Stockholm

DANSENS HUS

一昨日,パリからストックホルムに移動.
CDG空港2Dエリアの出発情報表示システムがおかしくて,危うく乗り遅れるところ.
もともとあの空港は,僕の感覚では分かりにくい気がする.考えなくてもやり方(行き方)が分かる,というのが良い駅であったり空港であったりだと思うのだけれど,あそこは考えないと飛行機までたどり着けない.
しかも今回は,2時間前からずーっとモニターを睨んでいたのだが,ついに一度もチェックインカウンター番号が表示されなかった.全部がそうなら,まずスタッフに聞いてみるが,他の一部のフライトや,自分の乗る便の出発ゲートは出ている.ただ,ストックホルム行きを含めた5便ほどの,チェックインカウンター番号だけが,いつまでたっても出ない.遅いなぁと思いながらだらだら待っていて,5分前に飛ぶフライトのボーディングが始まったとの表示が出てから,慌ててスタッフに聞くと,こともなげにカウンター番号を教えてくれた.「何処のモニターにも表示が出てない!」と怒ると,肩をすくめて何でかなぁという顔をされた.
驚異的なスピードで手荷物チェックを通り(これはこれで大丈夫か?),飛行機に駆け込む.
ストックホルム・アーランダ空港で,日本から来る他のメンバーと合流.しかし今度は,僕より少し後に着くはずのみんなが,なかなか到着ロビーに出てこない.なんとこっちもアクシデントで,こちらはKLMでアムス経由だったが,12名中8人分の荷物が一緒に着かなかったとのこと.これはかなりの確率.でも,数時間後にはホテルに届いて,まあ大きな問題はなかった.
昨日から,DANSENS HUSで仕込み開始.
前に一度[OR]という作品で来ている.
スタッフや設備・雰囲気共に良い劇場なのだが,惜しいかなプロセが低い.もともとの建物の問題だろうが,防火壁の飛び切りでステージの額縁の高さが決まってしまい,これが6m を少し切る.
あと1m 全てが高ければ,とても使いでがあるのになぁ.
セットアップは,問題なく進行中.

Dansens Hus

公演3日目最終日の朝.
公演が3日以上あると,ずいぶん気楽である.
初日は,照明の調整等のために,朝から劇場入りしなくてはいけないし,最終日はバラシの準備をし,終わってからバラしてパッキングして積み込んで...間に公演のみの日があれば,街も見れるしずいぶんゆっくりした気分になれる.
会場のDansens Husは,とても居心地が良い.
前にも書いたように,プロセニアムは少し低いし,楽屋からはステージを通らないとホワイエに行けないし,客席の足下灯や非常灯が明るすぎるなど,数えだしたら幾らでも欠点は挙げられるのに,でもこれまでに訪れた幾つもの劇場の中でも,格段に気持ちよく公演が出来る.前に来た時も,同じ感じを受けた.
うまく書けないけれど,劇場のポリシーというか心構えみたいなものが,公演するアーティストにも,観に来るお客さんにも気持ち良く過ごしてもらえるように,細かなところまで心配りされている感じなのだ.それも,決して押しつけがましくなく,あくまでも個人の裁量でいろいろできる隙間を残しつつ.
働いているスタッフ数は決して多くないし,前回に来た時とは顔ぶれも変わっていたけれど,劇場の空気は変わっていない.
こう書くと,何だか凄く特別な場所のようになってしまうが,実際は他の劇場と何か大きな違いがあるわけではない.時たま出会うレストランやホテルでも,こういう場所がある.特にリッチでもゴージャスでもなく,でもリラックスできて何度でも通いたくなるようなところ.たぶん,こういう空気は厭きずに少しずつ細かなことを積み上げて,出来てくるものなのだと思う.
写真は,グリーンルームを兼ねた楽屋の溜まり場(この周りに,個人用のキャビンがある)と,たぶんロビー,街中,そして打ち上げ(これは後から写真を追加).