「ベスト」と言っても過言ではない,深〜いマッサー屋さんでした.しかも,2時間ごりごりオバチャンの技を尽くしてもらって,料金は200バーツ,約700円なり.
やめられません...
写真は,Humanities theaterの変遷と,素晴らしいタイマッサー屋さん外観.そして,暗闇の中のBAN ROM SAIのプール.

Patravadi !

Chiang MaiでのRC公演のあと,Bangkok_Patravadi Theatreで,Monochrome Circusの「怪物」と「きざはし」を公演してから帰国.
「怪物」も「きざはし」も共に30分弱の作品なので,2つ並べて1日1回の公演.Patravadi Theatreは,2004年にRC公演をした時と同じく半野外なので,日が沈まないと照明関係の調整は出来ない.
でもまあ,それが幸いして,最近ではもっともゆっくりとした時間を過ごす.
「怪物」も「きざはし」も共に好きな作品だが,照明に関しては既にできているものをなぞるのがメインの仕事.