数人の友人がメールやなんかで,blog読んでるよといってくれて,それはとても嬉しいのだけれど,なぜだかみんな「晩ご飯に何を食べたか」とか「今日はどんなモノを食したか」とかに注目していますという.
ダンス滞在制作記の筈だが...
ところで今日はバーベキューだった.
滞在先の寮から学食までの間にバーベキューサイトがあるのは,前に書いたが,世話役の学生達とそこでBBQパーティ.といっても,やはりビール抜き.コーラやファンタが並ぶ.
食し方も日本とは違っていて,各自が長ーい二股のフォークをそれぞれ持ち,思い思いに具を選んで炭火にかざし,ゆっくり焼いて食べる.どちらかというと炉端焼きである.
具もつみれ団子やミートボール,ソーセジからポークチョップ,小さめのバタ付き食パンからマシュマロまで,珍しいところではししゃもも並んでいた.
手に手に二股フォークを持って,ボーっと火にかざしているのは,なかなかおつなもんである.そんなに身動きもとれないし,とにかく話し始める.もしくは真剣に火を見つめる.
途中で少し雨も降ったが,楽しい夕食だった.
12 days
公演初日まで,あと12日.
今日はまたまたとっても寒い.+強風.
香港っ子のDanielが,こんな気候は初めてというくらい,毎日状況が変わる.周りでは津波の影響だという声しきり.
しかし昨日は暑いくらいで湿度97%.今日は震えるほどで,風がぴゅうぴゅう.気がつくと,ここには寒いだ暑いだしか書いていない.
昨晩は僕のワークショップ.といっても半分はレクチャーで,ダムの作品の話しや去年のRefined Colorsの事を話して写真や動画を見せる.残りは,ColorWaveを使って,実際に音に合わせてLED照明をコントロールしてみる.LEDもだが,ノートPC1枚で音と照明を動かしていることにも関心が集まる.
ある程度は安定しているが,実際は結構冷や冷やする場面も本番中にあるんだけど,そんな話はせずに,可能性にフォーカスを当てて話す.
ちなみに,いまLED関連で一番気に入っているサイトはここ.
http://www.lightuptheworld.org/index.html
白色LEDと太陽光発電パネルとバッテリーの組み合わせは,シンプルで壊れにくい.しかもLEDはほんのわずかな電力で十分な明かりを提供する.
日本も無駄なODAにお金を浪費せずに,このセットをガンガンいろんな場所にばらまけば,結構感謝されると思うのだが...
ずいぶん前だが,インド北方のラダックやネパールなんかで,明かりのありがたさを感じたことがあるだけに,この組み合わせは,有効なサポートになると思う.
特にLEDは,電球みたいにフィラメントが燃え尽きて切れる事なんてないから,まだまだ使える中古機材が,これからどんどん出てくる可能性がある.それらと発電システムを組み合わせて,まだ電力や明かりの不自由な地域に送れば,とりあえず夜の闇からは解放される.
中古だと安いし,下手すりゃ日本ではゴミ扱いだ.それが十分役に立つ.
まあ,暗いのもたまには嬉しいけれど,それしか選択肢のない生活は大変.日が沈んでも本を読める方が,誰もが嬉しいはずだ.
Remix
今日はオフだが,昼からはAnthonyのスタジオで,作り貯めた音のリミックス.
自室ではJae Hyoのcooleditで音編集をしているのだが,やはり公演用にはプロの手を借りた方が確かなので,データを持ち込んで細かな修正等を行う.
おかげで,起きてシャワーを浴びて,前から予約していたマッサージを受けて(500HKDで3回,わざわざ部屋まで来てくれる),その合間にあわてて洗濯と食事をして,リラックスしたんだか何だか分からないままスタジオに向かう.
スタジオではサラウンド環境の構築やなんかで,かなり時間がかかり,逆に僕はすることもなく時間をつぶす.まあ,こういう事はよくあることで,ようやっと準備が整って作業開始,14時に入ったが,途中ご飯を食べたり幾つかアクシデントがあって,気がつくと24時も近く,まだ幾つかのセッションは終わりが見えないまま終了.
しかし,知ってはいたが,あらためて音編集の多機能さには驚くばかり.
写真は,Jae Hyoがエンジニアと一緒に,Arifの歌の音程がはずれたところを直しているところ.たった一カ所いじっただけだが,この調子で根気よくやれば,誰が歌っても完璧に出来る.
スタジオの近くでちょっと食事をして,25時も近くなってぎりぎり地下鉄の最終に駆け込んで,九龍に帰る.
改札を出たところで,僕らの公演の大きなポスターを見つける.悪戯小僧みたいなイメージは,Danielの印象が強いのか?
もう一枚の写真は,スタジオ(15階)の窓から撮った向かいのビル.別に覗き趣味があるわけではないが,何か香港に住むっていうのはこういう事か,という印象が強くなって撮ってみた一枚.場所は,佐敦(JORDAN),繁華街のど真ん中.
この地で大事な職業ベスト3には,コックとエレベーター屋さんが絶対入ると思う.
Order
今日は2度目のランスルー.
手持ちのシーンを,可能性がありそうなオーダーで通してみる.観客は数名の大学生.
また気温がかなり下がって,ダンサーのパワーも下がり気味.とりあえず決めてみたオーダー通りに動いてみて,あとから流れをビデオで確認してみようという程度.
とにかく出来てきているシーン以外には,手持ちの札はないわけで,何とかその中から可能性を見つけなければいけない.あと少しの時間はあるので,小さなパートくらいは作れるかも知れないが,たぶんそのエネルギーはエンディングを作ることに注がれるだろう.
そう,幾つかシーンは出来たけれど,まだこれで終われる!というものはない.
とにかく22日の火曜日には仮にでも流れを決めてしまって,その中でリズムを作りつつエンディングを考えようという了解はとれている.
いよいよ切羽詰まってきたかな.
今日は学食とホールと自室の往復のみ.
English
ずいぶん前,最初に香港に来るまで,僕は香港の人はみんな英語が話せると思っていた.いやぁ,すまんこってす,文化というか,そこに住む人達の根っこみたいなものには,あんまり考えが及んでいませんでした.ここでは,英語が話せる人も多いが,基本は当然広東語.まったく英語が話せなくても,十分暮らしていける.
でも,Danielなんかはかなり英語が話せる.Arifもいまはドイツを活動のベースにしていて,英語とドイツ語もかなり話せる.
香港,マレーシア,インドネシア,韓国,日本のメンバーで制作していて,どのようにコミュニケートをとるかというと,英語しかない.学生と話す時も英語.広東語が話せない僕たちは,何処でも英語.おかげで坂本君と話す時も,つい英語を使ってしまう.変な感じだ.
おかげで,あまり劇場では使わない英単語も覚えた.僕の英語は,基本的に劇場で作業をする時に使うモノか,メールで打ち合わせをする時に使うモノに限られている.中・高・大学と,英語苦手だったしなぁ.
ここ数日で覚えた単語,
interpreter
compromise
funeral
どうでしょう?
ハムレットがらみの作品を作っていて,わりと時期的に切羽詰まってきている感じがするかな?
しかし,アジアでの制作で,アジア系のメンバーしかいなくて,英語というのもおかしな感じではある.
どうだろう,何十年後かに同じような状況になったら,話しているのは北京語(mandarin)かな.
94%

気温が上がったら湿度も上がった...
本日,平均気温19度湿度94%.
こら香港,喧嘩売ってんのか?
朝起きたら,窓なんか真っ白である.部屋の暖房をつけっぱなしで寝たら,翌朝窓の内側が曇っていることがあるが,ここでは暖房もなく,外側が湿気で真っ白に曇っている.
今日は,またまたランスルー.学生達に公開することになっていて,夜20時からの通しなのに,結構30人くらい集まった.まあ,観客がいるのは,緊張感があって,良いモノである.
いちおう順番も決まって,繋ぎのおかしなところなど,調整している.まだまだ時間はかかるが,方向は見えたか.
まだ,エンディング,ちゃんと決まっていないけれど...
土曜日にもう一度,ここで通して,日曜には劇場入り.
まだまだ時間は欲しいけれど,早く劇場に入って照明等すべて揃った環境で制作したくもある.
ランスルーが終わったらもう22時過ぎで,今日は出来合いのサラダとカップヌードルの夕食.
まあ,こういう日もある.
A rest
今日は,体調の余りよくない人もいて,ちょっとひと休み.
明日は大学の稽古場で最終の通しで,明後日には劇場に移動.順番も決まって,細かいところをつめたいところだが,こういうちょっとした谷間では,往々にして何かアクシデントがある.
まあ,焦る気持ちもあるが,とにかく全員が揃わないと出来ないことも多いので,そこは気持ちをスパッと切り替える.
溜まっていた洗濯をして,ゆっくりお昼を食べて,ひとりずつに最終確認しながら照明の吊り込み図を描く.他のメンバーも,元気な人はそれぞれ個人練習.
夜は,Anthonyのスタジオで,最終のミックスダウンと,あとProtools-Liddell間の同期の確認.何事もなく,サクサクとMTCで同期してひと安心.
話は飛ぶが,cooleditが使えるようになったのは,今回の大きな収穫かな.とにかくwavデータさえもらえれば,自分でキューが探せるし,必要なら編集も出来る.1台のwin機上で音も照明もいじれるのは,とにかく面白い.
LEDの反応の早さも,かなり普通の劇場照明とは違う感じが作れる.Refined Colorsで試して確認したが,カラーキネティクス社のLED照明は,0.02秒の指示にちゃんとオンタイムで反応するから,NTSCビデオのフレームレートよりちょっとだけ早い.前にもっと適当に作ったキューでも,それだけ見ているとちゃんと音と照明が同期しているように見えるのだけれど,1台のPC上できっちりフレーム単位であわせたキューは,もっと気持ちいい気がする.
もっとも,僕がそう思ってみているからかも知れないが...
そう,いろいろ詰めていきたいところはあるが,とりあえず今日はちょっと休憩.
MultiFunctionHall B
今日は夕方16時から最後の通しをして,LED照明をバラしてパッキング.
このMultiFunctionHall Bとも,いよいよお別れである.(この正式名称は,一昨日の通しリハのフライヤーを見て知った...)
主に寒かったことしか記憶にないが,それでも一月半以上はここで過ごしたことになる.CCDCにも通ったが,メインはここだったしね.お世話になりました.
もうたぶん,一生来ることはないだろうと思うと,なかなか名残惜しいものである.
明日からは,香港文化中心(HKCC)へ.
仕込み日も入れて,本番初日までにまるまる4日間,会場を押さえてくれている.十分とは言えないが,それでもこのフェスティバルの忙しいさなか,なかなか頑張ってくれた配慮だと思う.
本番と同じ場所と設備が長く使えるのは,何よりもありがたい.
その点,Rifined Colorsを作った時のYCAMや,アップデートのために10日間以上会場を使わせてくれたシンガポールのEsplanadeは,ものすごく作る側に立った配慮をしてくれている劇場だし、恵まれてたなあと思う.
ちょっと心配なのは,明日からの早起き.といっても8時起きとかだが...
ここんとこずーっと3時頃に寝て,11時くらいまではベットでゴロゴロしてたからなぁ.
いやぁ,起きようという気持ちはあるんですが...