昨日の話になってしまうが,また香港観光に出かけた.
日本から参加しているダンサー「坂本君」の弟の友人が香港人で,彼女たちが色々案内してくれるので,一緒に行きませんかと誘ってもらった.
この間の学生達とは,また違った切り口で面白いかも知れないと思って,二つ返事で楽しみにしていたのだが,ついうかうかと前夜というか昨日の朝まで,Arifと話し込んでしまった.気がつくと朝5時半で,3時間半後の9時には部屋を出る予定.
何でまたそんな無理して観光にとは思ったが,9時には坂本君が誘いに来て,先方はわざわざ近くまで迎えに来てくれて,色々プランを立ててくれているという話である.
それでまあとにかく行きました.
まずは,近くのティーレストランで,ほとんど呆然としながらお粥を胃に流し込んで,さて何処へ行くのかと言われるままにMTR(地下鉄)に乗り,とにかく乗りに乗り2回ほど乗り換えて,ほぼ空港の近くまで行き,そこからバスに乗り揺られること45分.ほぼ香港の西の果てかと思うところに立っていたのが,野外の仏像では世界一というふれこみの大仏.
もう勘弁して下さいと思いながら,200段の階段を上って座像の足下につく頃には,何だか無理矢理目も冴えてました.
麓にはちょっとした集落が広がって,高層ビルのない昔の香港という趣.
ここは,香港島や九龍とは違う島で(九龍は大陸だが),空港ができるまではこの寺の周辺以外は人が住んでいなかったそうだ.いまでは,ベッドタウンとして島の反対側は開発されているが,まだここまでは及んでいない.一大観光地らしいが,のんびりしたもんである.
それからは,当然のように飲茶に行き(どうも観光客の案内では,昼は飲茶が香港人の常識みたい),船に乗り2階建てのバスに乗り(乗ってる間は爆睡),九龍側から香港島の夜景ライトショウを見,テンプルストリートでシーフードを食べ,屋台を冷やかしつつDVD等を買い込み,もう帰ろうそろそろ帰ろうと思いつついつの間にやら夜中近く,結局部屋に戻ったら0時を過ぎてました.
面白かったけれど,ああ疲れた.
The fine day

今日は,香港へ来て初めてというくらい晴れた.
高台にある集合住宅の,12階南向きの部屋に住んでいるので,日当たりは良いはずなのだが,毎朝起きるころに日がさしていた記憶がほとんどない.それが今日はカーテン越しでも,眩しくて目が覚めた.
快晴というわけにはいかないが,それでも青空が見えている.一月ぶりくらいの空である.
気温もどんどん上がって,日中は半袖Tシャツで十分.
明日は旧暦の大晦日で,なかなか気分がよろしいと思っていたのだが,ところが...
気温の急変のせいか,疲れが溜まってきているのか,ArifとDanielが倒れてしまった.
二人とも,ここ数日胃の調子がよくないといっては,あまり食事も摂っていなかったようだが,とうとう今日は限界が来てしまったらしい.
まあ長丁場だから,いろいろ起こってもおかしくない.
さいわいArifは病院に行ってもらった薬が効いたのか,いまは眠っているらしいし,Danielは地元だから,自分で医者に行くと言っていたし,まあ大丈夫だろう.
新年には,回復していることを願いつつ,今日はやけにぼぉーっと時間をつぶしている.
写真は,部屋のベランダから.
New year
明けまして,おめでとうございます.
といっても,香港の大晦日はわりに静かです.
旧正月というとすぐに出てくる爆竹バンバンとかは,政府が禁止しているらしく何処でも見られません.確かに,一度火事が起これば,ビルの上の方に住んでる人は助からないからなぁ.
今日・明日と稽古も休みで,思わず買い物に走る.大晦日の今日は,バーゲンも加熱する一方で,50%OFFの値段からさらに20%OFFになっているパンツなど,買い込んでしまいました.
その勢いで散髪にも行き,ずいぶんリフレッシュ.ヘアーカットの技術やそれに付随するサービスは,大昔から人間の生活の一部を占めているようで,その分バリエーションがあって面白い.
香港の散髪は,まずインド人らしきおねーさんに,ガシガシとキューティクルが丸ごと剥がれ落ちん勢いで,2回もシャンプーを使って洗髪されることから始まる.
その後たぶんリンスを使いながら頭や首筋をマッサージしてもらい,頭の皮がのびのびになるほど揺すられて洗髪終了.
カットはあまり日本と変わらず,適当にバリカンなど使いながら,さっさと片付ける感じ.ただ,カットのあとは,もう一度洗うことはなく,ヘアードライヤーで,顔に付いた髪の毛など吹き飛ばして,無事終了.
その後,晦日は大にぎわいというフラワーマーケットに,みんなで行きました.新年は水盆に球根ごと生けた水仙や鈴なりの小さなミカンの木,蘭やフォックスフェイスを飾るのが習慣らしく,それらを買い求める客目当てに風船や風車やオモチャを売る露天も並び,なかなかの賑わい.ただし,花以外はほとんどプラスティック製品しか目に付かない...
ちょっと残念な感じでした.花は見ていても楽しいのだが,どうもすべてがゴージャスすぎるというか,過剰に派手好みで,購入意欲が湧かずそのまま退散.新年早朝4時から5時くらいにマーケットに行くと,いまだ買い物客はいるものの,花は投げ売り状態で,ただ同然で花束を拾えるよと教えてもらったが,どうもそれまでは起きていそうにありません.
明日朝,目覚ましが鳴らないのはすごく嬉しいかな.
この2日はのんびり過ごします.
ちなみに,太陰暦というよりは,英語でLuna Calendarという方が,ずいぶんわかりやすくて好きな気がするなぁ.
ではでは,良いお年を.
route
新年・賀正(というのかどうかは知らないが...)
今朝起きてメールチェックしていると,プロバイダーのniftyからPhone2Phoneのお知らせが届いていた.要するにワールドワイドなIP電話サービスで,キャンペーン期間中につき3月9日まで無料とある.
仕掛けは単純で,まず各都市にあるアクセスポイントに電話をかける.場所によっては公衆回線だが,半数ぐらいはフリーダイヤルのポイントが設定されている.ちなみに香港もフリーダイヤル・アクセスポイント.
そこで,IDを打ち込んで,繋ぎたい国の国番号から電話番号を入れると,IP網経由で電話がかかる.
さっそくかけてみました.音声の品質は悪いが,確かにかかる.無料でした.えらい時代になったもんです.
ちなみに,僕と妻は香港へ僕が来る前に,エイヤッと携帯を買い換えている.機種変更したわけだけど,それは2M pixel クォリティーの写真が撮れて,SD videoの撮影も可能な3G携帯が発売されたからだ.日本国内では,送信可能なメールの送受信は,特定機種同士に限ってすべて無料,というキャッチコピーにのせられた面もある.
実際こっちに来て毎日使っているが,香港内の携帯へのローミング通話も合わせて,日本で使っているのと同じ感じで使える.
ただし,ただしである,3G国際パケット通信料というのが結構かかる.日本国内は無料だが(実際妻の携帯代は安い),外へ出ていろんなところを通って,香港の電話会社から僕の携帯に情報の包みを流すのは,かなりのお金がかかるわけである.
まあ,それだけ毎日,子供の写真やら動画やらを送ってもらっているからだが...
ところが,同じ携帯で撮れるSDヴィデオイメージは,携帯からは送れない.2分で5.6MB程度あるので,携帯で送れるメールサイズを軽く超えてしまうのだ.
これを,コンピューターからネット経由でやりとりすると,通信にかかる経費は,ほぼタダである.メーラーの送信ボタンをポイッと押せば,するすると送れてしまう.
もちろんプロバイダーに月数千円は払っているし,こっちでは大学が基本設備としてLANを組んでいるから可能なことではあるが,それにしても感覚的には無料である.
このblogにしたって,同じくタダである.基本サービスのひとつなので,プロバイダーと契約すれば,勝手に付いてくる.
これはいったいどういう事なのかと,考えてしまう.
もちろん,流れている情報の質には関係ない.そして,情報の量にも関係ない.
もちろん動画1時間とかのやりとりには困難が生じるかも知れないが,おそらく人的な尺度での多い少ないは問題じゃない.
ところが,携帯ではその量が,かなり人間的な尺度で決められて,値段に反映している.
そして,距離というよりは,世界のエリア/地域によって可能性と値段が決められている.
よく知らないからいい加減な物言いになるけれど,いまイラクの誰かと電話で話そうとすれば,かなりの手間とお金がかかるだろう.
そんな特別な地域じゃなくても,同室のJaeHyoやMugiは韓国やインドネシアに電話をかけるのに,かなりのお金を使っている.
これは,こういう人と人とのやりとりの方法が,大きく変わってきているからなんだろうか?サービスを何で量って価値にするかは,言いようによって何とでもなるということか?
遠距離間の交流としては,どんなルートを使っていても,いまだに音声と画像しか使ってないんだけどね.
Photogenic
新年を迎えるにあたって,近くのショッピングモールに設けられた,けばけばしいデコレーション.
まあ見るだに目出度い感じだが,どういう目的でこんなに其処ここに仮設されているのかと思っていたら,どうやら写真撮影のスポットらしい.
得てして多くのアジアの人々は,写真好きだ.ここ香港だけでなく,シンガポールやタイなんかでも,ウェディングドレスを着たおねーさんが,各所有名スポットで渾身の笑みを浮かべて,親族友人カメラマンのフレームに収まっているのを見ることがある.みんなそういうチャンスには押しが強いというか,そんなに日本では見ない光景である.
(結婚式場で,スモークモクモクの中,ワゴンに乗って上から降りてくるのは,あまり変わらないというかもっと凄い光景かも知れないが,今のところ僕の回りでは,そんなとっても目出度い結婚式は見たことがない...)
話は戻るが,とりあえず新年が明けて目出度いので,それを記念に人々はゴールドと真っ赤なモニュメントの前で,思い思いのポーズをとる.過剰とかやりすぎとかいうリミットはどうも見あたらなくて,とにかく派手なら派手なほど,数が多ければ多いほど,キンキラキンに輝いていればキンキラキンなほど,良いようだ.
でも,そんなに街中が新年できゃーきゃーいっているかというと,そうでもない.どちらかというと,この三が日はあまりあくせくせずに店も閉めてゆっくりしようや,という雰囲気が強い.親戚一同集まって,炬燵に入って蜜柑でもむきながらボーっとテレビ観て,ってな感じである.
思うに,クリスマスから太陽暦の新年を迎えて,ようやっと旧正月で,バーゲンに次ぐバーゲンで,観光客用にすべてのイベントをお祝いして,みんなちょっとゆっくりしたいのかもしれない.
そんなことを考えていたら,今晩8時から香港島の方でバンバン花火が上がった.
自室から見ていたので,それほど大きく見えなかったが,きっと近くでは物凄いスケールだっただろう.
とにかく派手,大きくて高く上がるヤツもあったけれど,締めは数で勝負.まるで壁が立ち上がるみたいに,同じ花火を無数に上げて,圧倒的な演出してました.
うーん,これは中国人の血の為せる技なのかな?
Gon Fey fa Choy
恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)!
明けましておめでとう,というより「今年も繁盛しますように」という感じの意味らしいが,これが新年の挨拶である.
ゴンヘイファッチョイという音は何度も聞いて覚えたのだが,今日までどんな字を書くのか知らなかった.ところが,ふぃっと寮のエレベーター・ドアの上を見たら,電光掲示板に英語と交互にこの漢字が流れていた.はあ,なんか目出度そうな言葉だなぁ,と納得.
三が日も今日で終わりだが明日は土曜日,オフである.なんか今週は休んでばっかし.
ところで今日は,CCDCでの最後の練習日.次回からはまたCityUのホールに戻っての制作になる.ころころ場所が変わるとLEDのセットアップが大変だし,プログラムにも集中できないのでプロデューサーに頼んだところ,大学のホールをずっと押さえてくれた.CCDCは利用者が多いが,大学は実のところ僕ら以外誰も使ってないのだ.
また,今日は一応の期限が切られた日でもある.
この一月,僕ら6人はそれぞれに,10分程度のパートを考えてきた.Danielの発案で,まずはそれぞれでいろいろトライしてみて(ダンサーは,望めば全員使える),これからの一月でそれをまとめていこうという考えである.
前にも同じようなことをした覚えがあるが,これはこれで大変難しい.でも,とりあえず事は進んで,各パートは出来たわけではないけれど,方向くらいは見えた.明日は休みで,明後日は丸1日ダンサーのワークショップ.明々後日から,全体を考えた制作に入ることになる.
何とも前途多難な感じなのだが,それでも今日は一応の区切りだ.
WS
今日は,今回の契約事項のひとつであった,香港のダンサーのためのワークショップ.
その名も,「New Asian Movement Technique」というご大層なものだが,いまいちメンバーは乗り気でなく,どうしようかねぇとモゴモゴ言っているうちに,今日に至る.
まあ2時間のものなので,どうにかなるかと思って他人事の顔してみていたら(ムーヴメントのワークショップなので,テクニカルは関与しなくてよしとのプロデューサーのお墨付き),もっとも経験値の高そうな坂本君が頑張って,2時間を乗り切る.他は遠巻きに見ていただけ.
参加者も4人と,どうも情けない.最終的に4人の参加者は十分楽しかったようで,その点は良かった.坂本君おつかれさま.
予算を獲得する際の,デコレーション的なイベント感拭えず.もったいないです,面白いダンサーが集まっているのに...
その後,明日からの製作に関してミーティング.
だいたい,感じていることは皆同じと確認.これまでの反省点,不満,足りないもの,それぞれあるが,ある程度共通したヴィジョンもある.集まってひと月足らずの6人にしては,上々か.
その後,僕は大学のホールで,LED照明の再インストール.
各灯体のアドレスを,劇場のディーマーを考慮して変更.Liddellのパッチを組み直して,点灯を確認.ケーブルの始末やなんかをして3時間程度で終わり.
さて,明日からどうなるかな.
a Valentine’s bouquet
今日は,関係者の前で,とりあえず出来ているものを片っ端から見せる.順番も何もなく,いまこれだけのマテリアルがあります,という感じ.
また,コスチュームデザイナーが,最初のアイディアとして何点か衣装を持ってきたが,どうもハムレットにこだわりすぎてるようで,王子様系か道化師のようなとんでもない服ばかり.でも,こっちで出来てきているマテリアルを見て,考え直す必要ありと,分かって帰った.
照明は,床置きのLEDしかいま使えないし,それもほとんどプログラムしていないので,誤魔化し誤魔化しお茶を濁す.
きっかけなんかが決まっていて,音と同期できるところは,ON/OFFだけはきっちり合わせて見せた.
いちおう2段階目のスタートは切れたか.
その後1時間ほどみんなで話してから,僕は学食に.閉まる直前に駆け込んで定食を平らげると,スーパーへ向かう.冷蔵庫には,ほとんど食材がなくなったので,買い出し.
大学の横のFestival Walkは,香港でも1,2を争う巨大ショッピングモール.この前バーゲン巡りをした時に,いままで知らなかった巨大な本屋やCDショップ,高級レストランやカフェなどを新たに発見して,あらためてその大きさを思い知った.その地下で夜中12時まで開いているスーパーに向かったのだが,途中何だか花束を抱えた兄ちゃんやオッちゃんを見かける.あと,花を抱えたカップルも多し.
それがまた,あまり花束とは縁がなさそうな(失礼!),いかにも仕事帰りビジネスマンわりと中年より,みたいなお方も嬉しそうに花束を抱えて人待ち顔だったりする.
そう,何かと思えば今日はバレンタイン・ディ.一方的に,女性が思いの人にチョコレートを渡すのみ,というのが日本のバレンタイン・ディだが,香港では男性は女性に花束を,女性はチョコレートをプレゼントする日らしい.
スーパーにはずいぶん前からチョコレートの大箱が山積みで,多くの人が何箱もまとめて買っていくところを見ると,こっちでも義理チョコはあるんだろう.
しかし,なかなかほほえましい風景である.オッちゃんがニコニコと,花束を持って待ち合わせスポット(派手な旧正月飾りの前)に立っていて,それをちょっと眺めている間にも,同じ様な花を持ったカップルが,何のてらいもなく嬉しそうに通り過ぎる.
何が由来の風習でも,チョコレート屋と花屋の売り上げ向上イベントでも,いつもと違うちょっとした刺激に浮かれた人々を見るのは,楽しい感じだ.