昨日から「true」公演のためにNY入り.
折しも今日は,大統領選投票日.今こちらは夜23時過ぎで,TVをつけると,聞こえてくるのはOBAMA,OBAMAと,どうもオバマの勝利は確実みたい.McCAINの勝っている州もあるのに,アナウンサーの口からは,McCAINの名前はほとんど出てこない.
でも,NYの街中にいる限り,そんなに熱狂的な,例えばサッカーのワールドカップの時のような,大騒ぎは見受けられない.TVをつけると,何処かに物凄い人数が集まって,開票結果を固唾を呑んで見守っているのが映るのだけど,ホテルの窓から見る限り街は普段と変わりない.
でもまあ,そうは言っても,今日のセットアップは,選挙結果が気になるから早く帰りたい,という事で20時過ぎには終わったから,やっぱりみんな関心があるのは間違いない.何たって,国民が直接投票して選ぶんだからなぁ.
しかし,史上初のアフロ・アメリカンの大統領,もしくは初の有色人種の米大統領というのは,めでたいとは思うけれど,こんな莫大な負の遺産をブッシュ政権から譲り受けて,何とかなるんだろうか?
忘れっぽい民衆の記憶の中で,いつの間にか「やっぱ黒人の大統領なんてダメじゃん」と,全ての責任を押し付けられて,一期で消えていかない事を祈るばかりだ.大統領になった後で,「俺の政策がうまく行かないのは,みんな前ブッシュのバカのせいだ」なんて言っても,誰も納得はしないだろうし...
「true」@NY公演は,舞台の天井高4mという,今まで経験した事のないような条件下での公演.でも,現場での10日間の準備期間をもらい,リクエストどおりの音響システムも長期間借りてもらい,しかも舞台装置の建築足場は,天井高が低くて入らないからと,普通はレンタルするものをわざわざ購入して足を切ってもらうという,なかなか恵まれた公演でもある.契約はずいぶん前だとはいえ,こんなに経済が悪化している時に,きちんと対応してもらえるのは,ありがたい話だ.
舞台は,組み上げてみると,それなりの格好はついてきている.もちろん,オリジナルの舞台とは,見た目も受ける印象もずいぶんと違ったものになるだろうが,きっとこれはこれで面白いモノになるという確信じみたものはある.何より,普段のJapanSocietyの舞台を知っている人が見に来たら,その変わりようだけでも楽しめる事だろう.
さて,仕込みは明日まで.明後日からは,久々に腰を落ち着けて「true」のアップデート.ニュージャージーでのダム公演から東京に戻りDAF2008,その後京都での休憩を経て,山口でYCAM開館5周年をお祝いして,とってかえしたNY.楽しんでいきましょう.
true in NYC 081108
trueのクリエーション/アップデートが続くが,みんな時差ボケに悩んでいる.
僕はどちらかというと,日本に居た10日間の方が時差ボケがひどくて,こちらに来てからだんだんと回復している様子なのだけれど,二徹や三徹夜くらい何ともないはずの他のみんなが,夜19時を過ぎるともう眠くてたまらない様子.
でも,とりあえず,今回一番の懸案だった「社会」のシーンは,そうそうにかなり再編集された音が出来てきて,振り付けが進んでいる.
音も照明も,一度データを変えればそれは定着するけれど,人体はそうはいかない.それに,明確に出来る事と出来ない事がわかるテクニカルに比べて,身体の動きはやってみないと当事者にも分からない,という事がパフォーマーにはある.ほとんどの事が,コンピューターを介してプログラマブルにできるようになった今,それでも人体を介したパフォーマンスが面白いのは,コンピューターを使う「ヒト」自体が,一番制御し難いモノだからと思う.
(でも,その人体の文字通り「顔」である顔面の表情筋をコントロールして見せている,true_音響・振動・システムデザイン・プログラミング担当のM鍋氏のYouTube動画は,ただいまホットに物凄いアクセスを記録している.http://jp.youtube.com/watch?v=YxdlYFCp5Ic
まあ,だからといって,今のところ本人にすごく良い事があったというわけでは無いようなので,誰か彼に幸せを運んであげて下さい...大きなお世話かもしれないけれど...)
明日の日曜は,今回唯一のオフ.もともとは休みじゃなかったんだけれど,NYC滞在という事で,そんなにぎちぎちに詰めればいいというものでもなさそうなので,休みになりました.この機会に面白いものを観れて,次にいかせればいいのだけれど...いまのNYCが,そんなにわくわくするほど面白いのかどうか,僕には分からない.ホテルと劇場以外,何処にも行っていないんだから,分からなくて当たり前か.
で,それでもやはり眠らないNYCというのは健在らしく,時差ボケで眼が明いた夜明け前5時過ぎでも,ホテルの向かいのビル群の明かりは煌々と灯っている.まあ,点けっ放しで帰るんだろうけど,朝7時頃にカーテンを開けると,もう向かいには人影が見えたりするから,本当に忙しい街なのだ.車のクラクションも,気にしだせばずっと響いてるし...
そんな中,水曜の午前中は,Japan Society向かいの公園には,市が立っていた.たぶんニュージャージーからの,新鮮な野菜や果物,蜂蜜やオーガニックフードの屋台が出ていて,思わず買い求めた,しっとりとしたアップルケーキが,とても美味しかった.
あと,たぶんカリフラワー/ブロッコリーの亜種だと思うが,見慣れない野菜があって驚いた.何処かアジアの小国だとか,南アメリカなんかもそうだけど,市に行けば必ず見た事も無い野菜と出会うが,NYのど真ん中でも知らないものはあるのだ.
そして,trueの進行状況.
なんだか,わざわざトリミングしたみたいに,映像が横長で上下切れてます.実際もこんな感じなのですが,でもそれで,作品の何処がマイナスなのかというと,照明灯体が目に入って眩しいという以外,さしたる違いは有りません.
こんなtrueが観れるのは,たぶん今回のみなので,皆さんお誘いあわせの上,是非おいで下さい.
お待ちしています.
Various places
NYでのtrue公演は,無事に終了.
10日間のアップデート期間があったが故に,かえってパフォーマーには,ぎりぎりまでの変更で,過度な負担を本番でかけてしまったと思うけれど,公演自体はよくできたと思う.
経済は大変な状況で,しかもオバマ氏の大統領選出など,劇場に足を運んでるどころじゃないようなエキサイティングな時期だったのに,回を重ねる毎に(といってもたった3回だけれど),お客さんも増えていって,やっていて嬉しかった.
写真を見ると,やはり小さな空間だなあと思うけれど,たぶん始めて観るお客さんは,無理やりセットを空間に押し込めたような印象は持たなかったんじゃないかと思う.それだけまあ,空間にあわせてカスタマイズできたと...ひとえに,無理なオーダーをきいていただいた,JapanSocietyのおかげです.
また,何人か,古い友人にも会えたし,何よりNYの街自体に,すごく久しぶりに滞在したので,とても懐かしくもあった.ダムの最初の国外公演は,まさにこのNYのPS122という小劇場で,僕はまだ見習いみたいな立場でそのツアーに付いて行って,公演が終わってからもしばらく残って,ウロウロしていたのでした.もう20年も前の話だ...
そして,いったん帰国.3日ほど京都で休んでから,「lost」公演の為に山口湯田温泉へ.
「lost」は,ポータブルさが売り物だけに,今までにかなり変な公演歴をたどっている.
茅野市民館内の美術館>ハノイのオーケストラ練習場>別府温泉の商店街>有明パナソニックスタジオでのDAF東京>山口湯田温泉でのYCAM企画美術展オープニング,という流れだ.
今回は,この寒いのに何と野外!中原中也館前庭横の駐車場での特設ステージ.庭にはUVAのLEDポールのインスタレーションが立ち並んでいて,その点灯式が展覧会のオープニングセレモニーで,その後続いて「lost」を観てもらう.
市の関係者の人などが多くて,何といっても11月末の夜の野外,27分の作品といえども,寒くてどのくらいの人が最後まで観てくれるのかと心配したけれど,意外に?というのもおかしいけれど,皆さん最後まで楽しんでいただいた様子.
その後の,展覧会オープニングレセプションの会場でも,積極的に感想など話しかけていただいて,なかなかどうして,山口市の包容力というか,侮りがたしです.
もう時差ボケだかどうなってんだか分からない体調で,デジカメを持っていくのを忘れてしまったのが悔やまれる.しかし,朝晩と温泉につかって,疲れはかなりとれました.
で,京都に戻ったら,ちょうど娘の保育園の秋祭り打ち上げというのがあって,小さめの居酒屋ながら,店一軒丸ごと保育園スミレ組の父ちゃん母ちゃん子供でいっぱい,という中に突入.居酒屋の店長さんが,けっこう面倒見が良くて,カウンターに4〜5歳児ごっちゃり鈴なりというのを横目に,お茶をすする.実は翌日,ダムのツアーでフランスに行くので,まだ何だかんだと準備があって,お酒を飲んでリラックスというわけにはいかなかった.
そういえば,NY終了時,たぶん生まれて始めて集合時間を寝過ごした.しかも8時半ロビー集合という,そんなに無理のない設定.前夜,簡単な打ち上げをして,部屋に戻ってパッキングしながら,残っていたビールを2本空けた辺りまでは覚えているのだけれど,次に気が付いたら,ドアはガンガンノックされてるし,携帯は鳴ってるし,頭もガンガンしてるし,部屋の電気もつけっ放し.何とかまあ,フライトには間に合ったけど,かなりショック.
というのもあって,少々お酒を警戒しつつ,荷物をlost仕様からダム+Monochrome Circusの「怪物」公演仕様に切り替えて,翌朝関空へ.
エールフランスでフランス北東国境近くのMulhouseへ向かう.と,今度はエンジントラブルで,AF機の出発が2時間遅れて,機内で缶詰め.CDG空港でのトランジットが3時間ほどあったので,乗り継ぎに支障はなかったけれど,もしあれが飛ばなかったらと思うと,少々冷や汗モノ.
Mulhouseに同日夜中近くに到着し,翌朝から2日仕込みで続いて本番2日というスケジュールだったのだ.
なので,まあ無事に着いて良かったと,翌朝眠い目を擦りながら劇場に行くと,何と日本から送った機材が届かない.前夜,空港から町に向かう時にもかなり雪を目にしたのだが,けっこうな寒さなのだこの辺り.それで,輸送トラックが,何処かの峠で雪でスタック,朝8時半には劇場に着く予定が半日以上の遅れ.
劇場は,客席1000人程度と大きなところだが,意外にけっこう使いやすい.年に何度,この席が全て埋まるのかと,疑問に思わないではないが,「大き過ぎる」以外の劇場の仕様は,細かなところまで配慮されていて,建築家のエゴより気遣いの方が多く感じられる設計で,いろいろな公演にちゃんと対応できるような印象.劇場の事が分かってる建築家さんの設計なんでしょう.その辺り,フランスは結構ちゃんとしてる.
写真は,true@NYと,終演後,テーブル内部見学に群がる友人知人.
MulhouseのLa Filature内,大劇場.仕込み開始時,パフォーマーの場当たり,終わりの挨拶.まあ,一箇所目,無事に終了.
Think about the hotel
MulhouseからLe Havreに移動.
今回のツアーは,よほど乗り物運に恵まれていないのか,MulhouseからParisまでのフライトは,問題なく飛んだものの,CDG空港からLe Havreに向かうバスが,途中でどうも様子がおかしくなる.うとうとしていたので,どの辺りからおかしくなったのか分からないが,道中後半は制限時速100キロ程度の高速を,ぜいぜい息を切らしながら60キロほどで走っていた模様.でも,何とか止まってしまう事なく,夕刻にはLe Havreに着いた.
「ル・アーヴルの第2次世界大戦後の再建計画は都市計画の伝統と近代の建築・技術・都市計画の発展の先駆的試行における統合の顕著な例である。」
「ル・アーヴルは組み立て式の工法と形式・基準寸法の機能的利用・コンクリートの革新的使用に基づく都市計画・建築の顕著な第2次世界大戦後の例である。」
との理由で,世界遺産に指定されている町ですが,今の時期,天気悪くて寒くて太陽の出てる時間少ないです.調べてみると,今日の日の出は08:39で,日の入りは17:08.とにかく,朝8時に起きても,まだ窓の外は暗い.
そんな中,幸せな事に,ホテルはなかなか居心地が良い.しかも,次の公演仕込みまで,3日間のオフ.(今頃,Voyageのセット・機材は,Mulhouseから峠を越えて,トラックで運ばれているはず.)
しかも,さすが海の傍,牡蛎も魚も美味しい!
ホテルの部屋は,そんなにだだっ広くないものの,入り口と部屋の間にちょっとしたエントランスがあって,そこに浴室とクローゼットがある.なので,ホテルの廊下からドアを開けても,寝室に入るには,もう一枚ドアがあって,それが結構プライベートな感じで良い.部屋のインテリアも,すっごく高級な訳ではないけど,ちゃんとデザインされている.
最初は,まともな机が無いのが不満だったんだけど,後の写真にあるように,ベットを跨ぐように,ちょっと病院っぽいともいえる棚みたいな机があって,これがなかなか使い勝手が良い.ずっと暮らす自室にあると,上にどんどんモノが積もっていってどうにもならなくなりそうだが,一週間程度の滞在だと,かえって部屋を広く使えて暮らしやすいかもしれない.
それに,久々にバスタブもあるし,ネットはちゃんと繋がるし,この機会にゆっくりしながら,溜まっていた図面仕事などを少し片づける.
ちなみに,窓の外にはこれから公演する劇場が見える.オスカー・ニーマイヤー設計「Le Volcan」.何で劇場が「火山」なんて名前なんだろうと不思議に思ってたんだが,実際に見たら一目瞭然.大劇場と小劇場があります.まだ中には入っていないけれど,窓の外を見ても楽しい.
それで,部屋でうとうとしつつ,これまでにツアーでまわったホテルの事をつらつら思い出しつつ,ランク付けしてみた.
ダントツで良かったのは,セビリアのPatios De La Alameda.
仕事で行っているので,基本的には寝れればいいようなもんだが,ここは建物の中に入るだけでずいぶん幸せな気持ちになれた.ダムと,それからRCの公演でも泊まったので,一度だけの印象じゃない.僕は,セビリアの街がかなり好きだけれど,その半分くらいは,このホテルに滞在していたせいかもしれない.
部屋での仕事のしやすさというか,ホテルのサービスなどのソフト面とハードの充実だと,アメリカ・ポートランドのThe Heathman Hotelが,すごく記憶に残っている.ずいぶん前なので,細かな所までは覚えてないんだけど,ベットルームと別に,使いやすい机のある部屋で,気持ち良く過ごした.
面白かったホテルは,LAのThe Standard Downtown LA.正式にはStandardのロゴが,上下逆さに逆立ちしている.デザイナーズホテルの極みみたいなもんで,僕がのぞきに行ったメンバーの部屋は,ひとつとして同じじゃ無かった.その全部が,Not Standard.
ついでに書くと,プライベートで行ったところでは,バリ島のウブドゥのAlam Indahが,価格とロケーションを考えると,とても良かったかな.
でも,インド北部のチベット文化圏Ladakhの街Lehで,数週間ベースにしていた,今はもう名前を忘れてしまったゲストハウスも,そこからの景色は忘れがたい.ペントハウスで(といっても3階建てくらいだけど),屋上にはその部屋しかなかったので,三方がガラス窓でもかなりプライベートな環境で,部屋の中から窓越しにも,深い青色の空とそそり立つ山々が見えた.夜は,空が星で埋まっていた.
シャワーも満足に無いような宿だったけれど,いつかまた行けるものなら再訪したいもんだ.
写真は,Le Havreのホテルの部屋と,その窓から見えるLe Volcanの威容.
Finish, Travel and her birthday 2008
Le Havreでの公演終了.一回だけの公演で,照明のフォーカスにちょっと手間取った事もあって,仕込み1日目・2日目そして本番で続けてバラシと,バタバタと過ぎていった感はあるが,その前に3日間も休みがあったし,何よりお客さんがかなり来てくれたので(実数はちゃんと知らないが,パッと見800人位.1200の客席の両側を,見切れで切ってました),充実した滞在でした.
天気は悪かったけど,冬に来れたのは,食べ物の美味しさからいえば正解だったかも.
劇場は,見かけの異様さも含めて,まさに「昔の未来」.結構設備もくたびれていたけれど,そんな中,ちゃんとシンクが付いていて,ソファーなんかも置いてある休憩室(グリーン・ルーム)は,なかなかお洒落で快適でした.
変な所もいっぱいあったけど,基本的な設計は,わりとちゃんとしているのだ.惜しむらくは,何だか全体的にくたびれてきている.たぶん,管理とかメンテナンスがもっと行き届いていれば,抜群に良い劇場なんだろうけれど,人も設備も新陳代謝が衰えている感じ.
そして,僕は翌日,別の公演のために一人Saint Brieucへ向かう.地図でみると,Le HavreからSaint Brieucは,海岸線をたどって行けそうなんだけど,だがしかし,送られてきた列車のチケットはパリ経由.Le HavreからSaint Brieucへの距離を仮に100とすると,80くらいの距離にあるパリまで戻り,それから,140位の距離を走ってSaint Brieucに着く.
しかもパリでは,重い荷物をゴロゴロ転がして,St LazareからMontparnasseに地下鉄で移動.前夜の打ち上げ+メンバー数名の誕生会もあって,ふらふらした足取りの僕には,かなりきつい行程.
ちなみに,ダムのメンバーの2人は同年同日の誕生日で,しかもそれがウチの娘と同じ日(正確には,ウチの娘が,同じ12月6日生まれ).
皆さん,おめでとうございます.ウチの娘さん,スマン,お祝いできなくて...そういえば,彼女が生まれた時も,パリで公演中でした.
家人にも,いろいろ無理言ってます.
で,何の話しかというと,ちょうどハブ空港の話を読んでいたのだが,別段その発想は新しいものではないんだなと,日本に居ると,まさに網の目のように張り巡らされた交通網が標準的なものに思えるけれど,フランスだと,都市設計から鉄道網まで,スター型というか自転車のスポークとそれをまとめるハブ方式.FedExがサービスを始めた時に,アメリカの何処かの空港をハブにして,画期的な物流システムを開発したみたいに宣伝していた記憶があるが,なんの事はない昔からあるシステムなんだ.
それで,パリというでっかい丸に,各スポークが刺さるように幾つも駅があって,そこからフランス各地に線路が延びている.
ということで,乗り換えも含めて,朝10時過ぎにLe Havreを出て,Saint Brieuc到着は夕方17時過ぎ.結構な長旅で,しかもほぼひと言もフランス語が解らないので,くたびれました.
前にも書いたかもしれないが,これだけ来ていても,僕の耳にはひと言もフランス語が入ってこない.これがスペイン語になると,結構するする聴き取れるのだが,どうも僕は視覚と繋げて音を聞くようで,基本的に読めない言葉は音も解らない.なので,韓国語も,何度聞いても単語がちゃんと言えないが,広東語やスペイン語はちょっとは頭に入る.
例えば,切符に書いてある指定席の「車両/〜号車」という単語を見て意味を理解しても,それをどう発音するのか分からず,結果何度見てもその単語をすぐ忘れる.何だかね,発音しないHとか,まともに言えたことのないRとか,子音が続いて並んでいたり,難しいですフランス語.結果,未だに数も数えられない...困ったなぁ.
写真は,Le Havreの港のランドマークになっている教会.結構凄いです.
Saint Brieuc
Saint BrieucでのMonster project初海外公演終了.
残念ながら,ダンサーの都合で,一人今回は代役が立つことに.急拵えではあったけれど,それはそれで新たな作品にはなっていた.僕は,照明での参加.
今回の劇場「La Passerelle」では,6年くらい前だと思うが,ダムの公演をしている.でもその時の会場は大きい方の劇場だったんだが,今回はPetit Theatre.
この劇場,全体的に古くて,ダメな所もいっぱいあるんだが,小劇場を今回じっくり見てみると,かなりかわいい素敵な劇場だった.自分の作品を公演したいかと言われれば,なかなか難しいとは思うが,趣味で持っていたい骨董品みたいな場所ではある.
フランス人は,「イタリアン・シアター」と呼んでいたが,額縁舞台のオペラ劇場.でも,かなりちっちゃい.ちっちゃいんだけど,バルコニー席は3層つまり4階まであって,4階はかなり高くから舞台を見下ろす.
この4階が,歌舞伎で言う大向こうになっていて,ここだけ客席が極端に安い席料な造りになっている.でも,写真を見てもらえれば分かるが,その席はそれなりにしっかり造ってあるのだ.
今でも,「大向こうを唸らせる」とか,言葉としてのオオムコウは残っているけれど,実際にこんなにすごく特殊なサイトラインの,こういう席を持っている現役の劇場を見たのは,初めてだと思う.
これは凄い.安い席を作るために,建築が頑張ってるわけだ.そうでもしないと,劇場としての席数が確保出来なかった,という考え方もあるけれど,でもたぶんもう少し大きな規模の劇場を造る事だって出来たはずだ.どっちかというと,このかなり小さな劇場を造りたいという意思/欲望が,この大向こうに象徴されているような気もする.
何だかね,楽しいんですよ.気に入った演目なら,ここからの様子を観るために,もう一度チケットを買って(しかもたぶん結構安い),このバルコニー最上階から見直してみようか,という気にもなると思う.大げさに言えば,そういう劇場文化が,確かにあるという,その記憶みたいな劇場でした.
写真は,まず小劇場の天井に燦然と輝くシャンデリアと天井画,それにグランドレベルから見た舞台と,外の待ち合い.
そして,バルコニーと大向こうの外側の様子,それに内部の席の様子.
そして大向こう席上手端から見た舞台.ここから今回の公演を観た人は,たぶんいないと思うけれど,もしかなうなら僕は一度観てみたい.
Season’s Greetings
皆様:
今年も大変お世話になり,ありがとうございました.
来年も,よろしくお願いします.
2008 :
true, lost (with Monochrome Circus), Voyage (dumb type),
Lighting design for Nakaya Fujiko_Fog sculpture
Upcoming 2009 :
2月 : Monster Project@Angers/France (Monochrome Circus/Lighting design)
5月 : LED WorkShop@Hot Sommer in Kyoto/Kyoto/Japan
8月 : true@Tokyo/Japan
10月: true@Europe tour
A few days have already passed
松も取れて,そろそろ動き出さないと.
実は,大きな仕事が一本飛んでしまって,今年前半かなり暇になりました.たぶん,金融危機は関係ないと思うのですが,いきなり時間ができてちょっと呆然としているうちに,あっという間に一週間ほどが過ぎる.
でもまあ,ずっとお正月で,のほほんとしているわけにもいかないので,ゆるゆると動き始めるが,いまいち進まない.で,とにかくわぁっと勢いで,MacBookをLeopardにアップデートしてみる.
実は,true@NY公演の時に,Leopardを買う必要があって,どうせそのうち使うからと,私費で購入していた.音響のインターフェイスのドライバーが,OSのバージョン違いでうまく動かず,その解消で買ったんだけど,思ってた以上にLeopardはすごかった.問題のパートが,うまく再生されるようになっただけにとどまらず,全体的に何気に聞いていてもそれとわかるくらい,音質が向上した.
ハードがまったく同じでも,ソフトが替わるだけでこんなに違うとは...まだまだいろんな可能性があるんだろうなぁ.
まあ,それはともかく,そういう訳で去年からLeopardは手元にあったわけだけど,いくつか仕事に必要なアプリがLeopard上ではうまく動かないという噂もあり,なかなかそれらをアップデートする時間もなくて,ずっと棚上げしていた.でも,いちおう,少しずつ準備はしていたので,一気にそれらを全部インストール.
それで,インストールは,実は結構時間がかかるけど時間を持て余す.昔のMACみたいに,ポチッとボタンを押すと,あとは手も足も出ずにプログレッシヴ・バーがジリジリと進んで行くのを見守るのみ.
なので,これもずいぶん放ったらかしにしておいた,HDDがいかれてしまった家人のiBook G4の修理にとりかかる.ところが,これが物凄く難しい.いまどきのMacノートに比べたら雲泥の差.HDDにアクセスするまでに,何本のネジやシャーシ,もう一度はめるのが至難の業のコネクターをはずしていかなくてはならないのか...しかもネジの長さや大きさもいろいろバラバラ.なんだろね,久々に手を動かしました.
そうこうするうちに,Leopard本体のインストール終了.そく,確認のために,MailとアドレスブックとiCalを立ち上げてみる.いちおう,数日前に全てのバックアップはとったんだけど,やはり気になる.と,どうした事か,Mailが真っ白!各フォルダーは見えるけれど,中身は何も見えない.
慌てて,ユーザーのライブラリーをチェックすると,いちおうMail boxの中身は存在していて,ちょっと胸を撫で下ろす.数年前に,Meilとアドレスブックの中身が,綺麗さっぱり消えた事があるしね.
で,いろいろやったんだけど,結局,ライブラリーのMailフォルダーをディスクトップに出して,Macを再起動,いったんMailを立ち上げてから閉じて,それで新しくできたライブラリー内のMailフォルダーを,ディスクトップに出しておいたMailフォルダーで上書きしたら,全てのメールが見えるようになった.
でも,Mail内の各フォルダーに,白いのと灰色のがあるのですが,これは何?
で,やれやれと,iBook G4に戻ると,今度はPantherの新規インストールができない.G4だし,OS 10.3.は入るはずなのに,何度試しても画面に「駐禁」みたいなアイコンが...
うーん,確かiBook用のインストールディスクがあったような...しかし,何で,正規で購入したPantherのインストールディスクがダメなのかね.何じゃiBook?
ブチぶち文句を垂れながら,家人に「おまえの,インストールディスクは何処じゃ!?」と,問いただしていたら,僕の引き出しからでてきた...うーん,陰謀の匂いがするが,いったい僕をどうしたいというのか.
が,インストーラーが出てきたのはめでたい.
という訳で,めでたく,G4も復活.
いちおうそれだけじゃなく,日曜には娘の自転車走行(補助輪付き)公園15周に付き合ったり(家人と2人で,半々でチャリンコの横をジョギング),段ボールでぬいぐるみの家を作ったり,trueのテック・ライダーをアップデートしたりと,盛りだくさんな週末から週明けで,ようやく仕事モードになってきました.今週末からは,Linz/AustriaとAngers/Franceに出稼ぎ.